果実戦争
敵の男の手には黒く光るロケットランチャーが握られていた!
そのロケットランチャーも黒く、平面的。これも男の能力で作られた物のようだ。
一体、いつ描く時間があったのだろうか。そんなことはどうでもいい!
男の右手は銃弾を打ち込まれ、ペンなんて掴めないような状態。まだ無事な左手で二人に見えないように描いたのだろうか。
ロケットランチャーを握る男の目は、明らかに普通じゃなかった。
「オマエらッ! そこを動くなよ…少しでも動いたらあのビルにコイツをぶち込んでやるッ!」
男が取ったのは明らかな人質だった。これで容易く動くことはできなくなってしまう。
ただ一連を見ていただけのケイトは冷や汗を流す。
「……ヤベー…何もしてない……だけど、動かなきゃ…! アイツを止めなきゃ…!」
両手の拳は固く握られた。
茶色いブーツの男も一瞬だけ悩む表情を見せたが、すぐに歯を出してニヤリと笑いながら話す。
「そういや〜、言っとくけどよォ〜……そんなことしたら、あの青年が[漢字][太字]本気[/太字][/漢字][ふりがな]マジ[/ふりがな]になっちゃうぜ……」
茶色いブーツの男が、ケイトに目線を送る。
おそらく、こう送ったのだろう。
(お前が殺っちまえッ!)
この目線の全ての意味が分からくとも、大体の意味は理解できたケイト。
敵の男は、ロケットランチャーの引き金に指をかけている。いつでもブッ放す準備ができている。
ケイトも、拳を岩みたいに握っている。いつでも水弾をブッ放す準備ができている。
それはまるで、ガンマンの決闘。
先に撃った方が勝つ。たったそれだけのシンプルなルール。
再び、緊張感が周りにギッシリと張り詰められる。
そんな緊張感を真正面に受けながら、茶色いブーツの男がゆっくりと両手を横に移動させる。
両手を叩いて決闘の合図を担当しようと考えているのだろうか。
それは、唐突だった。
[太字]パンッ[/太字]
ブーツの男が両手を叩く。
ケイトは腕を後ろへ勢いよく振りかざし、前へ素早く拳を振るう。拳から水の弾が飛び出した。
向かってくる水に、敵の男は反応できなかった。それはあまりにも速すぎた。
水が男の顔に、爆発したかのような音を立てて飛び散った。
敵の男は衝撃で後ろにぶっ飛ぶ。左手に持っていたロケットランチャーも宙を舞い、風に吹かれた煙のように消失した。
敵の男は両手をついて、喋るのが苦しいほどに息を荒くしている。
これで脅威は消え去った。
ケイトは敵の男に近づく。
敵の男は、近づいてくるケイトを見ると情けない声で命乞いをしてきた。
「…待ってください! どうか命だけは!」
しかし、それはケイトには届かない。
ケイトの目には黒すぎる炎が写っていた。
もうケイトに、躊躇はない。
「すまないが…お前を許すことは出来ない……さっき銃で撃っただろ……あまりにも人を撃つことに躊躇がない。一体何人の人を殺した?」
「…わ…忘れました……」
曖昧な答えを聞いた、そのときだった。
「…ふざけるなよ…罪もない人を殺すお前に生きる資格はない!」
ケイトは両手を振りかぶる。
右の拳を振るった、次に左の拳を振るった。
それの繰り返しだった。
数多の水弾が、男の体にぶち当たった。
「グゴォアアア!」
およそ人ではない叫び声を撒き散らしながら体をうねらせている。
「これで最後だァァアア!!」
ケイトは、思い切り右の拳を振るった。
水と拳が同時にぶつかり、男は宙を舞う、そのときの体はすでに茶色かった。
信じられないかもしれないが、男は宙を舞いながら体を土に変化させていたのだった。
灰色のコンクリートに降り掛かったのは茶色い土だけ、人の形はない。
見覚えのある光景。茶色いブーツの男が近づいてくる。
「お前さん…驚かないのか? その土を見て__」
ブーツの男は、少々驚いた表情を見せながら聞いてくる。
「え〜っと…2回目です」
冷静に返したケイト。
「ふ〜ん……じゃ、オレの自己紹介でもするか!」
茶色いブーツの男は、唐突に元気よく話し始めた。
そのロケットランチャーも黒く、平面的。これも男の能力で作られた物のようだ。
一体、いつ描く時間があったのだろうか。そんなことはどうでもいい!
