名探偵朱雀シリーズ
朱雀は布団に寝転んで言った。
「玄武ぅ〜、ますます美人になったんじゃない?」
「化粧してるだけ」
「化粧!?中学生で!?」
「今のうちに練習しといたほうが身のためよ」
「身のため……」
読者の皆さんもご存知だと思う。北空玄武は美しい。そして化粧をすると人形みたいだ。
玄武は何でもできる。手先が器用で化粧も上手い。女子力の高さと容姿、そして頭脳……神様は玄武を作り出すために睡眠を何時間削ったのだろうと思う(?)
「ていうか朱雀。なんでいきなりお泊まり会なのよ」
そう。今日は朱雀、玄武、青龍、白虎の4人でのお泊まり会なのだ。
(もちろん部屋は別)
「いいじゃん〜、軽井沢の一件から仲良くなったんだし!わたしも白虎のことびゃっちゃんって呼べるくらいになったし!!」
……。玄武は黙っている。
「…玄武?」
「…[太字]嫌な予感がする[/太字]の」
朱雀はキョトンとした。
「へ?何が?」
「白虎のことよ」
もしかして、わたしが白虎のことびゃっちゃんって呼ぶこと気にしてる?朱雀はそう思ったが、玄武が気にしているのはそんなことでは無いようだった。
「最近、白虎が[太字]おかしい[/太字]の」
「おかしい?」
開けっぱなしの窓から、冷たい風が吹いてくる。足元が急に冷えて、全身がゾッとした。
「あの子、何か隠してる。最近いつも上の空だし、遠くばっかり見てる。どうしたか聞いても『何も』だし……」
え、それ隠し事というか、恋じゃね?朱雀は一発で勘付いたが、頭の固い玄武には分かってなさそうだ。
ふうん、恋バナじゃん。いいねぇ〜、あのびゃっちゃんが恋なんて…誰にだろ。玄武だろうなあ……いいねぇ。
「でね、極め付けはこの前の放課後、私が声をかけた途端……」
[大文字]「あの」[/大文字]
いきなり部屋のドアが開いて、白虎が姿を現した。
玄武の方を見つめている。恋だな、これは。
「玄武さん、あんまり僕のこと話さないでくれます」
「聞こえてたの?地獄耳なんだから」
「声おっきいんですから聞こえますよ。そうそう、お菓子無くなっちゃいました。青龍くん全部食べちゃって……女性たちも無くなってないかと見にきました」
なんておませな…女性だなんて……。
「ああ、こっちもなくなってるわよ。買いに行く?」
「いいんですか玄武さん。いま1時ですよ。遅すぎるし寝ましょう」
「いいじゃんびゃっちゃん、バレないって。それに、うちのお父さんもお母さんも何時まで起きててもいいって言ってたよ」
ちなみに嘘だ。でもバレないのはホント。2人とももう寝てる。
「じゃあ買いに行こ」
「…わかりました。青龍くん呼んできます」
こうして、4人は近くのコンビニに行くことした。
「あれ、店員さんいねーじゃん」
青龍は店内を見渡して言った。
「どしたんだろ。すみませーーーん」
返事は返ってこない。
「なんやねんお前ら」
背後で声がした。
「うっわ」
「な、なんですかおじさん」
「なんやて言われても、煙草買いに来ただけや。オメェらちっこいのにこんな時間にコンビニ来とるなんてアホか」
「ま、まあそれは良いとして…」
「良くないわ」
汚くて酒と煙草臭いのになんでこんなにうるさいんだ…。
「名前と学年言え。俺一応サツやかんな。嘘やけど。ワッハッハ」
酔ってるなあ……。
「私、北空玄武です。中学2年生」
玄武…なんで自己紹介するのよ……。
「西川白虎。中1」
「名前、東村青龍。中2だよ」
「ええええと、えっと、南山朱雀ぅ、同じく中2」
「おうおう俺はよお[太字][漢字]迅間源太郎[/漢字][ふりがな]じんまげんたろう[/ふりがな][/太字]。てめえらタイホだぁ、ガハハハ」
なんで自己紹介なんて……。
「あら。コンビニがえらく賑やかだと思ったら、人がいっぱいいるわよこんな時間に。ねえ蘭子?」
「そうね薔子。こんな時間に……」
そのとき、2人の姉妹が入ってきた。
「この時間にほんと珍しい。仲良さそうに話してらっしゃるのね」
蘭子と呼ばれた女性は、薔子と呼ばれた女性より若そうだった。20代後半から30代くらいだろうか、髪を綺麗に巻いており清楚な美人という印象だ。
薔子は30代半ば程度で、美人ではあるが蘭子より肌にしわが寄っている。
どこか不思議な感じがした。
「玄武ぅ〜、ますます美人になったんじゃない?」
「化粧してるだけ」
「化粧!?中学生で!?」
「今のうちに練習しといたほうが身のためよ」
「身のため……」
読者の皆さんもご存知だと思う。北空玄武は美しい。そして化粧をすると人形みたいだ。
玄武は何でもできる。手先が器用で化粧も上手い。女子力の高さと容姿、そして頭脳……神様は玄武を作り出すために睡眠を何時間削ったのだろうと思う(?)
