名探偵朱雀 軽井沢ホテル殺人事件
「このビデオをよーく見て」
玄武に言われ、朱雀は穴が空くほどTVの画面を見つめた。
画面には首吊り状態の月結が映されていた。
玄武は月結の死体ではなく、月結の背後にあるダイニングルームの窓に注目しろ、と朱雀に言った。
朱雀はじっと窓を見つめ、気づいた。
「窓が曇ってる―――!」
ダイニングルームの窓は、曇っていたのだ。
「確か、午前9時から10時には暖房がついていたんだよね?窓が曇ってるってことは、[太字]犯行は9時〜10時の間[/太字]!?」
朱雀は顔を上げ、玄武の顔を覗き込んだ。
「ええ。スミスさんにさっき聞いたら、[太字]10時を過ぎたらすぐに窓を拭いて、液体を拭う[/太字]って言ってたわ。液体っていうのは、きっとその窓が曇ってる部分のことでしょうね」
玄武は腕を組んで、う〜んと考えている。
「だったらスミスさんにはアリバイがあるよね。だって、私達がビデオを見たのは[太字]10時35分くらい[/太字]だったでしょ?私達が起きていた[太字]10時から10時30分[/太字]の間には、もう窓は拭かれていたわけだから。犯行が行われたのが[太字]9時から10時[/太字]って考えたら、スミスさんが犯人っていうのはないよね」
「確かにスミスさんには犯行が無理だけど、それは[太字]他の全員の人に言える[/太字]わよ。だって、犯人は[太字]9時から10時の間[/太字]にダイニングルームで御瀧月結の首吊り死体を撮って、その後に御瀧月結を月結の部屋の風呂場に運びこんでるってことなのよ。私達が御瀧月結を発見したのは、[太字]10時25分くらい[/太字]なわけだから、誰にもバレずにダイニングルームで動画を撮って、その後死体を運ぶのはさすがに無理があるんじゃないかな。だって、このまま考えると、犯行には一時間もかかってないってことになる。スミスさんにビデオが届いたのは、[太字]10時30分[/太字]。30分には、もうビデオが撮られてたってことだからね」
玄武は見事な推理で、朱雀を圧倒させた。
「まぁ、たしかにね」
朱雀は考え込む。
「..............トリックがあるのかも」
玄武は呟く。
「もうちょっと考えてみよう。まずは、事情聴取よ!」
玄武は勢いよく立ち上がり、客らが集まるダイニングルームへと進んでいった。
朱雀は頼もしい幼なじみの背中を見、微笑んだ。そして、「うん!」と大きな声で言い、玄武を追った。
玄武に言われ、朱雀は穴が空くほどTVの画面を見つめた。
画面には首吊り状態の月結が映されていた。
玄武は月結の死体ではなく、月結の背後にあるダイニングルームの窓に注目しろ、と朱雀に言った。
朱雀はじっと窓を見つめ、気づいた。
「窓が曇ってる―――!」
ダイニングルームの窓は、曇っていたのだ。
「確か、午前9時から10時には暖房がついていたんだよね?窓が曇ってるってことは、[太字]犯行は9時〜10時の間[/太字]!?」
朱雀は顔を上げ、玄武の顔を覗き込んだ。
「ええ。スミスさんにさっき聞いたら、[太字]10時を過ぎたらすぐに窓を拭いて、液体を拭う[/太字]って言ってたわ。液体っていうのは、きっとその窓が曇ってる部分のことでしょうね」
玄武は腕を組んで、う〜んと考えている。
「だったらスミスさんにはアリバイがあるよね。だって、私達がビデオを見たのは[太字]10時35分くらい[/太字]だったでしょ?私達が起きていた[太字]10時から10時30分[/太字]の間には、もう窓は拭かれていたわけだから。犯行が行われたのが[太字]9時から10時[/太字]って考えたら、スミスさんが犯人っていうのはないよね」
「確かにスミスさんには犯行が無理だけど、それは[太字]他の全員の人に言える[/太字]わよ。だって、犯人は[太字]9時から10時の間[/太字]にダイニングルームで御瀧月結の首吊り死体を撮って、その後に御瀧月結を月結の部屋の風呂場に運びこんでるってことなのよ。私達が御瀧月結を発見したのは、[太字]10時25分くらい[/太字]なわけだから、誰にもバレずにダイニングルームで動画を撮って、その後死体を運ぶのはさすがに無理があるんじゃないかな。だって、このまま考えると、犯行には一時間もかかってないってことになる。スミスさんにビデオが届いたのは、[太字]10時30分[/太字]。30分には、もうビデオが撮られてたってことだからね」
玄武は見事な推理で、朱雀を圧倒させた。
「まぁ、たしかにね」
朱雀は考え込む。
「..............トリックがあるのかも」
玄武は呟く。
「もうちょっと考えてみよう。まずは、事情聴取よ!」
玄武は勢いよく立ち上がり、客らが集まるダイニングルームへと進んでいった。
朱雀は頼もしい幼なじみの背中を見、微笑んだ。そして、「うん!」と大きな声で言い、玄武を追った。
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