好きな子は恋心をわかってない!
仁藤side
…痛い。
あぁ、痛いなぁ。
苦しい。
呼吸が、苦しい。
なんで。
なんで───────ッ
『あーでも、まぁ人間だし苦手なものあっても仕方なくね?』
なんで────────────
なんで、魚が許されて人間が許されないんだ
人間が、苦手だった。集団行動が苦手で、一人でいるほうが好きだったし気が楽だった。それだけじゃないか。
私は、ナナカマドの刺繍が施されたハンカチを、握りしめた。今日踏まれた、母の遺品。私の小さい頃に母は死んだ。
母『私はあなたに何もできなかった…』
仁藤『おかあさん?どうしたの?』
母『お母さんね、もうすぐあなたとお別れなんだって』
仁藤『おかわれ?』
母は私の『おわかれ』の『か』と『わ』が逆だったことにくすりと笑う。
仁藤『ぼうけんにでるの?』
ちょうどそのときに読んでいた絵本に、友達を残して世界を救う冒険に出るお話を読んだばかりだった。
母『そうね…』
母は病室に飾ってある花を見る。
母『もしかしたらまなちゃん、寂しくなっちゃうかもしれないわね』
仁藤『えー、まな、おねいちゃんだからがまんできるよぉ』
母『そーお?でも、我慢しなくていいのよ』
仁藤『ええ〜?』
母『そうだ、これあげる』
その時にくれたのは、ナナカマドの刺繍が施されたハンカチ。
母『もし泣きたくなっても、私の前では我慢しなくていいのよ。これを私だと思って。泣きたいときは泣いていいのよ』
仁藤『えー、このはんかちが、おかあさん?うーん、でも、かわいい!ありがとう、ぼうけん、がんばってね!』
仁藤『ねぇ、おとうさん、なんでおかあさんおきないの?なんではこにいれちゃうの?』
仁藤『おかあさん、ぼうけん、でれないよ?』
それが、ひどい雨の日だったことは覚えている。
…痛い。
あぁ、痛いなぁ。
苦しい。
呼吸が、苦しい。
なんで。
なんで───────ッ
『あーでも、まぁ人間だし苦手なものあっても仕方なくね?』
なんで────────────
なんで、魚が許されて人間が許されないんだ
人間が、苦手だった。集団行動が苦手で、一人でいるほうが好きだったし気が楽だった。それだけじゃないか。
私は、ナナカマドの刺繍が施されたハンカチを、握りしめた。今日踏まれた、母の遺品。私の小さい頃に母は死んだ。
母『私はあなたに何もできなかった…』
仁藤『おかあさん?どうしたの?』
母『お母さんね、もうすぐあなたとお別れなんだって』
仁藤『おかわれ?』
母は私の『おわかれ』の『か』と『わ』が逆だったことにくすりと笑う。
仁藤『ぼうけんにでるの?』
ちょうどそのときに読んでいた絵本に、友達を残して世界を救う冒険に出るお話を読んだばかりだった。
母『そうね…』
母は病室に飾ってある花を見る。
母『もしかしたらまなちゃん、寂しくなっちゃうかもしれないわね』
仁藤『えー、まな、おねいちゃんだからがまんできるよぉ』
母『そーお?でも、我慢しなくていいのよ』
仁藤『ええ〜?』
母『そうだ、これあげる』
その時にくれたのは、ナナカマドの刺繍が施されたハンカチ。
母『もし泣きたくなっても、私の前では我慢しなくていいのよ。これを私だと思って。泣きたいときは泣いていいのよ』
仁藤『えー、このはんかちが、おかあさん?うーん、でも、かわいい!ありがとう、ぼうけん、がんばってね!』
仁藤『ねぇ、おとうさん、なんでおかあさんおきないの?なんではこにいれちゃうの?』
仁藤『おかあさん、ぼうけん、でれないよ?』
それが、ひどい雨の日だったことは覚えている。
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