名探偵朱雀シリーズ
「私、[太字][漢字]山本薔子[/漢字][ふりがな]やまもとそうこ[/ふりがな][/太字]。34歳で、近くでブティックやってる」
「私は薔子の妹の、[太字][漢字]山本蘭子[/漢字][ふりがな]やまもとらんこ[/ふりがな][/太字]よ。28歳。OLよ」
「俺はさっき言った通り、迅間源太郎。フリーランス…。お、俺は殺してなんかない」
3人のことを聞いてみる。3人のうち誰かが、犯人なのだ。
「3人とも、私たちより先に来店していたんですよね?」
朱雀が質問する。
薔子と蘭子がギクリとする。
「ど、どうして分かったのよ」
「あなたたちが入ってきたとき、来店音がしなかったからですよ。迅間さんはもともと私たちより先でしたし…」
玄武が流暢に説明する。
その後、青龍が珍しく口を開いた。
「俺らが入ったとき既に、店員いなかったよな。お前らが店入った時もいなかったのか?」
「わ、分からない。俺が入った時、そこの女たちがいたかもよく分かんねえし」
「私たちも同じです。どちらの入店が先かも分かりませんし、店員がいたかもよく分かりません」
「まあ3人のうち誰かが、最初に来店して店員を拘束したっつーことだよな。そんで、殺しかけた瞬間、次の客が来店してきたから、完全に殺すのは後にした…っつーことか?」
青龍が考え込む。
「そうね…」
玄武も腕を組む。
「そういうことだと思うわ」
「うーん…」
これだと、全員にアリバイがない。どうなっているのだ。
犯人は一体…。