文字サイズ変更

ぼっちの日常

#1

ぼっち

私は水川七海。ぼっちである。いつも1人だ。休み時間はこそこそ次の授業の準備をしたり、寝たふりをしたり、ロッカーの中をいじったりしている。
でもそれが恥ずかしいとかは無い!なぜなら、私のクラス…2年1組はぼっちが異様に多いからだ。
生徒数は21人。うち18人がぼっち。18人だぞ!!?一軍とかそういうクラス全体のカーストみたいなのはない。
けど、ぼっちの中のカーストはある。ぼっちを極めたぼっちが、ぼっち。そのひとつ下が、仮ぼっち。そして1番下が、ぼっちの敵 と呼ばれる。
そして、私は仮ぼっちに位置してる。仮ぼっちは中堅で、ぼっちまではいけないぼっちの敵たちが良くここを目指している。
仮ぼっちは、先生に「2人1組を作れ」と言われて最後の1人になるわけでも、友達とワイワイするわけでもない、1人が好きだけどある程度クラスメイトとは話ができる、って感じ。
ぼっちの敵は、もはやぼっちじゃない。クラス内カーストでいう二軍あたりだ。1人2人くらいの友達と一緒に行動している。
そしてぼっちを極めたぼっちは、神様として一部の仮ぼっち、ぼっちの敵から拝められているくらいの権力を持つ。「2人1組を作れ」と言われたら、絶対余るような子だ。これはぼっちと組みたくないからではなく、ぼっちと組むのが恐れ多いから余っている。これは嬉しい出来事だ。私も一度経験してみたいと願うばかりである。

***

「2人1組を作りなさい」
英語の授業で先生に言われると、普通のクラスは一気に騒がしくなるものだと思うのだが、このクラスは違う。みんなが顔をキョロキョロと動かして、誰と組もうか誰かが「一緒に組もう」と言ってくれないか、とか考えている。
無論、私も。
クラスの誰もうごかない。あの子誘いたいな、でも断られたらどうしよう…ぼっちは慎重で心配性なのだ。
やがて先生が口を開いた。
「もういいわ、隣の席の子と組みなさい!水川さんは隣の席の子がいないから先生と組むわよ」
「はい」
まあ、ここまでがいつもの流れ。先ほど「2人1組を作れ」と言われて余った子がぼっちの中のぼっち…みたいな話をしたが、それはあくまで「2人1組を作れ」と言われてみんなが行動した時の話である。
ぼっちは、なんの行動も起こさない。
なんの行動も起こさないから、ぼっちになるのである。

※ダブルクリック(2回タップ)してください

作者メッセージ

これが真理です(?

2024/07/02 17:08

ゆず ID:≫2tBWKz4S.Uek.
続きを執筆
小説を編集
/ 2

コメント
[0]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL