Q.ぼっちですか? A.いいえ、ぼっちではありません!
#1
ぴぴぴっと目覚まし時計の音がする。
「はあ。今日も学校かあ」と大きなあくびをしながら私は言った。
私は[漢字]田中 結月[/漢字][ふりがな]たなか ゆづき[/ふりがな]だ。
私は一度だけ二次元に行ったことがある。意図せずに二次元の世界に行っただけだが。
そこで私の推しである[漢字]作山 慎二[/漢字][ふりがな]さくやま しんじ[/ふりがな]くんに出会った。それから私たちは付き合ったが、すぐに私は元の世界に戻ってしまった。
「もう一回行きたいなあ」と歩きながら思う。
こっちの世界よりも[漢字]向こうの世界[/漢字][ふりがな]二次元[/ふりがな]の方が楽しいだろう。絶対に。
教室に入る。
「おはよう」と言ってもみんなは気まずそうに「……おはよう」と言うだろう。
由美も最近、別の人と話している。だけど前回のように「もう、ダメだ」と落ち込まない。私は[漢字]一人[/漢字][ふりがな]ぼっち[/ふりがな]ではない!
心の中に慎二くんがいるからだ!
すると、美希ちゃんが「結月ちゃんが倒れたって聞いたけど、大丈夫だった?」と心配してくれた。
「大丈夫。元気だからっ!」とピースしながら私は言った。
「良かった」
昼休み、由美の机に人が集まっていた。
何をしているのかな、と思ってそっと盗み聞きをした。
「結月ちゃんのことなんだけど、あの人さ……」
どうやら私について話しているらしい。最後は聞き取れなかったが、声のトーンが低かったので、ポジティブな話ではないと分かった。
だけど大丈夫。私には慎二くんがいる!
帰宅後、すぐに自分の部屋に行き、慎二の[漢字]アクスタ[/漢字][ふりがな]アクリルスタンド[/ふりがな]に向かって「辛いけど私は大丈夫。慎二くん、私頑張るね!」と言った。
慎二くんを心配させたくない。次元は違うけれど私と慎二くんは結ばれている。そう思うと悪口なんてへっちゃらだ。
「慎二くんに会いたいな」慎二くんを思う度、恋しくなってくる。
だけどトリップは怖い。下手すると帰れなくなるらしい。私はそんなの嘘だと思うが。
ネットで調べるとよく出てくる。トリップ方法と“帰れなくなる”という単語を。
次の日、いつも通りに家を出て、学校に向かった。
今日は曇り。気持ちもどんより曇り空。
珍しく教室のドアが閉まっていた。「何でだろう?」と思いながらゆっくり、静かにドアを開けると、居心地が悪い雰囲気が部屋中に漂っていた。
「ここを去れ」という声が聞こえてきそうな雰囲気──ここに居ては良くない感じがした。
だけどここは学校だ。戻れない。しかも家族に元気な声で「いってきます」と言ってしまった。
みんなが私をじっと見つめてくる。私の身体が震えている。
だけど由美だけはいつも通りの笑顔だ。
でも大丈夫。慎二くんがいるから。そう思い、ずんずんと歩いていった。
「はあ。今日も学校かあ」と大きなあくびをしながら私は言った。
私は[漢字]田中 結月[/漢字][ふりがな]たなか ゆづき[/ふりがな]だ。
私は一度だけ二次元に行ったことがある。意図せずに二次元の世界に行っただけだが。
そこで私の推しである[漢字]作山 慎二[/漢字][ふりがな]さくやま しんじ[/ふりがな]くんに出会った。それから私たちは付き合ったが、すぐに私は元の世界に戻ってしまった。
「もう一回行きたいなあ」と歩きながら思う。
こっちの世界よりも[漢字]向こうの世界[/漢字][ふりがな]二次元[/ふりがな]の方が楽しいだろう。絶対に。
教室に入る。
「おはよう」と言ってもみんなは気まずそうに「……おはよう」と言うだろう。
由美も最近、別の人と話している。だけど前回のように「もう、ダメだ」と落ち込まない。私は[漢字]一人[/漢字][ふりがな]ぼっち[/ふりがな]ではない!
心の中に慎二くんがいるからだ!
すると、美希ちゃんが「結月ちゃんが倒れたって聞いたけど、大丈夫だった?」と心配してくれた。
「大丈夫。元気だからっ!」とピースしながら私は言った。
「良かった」
昼休み、由美の机に人が集まっていた。
何をしているのかな、と思ってそっと盗み聞きをした。
「結月ちゃんのことなんだけど、あの人さ……」
どうやら私について話しているらしい。最後は聞き取れなかったが、声のトーンが低かったので、ポジティブな話ではないと分かった。
だけど大丈夫。私には慎二くんがいる!
帰宅後、すぐに自分の部屋に行き、慎二の[漢字]アクスタ[/漢字][ふりがな]アクリルスタンド[/ふりがな]に向かって「辛いけど私は大丈夫。慎二くん、私頑張るね!」と言った。
慎二くんを心配させたくない。次元は違うけれど私と慎二くんは結ばれている。そう思うと悪口なんてへっちゃらだ。
「慎二くんに会いたいな」慎二くんを思う度、恋しくなってくる。
だけどトリップは怖い。下手すると帰れなくなるらしい。私はそんなの嘘だと思うが。
ネットで調べるとよく出てくる。トリップ方法と“帰れなくなる”という単語を。
次の日、いつも通りに家を出て、学校に向かった。
今日は曇り。気持ちもどんより曇り空。
珍しく教室のドアが閉まっていた。「何でだろう?」と思いながらゆっくり、静かにドアを開けると、居心地が悪い雰囲気が部屋中に漂っていた。
「ここを去れ」という声が聞こえてきそうな雰囲気──ここに居ては良くない感じがした。
だけどここは学校だ。戻れない。しかも家族に元気な声で「いってきます」と言ってしまった。
みんなが私をじっと見つめてくる。私の身体が震えている。
だけど由美だけはいつも通りの笑顔だ。
でも大丈夫。慎二くんがいるから。そう思い、ずんずんと歩いていった。
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