[明朝体]部屋から出て周りを見ると長い廊下と壁にいくつもの扉がついていた。廊下の床についた水の跡は私の部屋から出て右側に進んでいてあっちに行ったのだと分かる。廊下の右側から聞こえる高い女性のような叫び声が聞こえるせいで恐らく男と思われる人とともう一人が行った先で何かが起こったのだと嫌でも理解する。一瞬頭に浮かんだ死んでしまったのではないかという想像に吐き気がする。…きっと無理矢理押さえられて眠らされたに違いない。きっとそうだ…　しかし、こんなにも何かが起こった状態で近くの部屋で何も音がしないことに私は少し恐怖を覚える。さっきの私と同じようにベッドで寝ているのだろうか？それとも…　私はまたあの想像をしそうになったところで考えるのをやめた。今はそんなことを考えている場合じゃない。今はなんとかしてここを逃げよう。それが一番いい筈だ。[/明朝体]