[中央寄せ]🏨[/中央寄せ]


「じゃあ、始めましょうか」
朱雀は目を閉じ、不敵な笑みを浮かべ、そう言った。
「その”善人”の仮面を剥がしてやるとしましょう.............」
ドクン。
「トリックの実演付きで、ね................？」
ドクン。



「玄武..........彼女が被害者、『御瀧月結』だと思って下さい」
玄武は静かにうなずき、”月結”の部屋で本を読む真似をした。
「”御瀧月結”は、ダイニングルームで殺されたのではありません。そう..........[太字]彼女の部屋で殺されたのです[/太字]」
「ええっ！？」
朱雀、玄武、青龍、白虎、津雲以外の３人は騒ぎ出す。
「じゃ、じゃあ！あのビデオは！あ、あのビデオに映っていた月結の死体は、確かに本物だったぞ！？」
津雲は動揺する。
「ええ、あの月結の死体は、本物でしたよ。だって、[漢字]偽物[/漢字][ふりがな]フェイク[/ふりがな]だったのは、[太字]あのダイニングルームだったのですから[/太字]」
[太字]「ダイニングルームが偽物！？」[/太字]
「そうなんです。それに気づいたキッカケは、[太字]初めに”御瀧月結”の部屋に入ったときに、段ボールが最初から落ちていた、ということです[/太字]」
そのとき、青龍は、気付いた。
「わかったぞ！！！[太字]”owner”は、みんながこのHOTELに入るずっと前から、ダイニングルームのテーブルや椅子に見せかけるため、段ボールを細工してたんだろ！？[/太字]」
「その通り！このHOTELに客が来てからだと、誰かに気づかれるリスクがあったからね。津雲さんはそのリスクを考えて、早めに作っておいた。しかし、それが私達に気づかれる”[漢字]穴[/漢字][ふりがな]ミス[/ふりがな]”になってしまったようですね」
津雲は黙り込み、下を向く。冷や汗が地面に落ち、津雲は小刻みに震える。
突然、沈黙が破られた。
「ふふふ........[太字][大文字]ハッハッハッハッ！！！！！！[/大文字][/太字]」
全員がぎょっとする。全員が、津雲に目を向ける。
「なんだ、そんなことかよ。そんなことで私が犯人だと決めつけることはできないね。そんなこと、誰にでもできるじゃないか！！！！！」
津雲はこれまでの上品さとは真逆の、冷たい笑い声を上げた。
玄武は小さく声を上げた。
「しらじらしい男」
「はあ！？」
津雲は玄武を睨む。玄武は、「津雲。朱雀の話を聞け」
津雲はこれまでの冷静さを失っていた。
解答編は続いてゆく。