６対6とはいっても、戦闘が進めば、自然と分離していくものだ。
気づけば、2対2が２つ、1対1が２つできていた。
その中でも、大規模な魔法戦を行っていたちぐさくんと莉犬。
ちぐさくん「[[漢字]多重水球[/漢字][ふりがな]ピングウォーターボール[/ふりがな]]！！」
莉犬「いっているだろう、その魔法はもう僕には効かない。[[漢字]炎の覇気[/漢字][ふりがな]ファイアオーラ[/ふりがな]]」
ちぐさくんの魔法属性は水。対する莉犬の魔法属性は火。こうしてみると一見ちぐさくんの方が有利に見える。だが、莉犬の炎の温度が高いのか、ちぐさくんが放った魔法は莉犬の覇気によって簡単に蒸発してしまった。
ちぐさくん「こんなに強いとは思わなかったよ。僕も、本気を出そうかな。」
るうともそうだが、近接相手に魔法主体は厳しいものがある。そのため、いつもは魔法に使う魔力を支援などに使っていたが、今回は魔法戦。そんな枷を外す必要がなくなっていた。
りいぬ「やっと、十分に楽しめそうだね。」
ちぐさくん「そんな甘いことをいってられるのは今のうちだよ。行くよ？」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一方、ここでは戦いの気配がなかった。
あっきぃとるうとだ。
るうと「で、決めたのか。俺の提案を蹴るのか、受けるのか。」
あっきぃはそれをきいてうなずいた。あっきぃは、るうとがころんと出会う前から、るうとに提案されていたのだ。
ーー僕たちの方に来ないかい。－－
あっきぃは本当はわかっていた。目の前にいる[漢字]最強の殺し屋[/漢字][ふりがな]るうと[/ふりがな]には絶対に勝てないと。だが、あっきぃはこのメンバーの中で誰よりも生存意欲が高かった。生き残るためには、るうとの提案を受けるしかなかった。
るうと「正しい判断だ。じゃあ、落ち着くまで少し、戦っているふりをするか。」
周囲を見ると、まだ戦闘は続いていた。
今日の夜は、まだ始まったばかりだ。