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登場人物が死ぬ描写があります。
そして、話が進むにつれて過激な表現が含まれますのでさらにご注意ください

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果実戦争

#18

ep18 盗賊の『試練』

頭の奥底からの声。その声の主は誰にもわからない。

だが、絶対にマズいことが起きてる。
そう本能で感じ取った2人は急いで来た道を走って戻る。

しかし、2人を待ち受けているのは自然だった。
そう、彼らは迷ってしまったのだ。どこにいるのかも分からない。
連絡用のスマホも圏外、ポケットにはさっき拾ったコインだけが雑に入れられている。

「オイオイ、ウソだろォ! 来た道を戻ってよ〜…なんでまだ山ん中なんだッ!?」
なぜ自分たちが迷っているのか理解できないエイキチ、どんどん苛立って文句が止まらない。

「おかしい……絶対に来た道を[下線]戻ってる[/下線]はずだ……なぜなんだ?」
[下線]冷や汗[/下線]を流しながら、自分たちの行動を振り返るキョウビン。
だが、特におかしい所はなかった。

[下線]嫌な汗[/下線]を流しながら、2人は再び来た道を戻る。
しかしそこには、絶望が待ち構えていた。

「…なんなんだよ[下線]これ[/下線]!…………全く同じ光景じゃないかッ!!」
2人の前に広がっていたのは、さっきと全く同じ光景だった。
[太字]『似ている』[/太字]ではない[太字]『全く同じ』[/太字]

「…………分かった気がする……何が起こっているか…ボクには分かった」
キョウビンは片唾を飲み込む、その顔には[下線]冷たい汗[/下線]がだらだらと垂れていた。
意を決して言う。

「__[太字]『時間』[/太字]だ……分かるか? 時間が戻ってる……数秒だけ戻っている…」

「時間…? どうしてそう分かるんだよ…」
エイキチには少なくとも理解はできなかった。突然、時間が巻き戻ってると言われても信用できるはずがない。

しかし、キョウビンの言い分には理由があった。

「時間が戻ってると思う理由、それは[太字]『汗』[/太字]にある……ボクたちは来た道を走って戻った、そして汗が流れた……だけど次に走った時だ……シャツが乾いて、汗が引いたんだ……不思議なくらいに、そしてまた汗が流れ始めた……」

普段、人を信じないエイキチも、これだけ言われたら信じざるを得なかった。命の危機も迫っている状況でもあったからだ。

「…ん〜〜そうは言ってもよォ〜〜何が起こってるんだ? 時間を巻き戻すって、そんなこと神様でもやんねェぞ…」

「分かってる。だけど、お前もさっき聞かなかったか? 頭の中から聞こえた声……時間が巻き戻った件と絶対に関係してる」

明らかにおかしい状況、キョウビンの心臓を高鳴らせる。

[太字]その時だった。[/太字]

「[太字]『正解』[/太字]だ……キミたち…」
2人以外誰もいないはずの山で、謎の男の声が突き刺さった。
キョウビンが声を荒げる。

「誰だ、お前はッ!」

しかし謎の男は、とても冷静だった。
「キミたち……迷ってるんじゃないのか? よかったら帰る道を教えてあげよう」

男の言葉は意外にも親切なものだった。しかし、当然だが2人は男の言うことを信じられない。

「…そんなこと、ポっと出のヤツに言われて信じれるわけがねェぜッ!」
見知らぬ男へ、盗賊なりのプライドを見せつけるエイキチ。

男は、ただ立ち尽くしている。
「そうか……じゃあ一つ提案しよう…私と手合わせ願いたい…キミたちの力を見せて欲しいんだ…」

そう言う男の目には、[下線]光と闇[/下線]が同時に渦巻いていた。

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作者メッセージ

文字数って少ないほうと多いほうどっちがいい?

2024/06/20 14:14

ドレミファ・ソラティド ID:≫3p6uB4x4cRRX.
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