「.............駄目だ、どうすれば」
死体の死亡推定時刻は[太字]午後３時から午後４時[/太字]だった。
「朱雀、どうしよう。まだ第一の殺人のトリックも暴けてないのに」
玄武は頭を抱えて考え込む。そのとき、朱雀が口を開いた。
[太字][大文字]「トリック、分かったよ」[/大文字][/太字]
玄武は驚き、立ち上がった。
「楓夏殺しのトリックが分かったの！？」
朱雀は大きく頷く。そして、自分のバスルームへと案内し、玄武にトリックを披露した。
「なるほど..........ね」
玄武は朱雀のトリックを見、納得したように頷いた。
「.......となると、これは誰にでも犯行が可能になる。ただ、証拠が残ってる、ね」
玄武はバスルームに寝かせてあった、ドライアイスが大量にかかった楓夏の死体を見つめた。
そして、[漢字]あるもの[/漢字][ふりがな]・・・・[/ふりがな]を見つけた。
「.................分かった。これで、第一殺人トリックは暴けた」
玄武は、ぐっと拳を握りしめ、立ち上がった。
「今から容疑者たちの外見をチェックしたいから、朱雀、ついてきてくれない？」
「わかった」
朱雀は玄武についていったが、なんのために容疑者たちの外見をチェックするのか分からなかった。
「これ、楓夏の死体の服についていた、...........」
玄武は朱雀に、とても小さな声で[漢字]あるもの[/漢字][ふりがな]・・・・[/ふりがな]を伝えた。
「..........！」
朱雀はピンときたような顔をし、すぐに容疑者たちを集めた。



[中央寄せ][/中央寄せ]



「ええと、津雲さんですよね」
「ああ、こうやって話すのは初めてかもしれないね。よろしく」
礼儀正しく挨拶をし、津雲は小さくため息を付いた。
「どうしました？」
朱雀はたずねた。
「........いや、殺人事件が起こるなど思ってもいなかったからね。精神的に参ってしまったというだけさ」
玄武は津雲を見つめていた。
「あの、津雲さん。あの、その...........ひとつお願いがあるんですけど」
朱雀は切り出した。
「...........。なんだい？」
「津雲さんの外見だけ、チェックさせていただきたいのですが.......」
「外見？まぁ、構わないが........」
朱雀は津雲の見た目を観察した。
玄武は静かにノートとペンを取り出し、朱雀から聞いたことをまとめた。

[水平線]
[斜体]津雲茂
身長は180cmくらい　姿勢が良い・礼儀正しい　髪がきっちりしている
無精髭が生えている（定期的に剃っている様子）　がっしりした体格[/斜体]
[水平線]
「ありがとうございました」
朱雀は頭を下げ、鍛治本の元へ急いだ。



[中央寄せ]🏨[/中央寄せ]



「全員の特徴をノートにまとめてくれたんだよね。津雲さんのはさっき見たし、鍛治本さんのを見せてよ」
朱雀は玄武にすがう。玄武は黙ったまま、手帳を手渡した。

[水平線]
[斜体]鍛治本輝　身長170cmくらい　服装はきっちりしているが、どことなく汚らしい
長く生やしたヒゲが生えている（スプレーで固めている）　太っている
[/斜体]
[水平線]
「.......玄武、すごく失礼な書き方だね」
「あんたが指示したんでしょ」
「............じゃ、次はスミスさんの、お願い」
[水平線]
ガージー・スミス　身長190cmくらい　金髪で、パーマ
ヒゲが生えていなくて、肌がすべすべ　とても痩せている
[水平線]
「ありがと！」
「..............」
玄武は意味深に黙っている。
「あれ？そういえば、[太字]どうして静さんの見た目は記さなかったの？[/太字]」
「.............意味があって、だよ」
玄武は目を閉じて、静かに言った。
「朱雀、分かる？」
朱雀は答えた。
「.........[太字]わかったよ、犯人[/太字]」