果実戦争
頭の奥底からの声。その声の主は誰にもわからない。
だが、絶対にマズいことが起きてる。
そう本能で感じ取った2人は急いで来た道を走って戻る。
しかし、2人を待ち受けているのは自然だった。
そう、彼らは迷ってしまったのだ。どこにいるのかも分からない。
連絡用のスマホも圏外、ポケットにはさっき拾ったコインだけが雑に入れられている。
「オイオイ、ウソだろォ! 来た道を戻ってよ〜…なんでまだ山ん中なんだッ!?」
なぜ自分たちが迷っているのか理解できないエイキチ、どんどん苛立って文句が止まらない。
「おかしい……絶対に来た道を[下線]戻ってる[/下線]はずだ……なぜなんだ?」
[下線]冷や汗[/下線]を流しながら、自分たちの行動を振り返るキョウビン。
だが、特におかしい所はなかった。
[下線]嫌な汗[/下線]を流しながら、2人は再び来た道を戻る。
しかしそこには、絶望が待ち構えていた。
「…なんなんだよ[下線]これ[/下線]!…………全く同じ光景じゃないかッ!!」
2人の前に広がっていたのは、さっきと全く同じ光景だった。
[太字]『似ている』[/太字]ではない[太字]『全く同じ』[/太字]
「…………分かった気がする……何が起こっているか…ボクには分かった」
キョウビンは片唾を飲み込む、その顔には[下線]冷たい汗[/下線]がだらだらと垂れていた。
意を決して言う。
「__[太字]『時間』[/太字]だ……分かるか? 時間が戻ってる……数秒だけ戻っている…」
「時間…? どうしてそう分かるんだよ…」
エイキチには少なくとも理解はできなかった。突然、時間が巻き戻ってると言われても信用できるはずがない。
しかし、キョウビンの言い分には理由があった。
「時間が戻ってると思う理由、それは[太字]『汗』[/太字]にある……ボクたちは来た道を走って戻った、そして汗が流れた……だけど次に走った時だ……シャツが乾いて、汗が引いたんだ……不思議なくらいに、そしてまた汗が流れ始めた……」
普段、人を信じないエイキチも、これだけ言われたら信じざるを得なかった。命の危機も迫っている状況でもあったからだ。
「…ん〜〜そうは言ってもよォ〜〜何が起こってるんだ? 時間を巻き戻すって、そんなこと神様でもやんねェぞ…」
「分かってる。だけど、お前もさっき聞かなかったか? 頭の中から聞こえた声……時間が巻き戻った件と絶対に関係してる」
明らかにおかしい状況、キョウビンの心臓を高鳴らせる。
[太字]その時だった。[/太字]
「[太字]『正解』[/太字]だ……キミたち…」
2人以外誰もいないはずの山で、謎の男の声が突き刺さった。
キョウビンが声を荒げる。
「誰だ、お前はッ!」
しかし謎の男は、とても冷静だった。
「キミたち……迷ってるんじゃないのか? よかったら帰る道を教えてあげよう」
男の言葉は意外にも親切なものだった。しかし、当然だが2人は男の言うことを信じられない。
「…そんなこと、ポっと出のヤツに言われて信じれるわけがねェぜッ!」
見知らぬ男へ、盗賊なりのプライドを見せつけるエイキチ。
男は、ただ立ち尽くしている。
「そうか……じゃあ一つ提案しよう…私と手合わせ願いたい…キミたちの力を見せて欲しいんだ…」
そう言う男の目には、[下線]光と闇[/下線]が同時に渦巻いていた。
だが、絶対にマズいことが起きてる。
そう本能で感じ取った2人は急いで来た道を走って戻る。
しかし、2人を待ち受けているのは自然だった。
そう、彼らは迷ってしまったのだ。どこにいるのかも分からない。
連絡用のスマホも圏外、ポケットにはさっき拾ったコインだけが雑に入れられている。
「オイオイ、ウソだろォ! 来た道を戻ってよ〜…なんでまだ山ん中なんだッ!?」
なぜ自分たちが迷っているのか理解できないエイキチ、どんどん苛立って文句が止まらない。
「おかしい……絶対に来た道を[下線]戻ってる[/下線]はずだ……なぜなんだ?」
[下線]冷や汗[/下線]を流しながら、自分たちの行動を振り返るキョウビン。
だが、特におかしい所はなかった。
[下線]嫌な汗[/下線]を流しながら、2人は再び来た道を戻る。
しかしそこには、絶望が待ち構えていた。
「…なんなんだよ[下線]これ[/下線]!…………全く同じ光景じゃないかッ!!」
2人の前に広がっていたのは、さっきと全く同じ光景だった。
[太字]『似ている』[/太字]ではない[太字]『全く同じ』[/太字]
「…………分かった気がする……何が起こっているか…ボクには分かった」
キョウビンは片唾を飲み込む、その顔には[下線]冷たい汗[/下線]がだらだらと垂れていた。
意を決して言う。
「__[太字]『時間』[/太字]だ……分かるか? 時間が戻ってる……数秒だけ戻っている…」
「時間…? どうしてそう分かるんだよ…」
エイキチには少なくとも理解はできなかった。突然、時間が巻き戻ってると言われても信用できるはずがない。
しかし、キョウビンの言い分には理由があった。
「時間が戻ってると思う理由、それは[太字]『汗』[/太字]にある……ボクたちは来た道を走って戻った、そして汗が流れた……だけど次に走った時だ……シャツが乾いて、汗が引いたんだ……不思議なくらいに、そしてまた汗が流れ始めた……」
普段、人を信じないエイキチも、これだけ言われたら信じざるを得なかった。命の危機も迫っている状況でもあったからだ。
「…ん〜〜そうは言ってもよォ〜〜何が起こってるんだ? 時間を巻き戻すって、そんなこと神様でもやんねェぞ…」
「分かってる。だけど、お前もさっき聞かなかったか? 頭の中から聞こえた声……時間が巻き戻った件と絶対に関係してる」
明らかにおかしい状況、キョウビンの心臓を高鳴らせる。
[太字]その時だった。[/太字]
「[太字]『正解』[/太字]だ……キミたち…」
2人以外誰もいないはずの山で、謎の男の声が突き刺さった。
キョウビンが声を荒げる。
「誰だ、お前はッ!」
しかし謎の男は、とても冷静だった。
「キミたち……迷ってるんじゃないのか? よかったら帰る道を教えてあげよう」
男の言葉は意外にも親切なものだった。しかし、当然だが2人は男の言うことを信じられない。
「…そんなこと、ポっと出のヤツに言われて信じれるわけがねェぜッ!」
見知らぬ男へ、盗賊なりのプライドを見せつけるエイキチ。
男は、ただ立ち尽くしている。
「そうか……じゃあ一つ提案しよう…私と手合わせ願いたい…キミたちの力を見せて欲しいんだ…」
そう言う男の目には、[下線]光と闇[/下線]が同時に渦巻いていた。
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