君には絶対に言わない
その日の放課後。
「礼奈」
聞き覚えのある声に呼ばれて、思わず振り返った。
「ご、後藤君…」
「卓也って呼べ」
「た、たたたた…た、た…」
「あぁ、吃音だとた行は出しづらいもんな。ごめん。後藤君でいいよ」
「な、なんでそれを…」
「それを話したくて呼んだ。一緒に帰ろう」
「わ、わわたしは…き、ききききつおんじゃない」
私は、絶対に後藤君には言いたくなかった。
同情されたくなかった。
『そうか、大変だったな』なんて言われたくなかった。
私は普段から、できるだけしゃべらないようにしている。
話し方で、友達を失うから。
もう私は、それを学んだから。
「…っ!」
気付くと私は、後藤君に手をつかまれていた。
「行くぞ」
ついたのは、近くの公園だった。
二人でベンチに座る。
後藤君のペースで走り続けていたせいで、息が切れている。
「お前…本当のこと言えよ」
「わ、わたしは、き、きき吃音なんかじゃ、ない」
「俺も…吃音だったんだよ」
言葉が出なかった。というか、後藤君の言っていることを理解できなかった。
「礼奈」
聞き覚えのある声に呼ばれて、思わず振り返った。
「ご、後藤君…」
「卓也って呼べ」
「た、たたたた…た、た…」
「あぁ、吃音だとた行は出しづらいもんな。ごめん。後藤君でいいよ」
「な、なんでそれを…」
「それを話したくて呼んだ。一緒に帰ろう」
「わ、わわたしは…き、ききききつおんじゃない」
私は、絶対に後藤君には言いたくなかった。
同情されたくなかった。
『そうか、大変だったな』なんて言われたくなかった。
私は普段から、できるだけしゃべらないようにしている。
話し方で、友達を失うから。
もう私は、それを学んだから。
「…っ!」
気付くと私は、後藤君に手をつかまれていた。
「行くぞ」
ついたのは、近くの公園だった。
二人でベンチに座る。
後藤君のペースで走り続けていたせいで、息が切れている。
「お前…本当のこと言えよ」
「わ、わたしは、き、きき吃音なんかじゃ、ない」
「俺も…吃音だったんだよ」
言葉が出なかった。というか、後藤君の言っていることを理解できなかった。
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