「ていうか朱雀。なんでいきなりお泊まり会なのよ」
そう。今日は朱雀、玄武、青龍、白虎の4人でのお泊まり会なのだ。
(もちろん部屋は別)
「いいじゃん〜、軽井沢の一件から仲良くなったんだし!わたしも白虎のことびゃっちゃんって呼べるくらいになったし!!」
……。玄武は黙っている。
「…玄武?」
「…[太字]嫌な予感がする[/太字]の」
朱雀はキョトンとした。
「へ?何が?」
「白虎のことよ」
もしかして、わたしが白虎のことびゃっちゃんって呼ぶこと気にしてる?朱雀はそう思ったが、玄武が気にしているのはそんなことでは無いようだった。
「最近、白虎が[太字]おかしい[/太字]の」
「おかしい?」
開けっぱなしの窓から、冷たい風が吹いてくる。足元が急に冷えて、全身がゾッとした。
「あの子、何か隠してる。最近いつも上の空だし、遠くばっかり見てる。どうしたか聞いても『何も』だし……」
え、それ隠し事というか、恋じゃね?朱雀は一発で勘付いたが、頭の固い玄武には分かってなさそうだ。
ふうん、恋バナじゃん。いいねぇ〜、あのびゃっちゃんが恋なんて…誰にだろ。玄武だろうなあ……いいねぇ。
「でね、極め付けはこの前の放課後、私が声をかけた途端……」
[大文字]「あの」[/大文字]
いきなり部屋のドアが開いて、白虎が姿を現した。
玄武の方を見つめている。恋だな、これは。
「玄武さん、あんまり僕のこと話さないでくれます」
「聞こえてたの?地獄耳なんだから」
「声おっきいんですから聞こえますよ。そうそう、お菓子無くなっちゃいました。青龍くん全部食べちゃって……女性たちも無くなってないかと見にきました」
なんておませな…女性だなんて……。
「ああ、こっちもなくなってるわよ。買いに行く?」
「いいんですか玄武さん。いま1時ですよ。遅すぎるし寝ましょう」
「いいじゃんびゃっちゃん、バレないって。それに、うちのお父さんもお母さんも何時まで起きててもいいって言ってたよ」
ちなみに嘘だ。でもバレないのはホント。2人とももう寝てる。
「じゃあ買いに行こ」
「…わかりました。青龍くん呼んできます」
こうして、4人は近くのコンビニに行くことした。
「あれ、店員さんいねーじゃん」
青龍は店内を見渡して言った。
「どしたんだろ。すみませーーーん」
返事は返ってこない。
「なんやねんお前ら」
背後で声がした。
「うっわ」
「な、なんですかおじさん」
「なんやて言われても、煙草買いに来ただけや。オメェらちっこいのにこんな時間にコンビニ来とるなんてアホか」
「ま、まあそれは良いとして…」
「良くないわ」
汚くて酒と煙草臭いのになんでこんなにうるさいんだ…。
「名前と学年言え。俺一応サツやかんな。嘘やけど。ワッハッハ」
酔ってるなあ……。
「私、北空玄武です。中学2年生」
玄武…なんで自己紹介するのよ……。
「西川白虎。中1」
「名前、東村青龍。中2だよ」
「ええええと、えっと、南山朱雀ぅ、同じく中2」
「おうおう俺はよお[太字][漢字]迅間源太郎[/漢字][ふりがな]じんまげんたろう[/ふりがな][/太字]。てめえらタイホだぁ、ガハハハ」
なんで自己紹介なんて……。
「あら。コンビニがえらく賑やかだと思ったら、人がいっぱいいるわよこんな時間に。ねえ蘭子?」
「そうね薔子。こんな時間に……」
そのとき、2人の姉妹が入ってきた。
「この時間にほんと珍しい。仲良さそうに話してらっしゃるのね」
蘭子と呼ばれた女性は、薔子と呼ばれた女性より若そうだった。20代後半から30代くらいだろうか、髪を綺麗に巻いており清楚な美人という印象だ。
薔子は30代半ば程度で、美人ではあるが蘭子より肌にしわが寄っている。
どこか不思議な感じがした。