果実戦争
茶色いブーツの男は、能力で落とさせた一個の銃弾を見ると、腰を下ろしてゆっくり拾う。
拾った銃弾も、敵の能力で作られたコピーだ。それは敵の男の心のようにドス黒く、平面的。銃弾をじっくりと見つめている。
「…………」
銃弾で何かをするのだろうか。またしても、空気に緊張が張り詰めていた、そのとき。
茶色いブーツの男が、手首だけを動かし銃弾を低く上へと放り投げる。二人は思う。『今度は何をするのだろうか』
投げられた銃弾は、一番高いところまで上昇する。そして重力の力に耐えられず徐々に、徐々に落下する。
やがて銃弾が、茶色いブーツの男の目の前に来たときだった。
またしても、男は空気を裂くかのように「パンッ」と両手を叩いた。
そのとき、重力に従順だったはずの銃弾が、敵の方向を向き急激な速度で加速した。
「何ィィイイッ!」
敵の男は、目の前の現実を信じられなかった。おそらく度肝を抜かれただろう。
突然現れたよくわからない男に銃弾を受け止められてしまい、更にはその銃弾を返されて逆に攻撃されてしまう。
おそらくだが、誰にも勝てないだろうと思っていた長所を、他人が容易く乗り越えてきて、自信を失くし崩れ落ちてしまいそうな気持ちなのかもしれない。
男は必死に左ポケットから急いでマジックペンを取り出そうとするが、銃弾は防げなかった。もう間に合わなかった。
「グオォォァァアア!!」
銃弾は、男の右手の甲を雷が通ったように貫くと同時に奇声を発した、手の骨が砕ける音も聞こえず穴が開く。赤い鮮血だけが地面のコンクリートにばら撒かれた。
「グゥ………クソッ!」
男は、怒りと痛みに身を任せて憤激の雄叫びを上げる。
そんな様子を、冷静な表情で見ている茶色いブーツの男。
少しすると、敵の男に呼びかける。
「もう分かっただろ…これ以上やったらおまえさんは死ぬ…これに懲りたら、人に迷惑かけるんじゃねーぞ…」
茶色いブーツの男は哀れみの表情を向けた。これで敵の男は懲りただろう。改心するだろう。
[太字]しかし、そんな哀れむ心が男の心に火を付けた![/太字]
「…舐めてんじゃ……ねェぞッ! このマヌケチキン野郎どもがァァアッ!!」
敵の男は怒りを爆発させた鬼の形相になる。
その手には、黒く光るロケットランチャーが握られていた。
拾った銃弾も、敵の能力で作られたコピーだ。それは敵の男の心のようにドス黒く、平面的。銃弾をじっくりと見つめている。
「…………」
銃弾で何かをするのだろうか。またしても、空気に緊張が張り詰めていた、そのとき。
茶色いブーツの男が、手首だけを動かし銃弾を低く上へと放り投げる。二人は思う。『今度は何をするのだろうか』
投げられた銃弾は、一番高いところまで上昇する。そして重力の力に耐えられず徐々に、徐々に落下する。
やがて銃弾が、茶色いブーツの男の目の前に来たときだった。
またしても、男は空気を裂くかのように「パンッ」と両手を叩いた。
そのとき、重力に従順だったはずの銃弾が、敵の方向を向き急激な速度で加速した。
「何ィィイイッ!」
敵の男は、目の前の現実を信じられなかった。おそらく度肝を抜かれただろう。
突然現れたよくわからない男に銃弾を受け止められてしまい、更にはその銃弾を返されて逆に攻撃されてしまう。
おそらくだが、誰にも勝てないだろうと思っていた長所を、他人が容易く乗り越えてきて、自信を失くし崩れ落ちてしまいそうな気持ちなのかもしれない。
男は必死に左ポケットから急いでマジックペンを取り出そうとするが、銃弾は防げなかった。もう間に合わなかった。
「グオォォァァアア!!」
銃弾は、男の右手の甲を雷が通ったように貫くと同時に奇声を発した、手の骨が砕ける音も聞こえず穴が開く。赤い鮮血だけが地面のコンクリートにばら撒かれた。
「グゥ………クソッ!」
男は、怒りと痛みに身を任せて憤激の雄叫びを上げる。
そんな様子を、冷静な表情で見ている茶色いブーツの男。
少しすると、敵の男に呼びかける。
「もう分かっただろ…これ以上やったらおまえさんは死ぬ…これに懲りたら、人に迷惑かけるんじゃねーぞ…」
茶色いブーツの男は哀れみの表情を向けた。これで敵の男は懲りただろう。改心するだろう。
[太字]しかし、そんな哀れむ心が男の心に火を付けた![/太字]
「…舐めてんじゃ……ねェぞッ! このマヌケチキン野郎どもがァァアッ!!」
敵の男は怒りを爆発させた鬼の形相になる。
その手には、黒く光るロケットランチャーが握られていた。
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