果実戦争
ここは静かだ、なぜだろうか、それは山だからだ。
緑の生い茂る山道を、二人の男が歩いている。
彼らは、[太字]『盗賊』[/太字]だ。しかし、それは根っからの悪ではない。
良い方でも、悪い方でも失敗した【敗北者】のレッテルを貼られて、人生に希望を持てなくなった男たちだった。
だが、そんな男たちにも、人生を変えるきっかけを求め奮闘している姿がそこにある。
「ナァナァ〜〜ホントに『果実』なんてあんのか? こんな古臭い山にさぁ…」
疑い深い男、『[漢字]吉法 贏吉[/漢字][ふりがな]キッポウ エイキチ[/ふりがな]』が口を尖らせて話しかける。
「だからな…何回いったら気が済むんだ……これで20回目だぞ…確かにボクたちにあるのかどうかは分からない…だけど、リーダーが言うんだからあるはずだ! 絶対にッ!」
リーダーを信頼している男『[漢字]竹代 匡斌[/漢字][ふりがな]タケシロ キョウビン[/ふりがな]』が説教するかのような口ぶりを見せる。
持ちつ持たれつな関係、それが彼らだ。
互いの文句をぶち撒けながら、薄暗い山道をグングン進んでいく。
しかし、そんな元気は長く続かない。
徐々に文句をいう元気も無くなり、口数も少なくなる。
だが、そんな彼らに光が舞い降りた。
山道に2つの丸く輝く物が見える、それは2人の目をも丸くさせる。
「…なんだこれ……めっちゃキレイじゃねェかッ!! こりゃ高〜く売れるぜ!」
金色に輝くコインに、欲望まみれな目を光らせるエイキチ。
「…コイン?……確かに綺麗だな…しかしおかしいと思わないか? こんなところに落ちてるなんて……それも[下線]2つ[/下線]! [小文字]まぁ、欲望深いお前には分からないと思うけど…[/小文字]」
目の前の2つのコインに、怪訝の目を光らせるキョウビン。
その反応は対称的だったが、やはり[太字]『盗賊』[/太字]のやることは一緒だった。
「これはオレたちのモンだぜェ!」
「少し興味が湧いてきた…拾っておくか」
もちろん拾った。
だが、その次の瞬間、2人を異変が襲う。
頭の奥底から声が聞こえ始めた。
エイキチには、【欲深い青年よ…、危機が訪れたなら[下線]指を噛め[/下線]、さすれば、10秒間だけ体の限界を超えて移動できる。しかし頻繁には使うな、体がもたなくなる】
キョウビンには、【冷静な青年よ…、危機が訪れたなら[下線]念じろ[/下線]、さすれば、お前の仲間が助けに来る】
果たして誰の声なのか。そんなことは知るよしもない。
だが、確信できる事は1つだけはある。
彼らは[漢字]能力[/漢字][ふりがな]シン[/ふりがな]を得た。しかし、まだ[下線]それ[/下線]には気づいていない。
2人には、[太字]『試練』[/太字]が待ち構えているだろう。
緑の生い茂る山道を、二人の男が歩いている。
彼らは、[太字]『盗賊』[/太字]だ。しかし、それは根っからの悪ではない。
良い方でも、悪い方でも失敗した【敗北者】のレッテルを貼られて、人生に希望を持てなくなった男たちだった。
だが、そんな男たちにも、人生を変えるきっかけを求め奮闘している姿がそこにある。
「ナァナァ〜〜ホントに『果実』なんてあんのか? こんな古臭い山にさぁ…」
疑い深い男、『[漢字]吉法 贏吉[/漢字][ふりがな]キッポウ エイキチ[/ふりがな]』が口を尖らせて話しかける。
「だからな…何回いったら気が済むんだ……これで20回目だぞ…確かにボクたちにあるのかどうかは分からない…だけど、リーダーが言うんだからあるはずだ! 絶対にッ!」
リーダーを信頼している男『[漢字]竹代 匡斌[/漢字][ふりがな]タケシロ キョウビン[/ふりがな]』が説教するかのような口ぶりを見せる。
持ちつ持たれつな関係、それが彼らだ。
互いの文句をぶち撒けながら、薄暗い山道をグングン進んでいく。
しかし、そんな元気は長く続かない。
徐々に文句をいう元気も無くなり、口数も少なくなる。
だが、そんな彼らに光が舞い降りた。
山道に2つの丸く輝く物が見える、それは2人の目をも丸くさせる。
「…なんだこれ……めっちゃキレイじゃねェかッ!! こりゃ高〜く売れるぜ!」
金色に輝くコインに、欲望まみれな目を光らせるエイキチ。
「…コイン?……確かに綺麗だな…しかしおかしいと思わないか? こんなところに落ちてるなんて……それも[下線]2つ[/下線]! [小文字]まぁ、欲望深いお前には分からないと思うけど…[/小文字]」
目の前の2つのコインに、怪訝の目を光らせるキョウビン。
その反応は対称的だったが、やはり[太字]『盗賊』[/太字]のやることは一緒だった。
「これはオレたちのモンだぜェ!」
「少し興味が湧いてきた…拾っておくか」
もちろん拾った。
だが、その次の瞬間、2人を異変が襲う。
頭の奥底から声が聞こえ始めた。
エイキチには、【欲深い青年よ…、危機が訪れたなら[下線]指を噛め[/下線]、さすれば、10秒間だけ体の限界を超えて移動できる。しかし頻繁には使うな、体がもたなくなる】
キョウビンには、【冷静な青年よ…、危機が訪れたなら[下線]念じろ[/下線]、さすれば、お前の仲間が助けに来る】
果たして誰の声なのか。そんなことは知るよしもない。
だが、確信できる事は1つだけはある。
彼らは[漢字]能力[/漢字][ふりがな]シン[/ふりがな]を得た。しかし、まだ[下線]それ[/下線]には気づいていない。
2人には、[太字]『試練』[/太字]が待ち構えているだろう。
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