二次創作
まずは甘い香りの貴方から
#1
ハッピーバレンタイン!!(晴信のバレンタインシナリオ、楽しみかつ怖い)
仕込みは上々、後は機が熟するのを待つだけだ。頭の中でそう独り言ちると晴信は自室に備え付けてある棚の引き出しを閉じた。
2月14日。生前はただのある冬の一日だったが、英霊として召喚された当世では海を越えた先の国の風習が独自の発展を遂げてチョコレートなる菓子を意中の相手に送る日になったことを知った当初、晴信は己にとって特に関係の無い事柄だと思っていた。しかし、何故か男になって同じカルデアに召喚された景虎にうっかり惚れ、尚且つあれよあれよという間に懇ろな仲になってしまったせいで2月になる前から妙にソワソワした気持ちで何か送ろうかと考え始める羽目になってしまった。
(まぁ、そんな時間も案外悪くなかったが)
そんなことを考えながら晴信は図書館で借りた本を片手に自室から出て廊下を歩き始めた。
**
「……なぁ、どうしたんだ今日は」
景虎のことを考えながら作業をしていたからか、無性に顔が見たくなってしまった晴信は彼の自室に赴いて読書をしていた、だがすぐに手に持った本に意識が行かなくなった晴信は、背後で自分に覆いかぶさるように抱き着いて自分の後頭部に鼻先を埋める景虎に戸惑いを隠せない声色で尋ねた。
「ふふふ……」
しかし、景虎はそんな晴信の問いかけに答えることなく、嬉しそうに笑うと大きく開けた晴信のシャツの襟元から手を差し込んできた。
「ちょっ……、んぁ……」
「ふふ、晴信も案外抜けているところがあるんですねぇ」
耳もとで息を吹き込むように囁く景虎の声と胸元を擽る不埒な手に、晴信は背筋を震わせて少し上ずった声を上げながらもその言葉の真意を何とか探ろうとしていた。
「……明日、楽しみにしていますね」
「な、何でそれをっ……」
「知ってます? 髪って案外周囲の匂いを吸いやすいのですよ。……今のあなた。とても甘い、おいしそうな匂いがします」
やはり横着せずにシャワーで体を流すべきだったか、いやしかし身を清めてから恋仲の相手の部屋に行くのは抱いてくれと言っているようなもので……、まぁ期待はしていたが……だからそうではなくて……!!
この部屋に来る前にバレンタインの贈り物に、と日本酒を利かせたブラウニーを焼いていたことを悟られてしまって羞恥から軽く混乱し始めた晴信が頭の中でぐるぐると色々と考えている内に、気付けば景虎によってソファ代わりに腰かけていたベッドに押し倒されていた。
「ですが、その前に」
まずは甘い香りの貴方から。そう言いながら景虎は晴信の唇を食んだ。
2月14日。生前はただのある冬の一日だったが、英霊として召喚された当世では海を越えた先の国の風習が独自の発展を遂げてチョコレートなる菓子を意中の相手に送る日になったことを知った当初、晴信は己にとって特に関係の無い事柄だと思っていた。しかし、何故か男になって同じカルデアに召喚された景虎にうっかり惚れ、尚且つあれよあれよという間に懇ろな仲になってしまったせいで2月になる前から妙にソワソワした気持ちで何か送ろうかと考え始める羽目になってしまった。
(まぁ、そんな時間も案外悪くなかったが)
そんなことを考えながら晴信は図書館で借りた本を片手に自室から出て廊下を歩き始めた。
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「……なぁ、どうしたんだ今日は」
景虎のことを考えながら作業をしていたからか、無性に顔が見たくなってしまった晴信は彼の自室に赴いて読書をしていた、だがすぐに手に持った本に意識が行かなくなった晴信は、背後で自分に覆いかぶさるように抱き着いて自分の後頭部に鼻先を埋める景虎に戸惑いを隠せない声色で尋ねた。
「ふふふ……」
しかし、景虎はそんな晴信の問いかけに答えることなく、嬉しそうに笑うと大きく開けた晴信のシャツの襟元から手を差し込んできた。
「ちょっ……、んぁ……」
「ふふ、晴信も案外抜けているところがあるんですねぇ」
耳もとで息を吹き込むように囁く景虎の声と胸元を擽る不埒な手に、晴信は背筋を震わせて少し上ずった声を上げながらもその言葉の真意を何とか探ろうとしていた。
「……明日、楽しみにしていますね」
「な、何でそれをっ……」
「知ってます? 髪って案外周囲の匂いを吸いやすいのですよ。……今のあなた。とても甘い、おいしそうな匂いがします」
やはり横着せずにシャワーで体を流すべきだったか、いやしかし身を清めてから恋仲の相手の部屋に行くのは抱いてくれと言っているようなもので……、まぁ期待はしていたが……だからそうではなくて……!!
この部屋に来る前にバレンタインの贈り物に、と日本酒を利かせたブラウニーを焼いていたことを悟られてしまって羞恥から軽く混乱し始めた晴信が頭の中でぐるぐると色々と考えている内に、気付けば景虎によってソファ代わりに腰かけていたベッドに押し倒されていた。
「ですが、その前に」
まずは甘い香りの貴方から。そう言いながら景虎は晴信の唇を食んだ。
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