男の右手は銃弾を打ち込まれ、ペンなんて掴めないような状態。まだ無事な左手で二人に見えないように描いたのだろうか。
ロケットランチャーを握る男の目は、明らかに普通じゃなかった。
「オマエらッ! そこを動くなよ…少しでも動いたらあのビルにコイツをぶち込んでやるッ!」
男が取ったのは明らかな人質だった。これで容易く動くことはできなくなってしまう。
ただ一連を見ていただけのケイトは冷や汗を流す。
「……ヤベー…何もしてない……だけど、動かなきゃ…! アイツを止めなきゃ…!」
両手の拳は固く握られた。
茶色いブーツの男も一瞬だけ悩む表情を見せたが、すぐに歯を出してニヤリと笑いながら話す。
「そういや〜、言っとくけどよォ〜……そんなことしたら、あの青年が[漢字][太字]本気[/太字][/漢字][ふりがな]マジ[/ふりがな]になっちゃうぜ……」
茶色いブーツの男が、ケイトに目線を送る。
おそらく、こう送ったのだろう。
(お前が殺っちまえッ!)
この目線の全ての意味が分からくとも、大体の意味は理解できたケイト。
敵の男は、ロケットランチャーの引き金に指をかけている。いつでもブッ放す準備ができている。
ケイトも、拳を岩みたいに握っている。いつでも水弾をブッ放す準備ができている。
それはまるで、ガンマンの決闘。
先に撃った方が勝つ。たったそれだけのシンプルなルール。
再び、緊張感が周りにギッシリと張り詰められる。
そんな緊張感を真正面に受けながら、茶色いブーツの男がゆっくりと両手を横に移動させる。
両手を叩いて決闘の合図を担当しようと考えているのだろうか。
それは、唐突だった。
[太字]パンッ[/太字]
ブーツの男が両手を叩く。
ケイトは腕を後ろへ勢いよく振りかざし、前へ素早く拳を振るう。拳から水の弾が飛び出した。
向かってくる水に、敵の男は反応できなかった。それはあまりにも速すぎた。
水が男の顔に、爆発したかのような音を立てて飛び散った。
敵の男は衝撃で後ろにぶっ飛ぶ。左手に持っていたロケットランチャーも宙を舞い、風に吹かれた煙のように消失した。
敵の男は両手をついて、喋るのが苦しいほどに息を荒くしている。
これで脅威は消え去った。
ケイトは敵の男に近づく。
敵の男は、近づいてくるケイトを見ると情けない声で命乞いをしてきた。
「…待ってください! どうか命だけは!」
しかし、それはケイトには届かない。
ケイトの目には黒すぎる炎が写っていた。
もうケイトに、躊躇はない。
「すまないが…お前を許すことは出来ない……さっき銃で撃っただろ……あまりにも人を撃つことに躊躇がない。一体何人の人を殺した?」
「…わ…忘れました……」
曖昧な答えを聞いた、そのときだった。
「…ふざけるなよ…罪もない人を殺すお前に生きる資格はない!」
ケイトは両手を振りかぶる。
右の拳を振るった、次に左の拳を振るった。
それの繰り返しだった。
数多の水弾が、男の体にぶち当たった。
「グゴォアアア!」
およそ人ではない叫び声を撒き散らしながら体をうねらせている。
「これで最後だァァアア!!」
ケイトは、思い切り右の拳を振るった。
水と拳が同時にぶつかり、男は宙を舞う、そのときの体はすでに茶色かった。
信じられないかもしれないが、男は宙を舞いながら体を土に変化させていたのだった。
灰色のコンクリートに降り掛かったのは茶色い土だけ、人の形はない。
見覚えのある光景。茶色いブーツの男が近づいてくる。
「お前さん…驚かないのか? その土を見て__」
ブーツの男は、少々驚いた表情を見せながら聞いてくる。
「え〜っと…2回目です」
冷静に返したケイト。
「ふ〜ん……じゃ、オレの自己紹介でもするか!」
茶色いブーツの男は、唐突に元気よく話し始めた。
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