「今日はお前らに紹介したい奴がいる。」
絵心から突然放たれた言葉に二次セレクションを突破した三十五名がざわつく。
その多くはUー２０との戦いの直前に紹介したいものへの興味のようだ。
「出て来い。」
と、絵心が呼びかけるとその後ろから桃色の髪をした中学生くらいの男の子が飛び出してきた。
ニコニコと笑いながらも何も言わない少年を前にし、気まずくなった俺は絵心に視線を送った。

その視線を受けた絵心は、軽くため息をついてから、
「こいつの名前はアネット。
これからお前らを鍛えてくれる者だ。」
という簡潔な紹介をした。

（（（（いや、いきなりそんなこと言われてもどう反応しろと、、、!？））））
きっとこの瞬間俺たちの心の声はシンクロした。

これが俺達とアネットの出会いだった。