【ヘルプレス・ピープル】

1990年　7月4日　木曜日　12時30分
アメリカ・カリフォルニア州LAにて、

なんの変哲もないファミレスに、一組のカップルがいた。男はスクランブルエッグとカリカリベーコン食べていた。女はパンケーキを飲み物はドクターペッパーを、二人は楽しそうに話していた。このファミレスは人が多い。特別、味が美味しいわけでもなく、普通の店なのに富裕層が多い。おまけに昼ごはん時だ。
さて、ファミレスの紹介はさておき、このカップルは強盗だ。それも常習犯。

「今、もし大金が手に入ったらどうする？」
男はニヤニヤしながら聞いた。
「え〜？ダーリンとディズニーランド行って〜車買って、ドライブしたいな〜！」
女は楽しそうに話した。
「車はわからねーけど、ディズニーは行けるな」
男は女にキスをして、始めるぞ。と言って自前の銃を出した。

「俺たちは強盗だ！今から財布を出せ！言う通りにしねぇと殺すぞ！」
女は豹変した。女はさっきまで動物で例えるなら、猫のように男に甘えていたのに、今ではヒョウのようだ。女は大きい袋を出して、財布を集めた。男は店員に店全体のカーテンを閉めさした。客、店員、オーナーも言うことを聞き、財布を袋に入れた。しかし一人だけ、強者がいた。強者は強盗がなかったかのように、ハンバーガーを食べていた。

強盗の男は強者の所に行き、銃を向けて脅した。
「何食ってやがんだ！早く出しやがらねぇと頭ぶち抜くぞ！！」
強者はゆっくりと、食べかけのハンバーガーをお皿に置いて、話した。
「俺に銃を向けるな、財布は大人しく出すから」
強者は財布をテーブルに置いた。強盗の男は袋に入れろ。と言ったが、強者は出したから自分で入れろ。と言って、ハンバーガーをもう一度、食べた。強盗の男が財布を袋に入れている最中、強者は強盗の男に皿を顔に投げた。
強者は強盗の男の銃を持っている方の腕を引き、思いっきり顔面を何度も殴った。

女はこの状況に狂ったように、発狂した。
「ダーリンの腕を離せ！クソ野郎！撃つわよ！」
女は強者に撃つぞ！と言うが、実は人を撃ったことはなかった。
「うるせぇ黙りやがれ！いいか？降参すると言え！さもないと、男を殺すぞ！」
強盗の女は「降参するからダーリンを離して！」と言って銃を床に捨てて、財布を客に戻して男共に大人しく自首しに行った。

強者も一緒についていった。この強盗カップルは数々の強盗を繰り返してきた。警察にとっては嬉しいものだ。カップルを警察に渡したあと、強者は顔見知りの刑事に、ある要求をした。
「現行犯で捕まえたし、これ俺の手柄だろ？なあ良いだろ？とりあえず20万でいいよ」
刑事は大きくため息をして、言った。
「ジャック、いい加減にしろ。子供じゃないんだぞ、2万で勘弁してくれ」
ジャックは仕方なく、2万を受け取り、町をスキップして歩いた。ジャックはこうして金を稼いでいた。ジャックは無職の34歳。ホームレスではないが、居候をしている。世間で言うところのどうしようない奴だ。