魔法使いゼノ
古い小屋には、親と子の慌ただしい日常が描かれていた。
「お母さん、ちょっと森に行ってくる」
「行ってらっしゃい」
「七年位で帰ってくるから」
険しい獣道を進み、森の全てを見渡せる頂上にまで来た。 スライムが地を這う姿を見て、エルフの少女はスライムが居る場所まで行った。
「スライムが敵に追われて逃げて来たのか」
スライムはかなり疲弊した様子で、こちらを見つめている。「助けてやろう」と、思った事もある。だが、スライム等の魔物には感情が無いのだ。 スライムの視線を跳ね除け、魔法で玉砕した。 スライムは塵となり、空へと還っていった。
「不味いね。 誰かが、こっちに向かって来ている」
エルフの少女の直感で、敵は魔族だと分った。
魔族は、魔物の進化体で知能が高いが、狙った獲物を横取りされると、相当キレる。
「敵は、魔王軍幹部クラスだろうね」
森の軋む音がする。 森が拒絶反応を見せ、軋み、木々が、その魔力量に揺らいでいる。
一歩。また一歩と、近づいて来る。 その距離約10メートル、後少しで戦闘が始まる。
「誰かと思ったら、エルフか」
「失礼だね。 私は、お前より強いよ」
エルフの少女の目の前には、大柄の黒いコートをきた、黒肌の男が居た。
「ワシは、勝てない戦いはしない主義なんでね」
「やってみないと分からないよ」
「勝てそうじゃないからのぉ」
確かに大柄の男が言う通り、エルフの少女の魔力は
とても高い。 しかし、勝てない程ではない、
何かを隠している。
「要するに、私が勝つ。 と言う事だね」
「否定はしない」
「なら、行かせて貰うよ」
そう言うと、エルフの少女は所持している長杖を敵に向け、魔法を放つ。
「一般魔法 ラディウス」
長杖から1つの光線が放たれる。 それは、古来から、伝わる最強の魔法。
「私の勝ちだ」
「良いだろう、ワシも本気を出すかのぉ」
大柄の男の体が、白く光りだす。
「反転 聖魔混合」
魔と聖が混ざり合う。 互いが反発しあい、軽く地面を叩くだけでも、地面が抉れる。
「ワシは、魔王軍最高幹部 フェルサ」
「確か、裏切り者のフェルサだったね」
「確かに、ワシは魔族側を裏切り、聖を手に入れた」
「まさか、反発魔法を使ってくるとは、思わなかったよ」
力と力が反発しあい、試合は激戦に移り変わっていた。 互いが疲弊し、戦闘はクライマックスに入っていた。
「そろそろ勝敗を決めないとね」
「同意見じゃ」
「お前からで良いよ。 魔族には、負けないから」
「舐められているのぉ」
勝敗が決まるラストスパート。 エルフの少女は、先に撃っていい。 と、最大のハンデを授けた。
「邪空黒龍線 ジャクゥリュウセン」
「防御防壁」
フェルサの至高の一撃は、防御魔法によって軽くいなされた。
エルフの少女は「次は私の番」と言い、勝利への一歩を歩む。
「一般魔法 ラディウス」
長杖から50の光が溢れ出し、フェルサの全身を跡形も無く消し去る。
「まったく、面倒くさい」
「お前…名前…は…?」
「まだ行きていたんだね。 一応教えて上げる。
私は、ゼノ 魔法使いゼノ」
「見事な腕前であった……」
戦闘が終わりエルフの少女は、ふと気づく。
「体がいつもと違う。 なにか、アイツに変な事を
されたのか?」
魔力で自身の体内を調査する。 そして、心臓付近に解除不可能の『魔族を殲滅する呪い』を、掛けられていた。
「面倒くさい事に巻き込まれるのは、一回で充分なのに」
魔法使いゼノの人生の変動が、始まる。
「お母さん、ちょっと森に行ってくる」
「行ってらっしゃい」
「七年位で帰ってくるから」
険しい獣道を進み、森の全てを見渡せる頂上にまで来た。 スライムが地を這う姿を見て、エルフの少女はスライムが居る場所まで行った。
「スライムが敵に追われて逃げて来たのか」
スライムはかなり疲弊した様子で、こちらを見つめている。「助けてやろう」と、思った事もある。だが、スライム等の魔物には感情が無いのだ。 スライムの視線を跳ね除け、魔法で玉砕した。 スライムは塵となり、空へと還っていった。
「不味いね。 誰かが、こっちに向かって来ている」
エルフの少女の直感で、敵は魔族だと分った。
魔族は、魔物の進化体で知能が高いが、狙った獲物を横取りされると、相当キレる。
「敵は、魔王軍幹部クラスだろうね」
森の軋む音がする。 森が拒絶反応を見せ、軋み、木々が、その魔力量に揺らいでいる。
一歩。また一歩と、近づいて来る。 その距離約10メートル、後少しで戦闘が始まる。
「誰かと思ったら、エルフか」
「失礼だね。 私は、お前より強いよ」
エルフの少女の目の前には、大柄の黒いコートをきた、黒肌の男が居た。
「ワシは、勝てない戦いはしない主義なんでね」
「やってみないと分からないよ」
「勝てそうじゃないからのぉ」
確かに大柄の男が言う通り、エルフの少女の魔力は
とても高い。 しかし、勝てない程ではない、
何かを隠している。
「要するに、私が勝つ。 と言う事だね」
「否定はしない」
「なら、行かせて貰うよ」
そう言うと、エルフの少女は所持している長杖を敵に向け、魔法を放つ。
「一般魔法 ラディウス」
長杖から1つの光線が放たれる。 それは、古来から、伝わる最強の魔法。
「私の勝ちだ」
「良いだろう、ワシも本気を出すかのぉ」
大柄の男の体が、白く光りだす。
「反転 聖魔混合」
魔と聖が混ざり合う。 互いが反発しあい、軽く地面を叩くだけでも、地面が抉れる。
「ワシは、魔王軍最高幹部 フェルサ」
「確か、裏切り者のフェルサだったね」
「確かに、ワシは魔族側を裏切り、聖を手に入れた」
「まさか、反発魔法を使ってくるとは、思わなかったよ」
力と力が反発しあい、試合は激戦に移り変わっていた。 互いが疲弊し、戦闘はクライマックスに入っていた。
「そろそろ勝敗を決めないとね」
「同意見じゃ」
「お前からで良いよ。 魔族には、負けないから」
「舐められているのぉ」
勝敗が決まるラストスパート。 エルフの少女は、先に撃っていい。 と、最大のハンデを授けた。
「邪空黒龍線 ジャクゥリュウセン」
「防御防壁」
フェルサの至高の一撃は、防御魔法によって軽くいなされた。
エルフの少女は「次は私の番」と言い、勝利への一歩を歩む。
「一般魔法 ラディウス」
長杖から50の光が溢れ出し、フェルサの全身を跡形も無く消し去る。
「まったく、面倒くさい」
「お前…名前…は…?」
「まだ行きていたんだね。 一応教えて上げる。
私は、ゼノ 魔法使いゼノ」
「見事な腕前であった……」
戦闘が終わりエルフの少女は、ふと気づく。
「体がいつもと違う。 なにか、アイツに変な事を
されたのか?」
魔力で自身の体内を調査する。 そして、心臓付近に解除不可能の『魔族を殲滅する呪い』を、掛けられていた。
「面倒くさい事に巻き込まれるのは、一回で充分なのに」
魔法使いゼノの人生の変動が、始まる。
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