果実戦争
この世には、話し合いで解決できる争いがたくさんあるはずだ。
だが少なくとも、東京都の[漢字]横士真[/漢字][ふりがな]よこしま[/ふりがな]区で始まったこの争いは____
[中央寄せ][太字]犠牲が伴わなければ終わらない[/太字][/中央寄せ]
[水平線]
男は、マジックペンのキャップを外すと空中に何かを描き始めた。
どこかで見たことがある形、とても黒がよく似合う。
それは拳銃だ。
男がマジックペンのキャップを閉める。
すると、ただの絵だったはずの拳銃は、実体となって男の手に握られた。
男は、顔いっぱいに気色の悪い笑顔を広げた
「オマエは、カモだァ!」
銃身はケイトの方に向けられていた。
引き金を引いたなら、一つの穴ができるだろう。
しかし、ケイトは『冷静』であった。
まるで川を見て、深い深呼吸をしているように冷静だった。
ケイトは引き金にかかる指を観察していた。
銃は引き金を引けば、弾が出る。
弾の当たりどころが悪ければそのまま死ぬ。
そんなことは分かっていた。しかし、どこか『冷静』であった。
そして二人がいる交差点。
元々は大勢の人で賑わっていたのだが、今となっては人が出てくる気配なんてありもしない。
人が飛び出してくるわけない。
[太字]『はず』[/太字]だった。
カタ、カタ、カタ、カタ
張り詰めた静けさに、足音が聞こえた。
コンクリートと靴が互いに響き、どこかリズムを取っているようでもある。
カタ、カタ、カタ、カタ
足音は、二人に向かってきている。
一般人が来たのか、もしくは『敵』か。
何が起きているのかも分からずに、一刻と時間が過ぎる。
二人は足音の方向を向く。
そこにいたのは、身の丈に合わないズボンを履いている男だった。
カタカタ鳴っていた音も、男の履いている茶色いブーツからだ。
その表情は、どこか自信ありげな顔つきだった。
茶色いブーツの男は両手を口の横に当てながら、二人へ[漢字]漁網[/漢字][ふりがな]ぎょもう[/ふりがな]を被せるように言葉を放った。
「そこのキミたちィ〜〜!! ここは街中だぞォ〜〜! 戦うんなら砂漠に行けェェ〜〜!」
注意の言葉が戦闘中の二人に被さった。
敵の男は、戦いの邪魔を嫌うかのように舌打ちをする
構えている黒い銃の方向が変わった。
その方向は、茶色いブーツの男に向けられていた。
一発の破裂する音。敵の男が[漢字]躊躇[/漢字][ふりがな]ちゅうちょ[/ふりがな]もせず引き金を引いた。
銃弾が茶色いブーツの男の手前まで迫る。
すると…
茶色いブーツの男は一回だけ、空気を割るかのように両手を叩いた。
そのあと、衝撃的な光景が二人の目に飛び込む。
銃弾の勢いが止まり、宙を舞ったのである。
男の手前までは確かに、この世界の水平線みたいに真っ直ぐ進んでいたはず。
果たして何が起きたのか。さっきまでの男の動きで、少しおかしいと思う動きは一つだけあった。
『両手を叩く』、まさかそれだけの行動で銃弾の進行を遮ったとでも言うのだろうか。
だが、信じざるを得ない。確かにあったのだから。
敵の男は、目の前の出来事を信じれずに石のように静止している。
ケイトもあの茶色いブーツの男は、能力を使える人なのだろうと思った、だが明らかにあの男が能力の使い方に慣れているとも感じ取れた。
ケイトにも、[漢字]自分の能力[/漢字][ふりがな]水弾[/ふりがな]で向かってくる銃弾を撃ち落とせるかもと思ったこともある。しかし、実際にやろうと思ったことはない。やるチャンスはあった、しかし、自分の能力にまだ慣れていなかったため、やろうとは思わなかった。
だが、茶色いブーツの男は自分の能力を信じて、銃弾を受け止めた。
あの男の[太字]『絶対的な自信』[/太字]、それはケイトにとって『兄』との共通点でもあった。
突然発砲された茶色いブーツの男は、地面に転がった銃弾を見下ろす。
すると、敵の男に鋭利で容赦のない視線を送ると、質問を投げかけた。
「そこのお前……俺に[太字]『反抗』[/太字]するのか? 別にいいならそれでいいけどよォ〜…謝るなら今のうちだぜ…このコンクリートさんにべったり額をくっつけて土下座するならなァ〜〜!」
敵の男の答えは…
「な……なんだよテメェ! オレの邪魔するなら全員カモだッ!」
茶色いブーツの男はオーバー気味な呆れた仕草をとる。
次にケイトの方に視線を向ける、次は一つの提案を投げかけてきた。
「そこの青年……俺の手伝いをしてくれね〜か? このドアホ野郎を片付ける手伝いをしてくれたなら俺の仲間に入れてやってもいいぜ」
男の提案に、ケイトは悩む間もなく答えた。
「仲間になるのかどうかはあとで決めますけど……そいつはボクの敵ですから、今は一緒に倒しましょう」
その答えを聞くと、茶色いブーツの男はニヤリと笑うとケイトに向けてサムズアップを突きつけた。
「オーケーだッ! 殺っちまおうぜ!」
茶色いブーツの男といつの間にかチームを組んでしまったケイトだった。
