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登場人物が死ぬ描写があります。
そして、話が進むにつれて過激な表現が含まれますのでさらにご注意ください

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果実戦争

#25

ep25 スパンダー・バレエ①

自販機を探すために、効率を重視して二手に分かれた二人。


「あぁ〜…喉が……」
あまりの熱さに、喉が限界まで乾いてしまい、突き刺すような痛みが止まらない様子のケイト。

足取りも重くなる。意識がどこかに行ってしまいそう。


ついに体の限界を感じ、ケイトは近くの公園に向かった。
向かった公園には、なんと[下線]あったのだ[/下線]。


自動販売機が。

[大文字]「あれは!?」[/大文字]思わず声を上げてしまったケイト。
目の前のオアシスに思わず飛び付いた。

ポケットから急いで小銭を取り出し、細い穴に投入する。


しかし…

「…あれ? 200円入れたはずなのに…100円になってる………」

この自販機がボロいだけなのか…ケイトの頭が壊れたか…。
もう一度お金を確認するために返却レバーを引いた。

返却口から、二回の落下音が響く。


一つは100円玉。しかし、二つ目は[太字]コイン[/太字]だった。
コイン、それは能力を得るための物。なんと間違えたのだ。

目の前の虚しい現実にケイトはただ頭を抱えた。

「…あっちゃ〜……こりゃ熱中症かも」

今度はしっかり100円玉を二つ投入すると、ペットボトルの水を二つ購入した。
目的を終えたので、あとはマキハタのところまで行くだけ。

しかし、ケイトは我慢できなかった。
もう喉は乾ききってる。例えるとするならば砂漠

ケイトは、木の陰に隠れたベンチに座り込むと、ペットボトルの蓋を開ける。
そして勢いよく、がぶがぶと水を飲み込んだ。

だが……





「……うっ…! なんだ……」


一向に喉が、体が[太字]潤わない[/太字]。逆に[太字]乾く[/太字]ばかりだ。
何が起きてるのか理解できず、水を吐き出してしまったケイト。

それは、今まで味わったことのない不快感だった。
例えるとするならば、カラッカラの砂をそのまま口に入れたような。


普通、水を飲んだら喉が[太字]潤う[/太字]はず。
しかし、今は違った、逆に[太字]乾く[/太字]ばかり。

(まさか…[下線]攻撃されている[/下線]のか?)

新たな敵の可能性を感じ取るケイト。

それに、意識も段々と遠のいてきた。

(……せめて……何か…残さないと……)


ケイトは動かすのも辛い頭で考える。
徐々に体から力が抜けてくる、まぶたが自然に閉じていく。

[太字]その一瞬のことだった[/太字]。



[大文字]ザザッ[/大文字]

砂が掠れるような音が、ほんの少しだけ聞こえた。

もしかしたら、それが敵かもしれない。

(……水弾で撃ってみたいが……今は無理だ………マキハタさんが来てくれるまで…耐えないと…)

そんな願いを胸に、ケイトは最後の力を振り絞る。

ポケットからさっきのコインを取り出すと、最後の希望をコインに託し、力任せに放り投げた。

コインはあらぬ方向に飛んでいき、自動販売機の近くに落下した。

出来ることをやり遂げたケイトは、ベンチで意識を失った。

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作者メッセージ

潤うはずなのに乾く。
めちゃめちゃ嫌ですね…

マキハタさん早く来てくれ〜〜

2024/07/31 21:40

ドレミファ・ソラティド ID:≫4pM7EL77DoodU
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