救いようがない今日
[明朝体]「おい、●●!行くぞ…うん」
「どうして? まだ燃えてないよ、溶けてないよ、消えてないよ? 死んでないよ?」
煌々とした瞳は弧を描く。小さくはあるが国をたった一人で滅ぼしたその少女は言うのだ。
「足りない」と。
血肉が燃え尽き、溶けて消えるその景色、匂い、色。美しいその全てが。
「貴方の言葉を借りれば、芸術よ。人が人じゃなくなるその瞬間が、全て芸術」
「オイラにもわかんねぇな…うん」
「そう。それは残念」
分からずとも良いのだ。邪魔さえしなければ。この美しい絵画を鑑賞する時間さえ、楽しませてくれるのなら。
「行こうか、デイダラ。次は木ノ葉?」
「次はオイラの番だな…うん」
彼女の、●●の額に巻かれた額当てには木ノ葉隠れのマークを切り裂く一本線。
「分かっているだろうけれど、派手な事はしちゃ駄目」
「それ、お前が言うか?」
「だってここはお掃除していいって聞いたもの。人柱力もいなかったし」
ばいばい、とまっ更な平地に手を振り●●は静かに言う。
「殺したくて殺したくて、それでいて私と永遠にしたい様な素敵な人に会いたい」
「現れるといいな…うん」
うっとりと目を閉じた●●の足元にクナイが刺さる。
ゆっくり顔を上げた先に立っていたのは、暁の空から注ぐ光に照らされた銀の髪。ゆらりとなびくそれはまるで絹の様で、今まで●●が見てきた美しいものよりもずっと美しかった。
「あ…………」
「木ノ葉の忍だぞ、あいつ知ってるか、●●」
デイダラの問いかけなんて耳に入らない。私はその人に恋をした。一目惚れなんて簡単な言葉では片付けられないくらいにこの恋は運命的で、必然的なの。
「お前ら、暁か?」
その一言さえ世界中のどの音楽よりも鮮やかな彩りを添え、私の鼓膜を震わすの。
「どうしよう、デイダラ」
「ヤバい奴なのか?」
「違う、あの子は確かに強い。強いけど、どうしよう。私、あの子に恋しちゃった」
「は?」
足元に刺さったままのクナイを引き抜き、●●は、うっとりと微笑んだ。
「写輪眼のカカシ。私、絶対貴方を殺す」
[/明朝体]
「どうして? まだ燃えてないよ、溶けてないよ、消えてないよ? 死んでないよ?」
煌々とした瞳は弧を描く。小さくはあるが国をたった一人で滅ぼしたその少女は言うのだ。
「足りない」と。
血肉が燃え尽き、溶けて消えるその景色、匂い、色。美しいその全てが。
「貴方の言葉を借りれば、芸術よ。人が人じゃなくなるその瞬間が、全て芸術」
「オイラにもわかんねぇな…うん」
「そう。それは残念」
分からずとも良いのだ。邪魔さえしなければ。この美しい絵画を鑑賞する時間さえ、楽しませてくれるのなら。
「行こうか、デイダラ。次は木ノ葉?」
「次はオイラの番だな…うん」
彼女の、●●の額に巻かれた額当てには木ノ葉隠れのマークを切り裂く一本線。
「分かっているだろうけれど、派手な事はしちゃ駄目」
「それ、お前が言うか?」
「だってここはお掃除していいって聞いたもの。人柱力もいなかったし」
ばいばい、とまっ更な平地に手を振り●●は静かに言う。
「殺したくて殺したくて、それでいて私と永遠にしたい様な素敵な人に会いたい」
「現れるといいな…うん」
うっとりと目を閉じた●●の足元にクナイが刺さる。
ゆっくり顔を上げた先に立っていたのは、暁の空から注ぐ光に照らされた銀の髪。ゆらりとなびくそれはまるで絹の様で、今まで●●が見てきた美しいものよりもずっと美しかった。
「あ…………」
「木ノ葉の忍だぞ、あいつ知ってるか、●●」
デイダラの問いかけなんて耳に入らない。私はその人に恋をした。一目惚れなんて簡単な言葉では片付けられないくらいにこの恋は運命的で、必然的なの。
「お前ら、暁か?」
その一言さえ世界中のどの音楽よりも鮮やかな彩りを添え、私の鼓膜を震わすの。
「どうしよう、デイダラ」
「ヤバい奴なのか?」
「違う、あの子は確かに強い。強いけど、どうしよう。私、あの子に恋しちゃった」
「は?」
足元に刺さったままのクナイを引き抜き、●●は、うっとりと微笑んだ。
「写輪眼のカカシ。私、絶対貴方を殺す」
[/明朝体]
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