だが少なくとも、東京都の[漢字]横士真[/漢字][ふりがな]よこしま[/ふりがな]区で始まったこの争いは____
[中央寄せ][太字]犠牲が伴わなければ終わらない[/太字][/中央寄せ]
[水平線]
男は、マジックペンのキャップを外すと空中に何かを描き始めた。
どこかで見たことがある形、とても黒がよく似合う。
それは拳銃だ。
男がマジックペンのキャップを閉める。
すると、ただの絵だったはずの拳銃は、実体となって男の手に握られた。
男は、顔いっぱいに気色の悪い笑顔を広げた
「オマエは、カモだァ!」
銃身はケイトの方に向けられていた。
引き金を引いたなら、一つの穴ができるだろう。
しかし、ケイトは『冷静』であった。
まるで川を見て、深い深呼吸をしているように冷静だった。
ケイトは引き金にかかる指を観察していた。
銃は引き金を引けば、弾が出る。
弾の当たりどころが悪ければそのまま死ぬ。
そんなことは分かっていた。しかし、どこか『冷静』であった。
そして二人がいる交差点。
元々は大勢の人で賑わっていたのだが、今となっては人が出てくる気配なんてありもしない。
人が飛び出してくるわけない。
[太字]『はず』[/太字]だった。
カタ、カタ、カタ、カタ
張り詰めた静けさに、足音が聞こえた。
コンクリートと靴が互いに響き、どこかリズムを取っているようでもある。
カタ、カタ、カタ、カタ
足音は、二人に向かってきている。
一般人が来たのか、もしくは『敵』か。
何が起きているのかも分からずに、一刻と時間が過ぎる。
二人は足音の方向を向く。
そこにいたのは、身の丈に合わないズボンを履いている男だった。
カタカタ鳴っていた音も、男の履いている茶色いブーツからだ。
その表情は、どこか自信ありげな顔つきだった。
茶色いブーツの男は両手を口の横に当てながら、二人へ[漢字]漁網[/漢字][ふりがな]ぎょもう[/ふりがな]を被せるように言葉を放った。
「そこのキミたちィ〜〜!! ここは街中だぞォ〜〜! 戦うんなら砂漠に行けェェ〜〜!」
注意の言葉が戦闘中の二人に被さった。
敵の男は、戦いの邪魔を嫌うかのように舌打ちをする
構えている黒い銃の方向が変わった。
その方向は、茶色いブーツの男に向けられていた。
一発の破裂する音。敵の男が[漢字]躊躇[/漢字][ふりがな]ちゅうちょ[/ふりがな]もせず引き金を引いた。
銃弾が茶色いブーツの男の手前まで迫る。
すると…
茶色いブーツの男は一回だけ、空気を割るかのように両手を叩いた。
そのあと、衝撃的な光景が二人の目に飛び込む。
銃弾の勢いが止まり、宙を舞ったのである。
男の手前までは確かに、この世界の水平線みたいに真っ直ぐ進んでいたはず。
果たして何が起きたのか。さっきまでの男の動きで、少しおかしいと思う動きは一つだけあった。
『両手を叩く』、まさかそれだけの行動で銃弾の進行を遮ったとでも言うのだろうか。
だが、信じざるを得ない。確かにあったのだから。
敵の男は、目の前の出来事を信じれずに石のように静止している。
ケイトもあの茶色いブーツの男は、能力を使える人なのだろうと思った、だが明らかにあの男が能力の使い方に慣れているとも感じ取れた。
ケイトにも、[漢字]自分の能力[/漢字][ふりがな]水弾[/ふりがな]で向かってくる銃弾を撃ち落とせるかもと思ったこともある。しかし、実際にやろうと思ったことはない。やるチャンスはあった、しかし、自分の能力にまだ慣れていなかったため、やろうとは思わなかった。
だが、茶色いブーツの男は自分の能力を信じて、銃弾を受け止めた。
あの男の[太字]『絶対的な自信』[/太字]、それはケイトにとって『兄』との共通点でもあった。
突然発砲された茶色いブーツの男は、地面に転がった銃弾を見下ろす。
すると、敵の男に鋭利で容赦のない視線を送ると、質問を投げかけた。
「そこのお前……俺に[太字]『反抗』[/太字]するのか? 別にいいならそれでいいけどよォ〜…謝るなら今のうちだぜ…このコンクリートさんにべったり額をくっつけて土下座するならなァ〜〜!」
敵の男の答えは…
「な……なんだよテメェ! オレの邪魔するなら全員カモだッ!」
茶色いブーツの男はオーバー気味な呆れた仕草をとる。
次にケイトの方に視線を向ける、次は一つの提案を投げかけてきた。
「そこの青年……俺の手伝いをしてくれね〜か? このドアホ野郎を片付ける手伝いをしてくれたなら俺の仲間に入れてやってもいいぜ」
男の提案に、ケイトは悩む間もなく答えた。
「仲間になるのかどうかはあとで決めますけど……そいつはボクの敵ですから、今は一緒に倒しましょう」
その答えを聞くと、茶色いブーツの男はニヤリと笑うとケイトに向けてサムズアップを突きつけた。
「オーケーだッ! 殺っちまおうぜ!」
茶色いブーツの男といつの間にかチームを組んでしまったケイトだった。
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