完全読み切り恋愛短編集
「あ...蓮さん。お疲れ様です。」
「あらた...俺の癒やし......」
蓮さんは帰ってきてそうそう、俺の部屋へダイブするように入ってくる。
そして、俺に軽く寄りかかるようにした。
「聞いてくれよ、今日の主任いつも以上にピリっててさあ...」
「はいはい、その前に手洗ってきたらどうですか。」
たしかにな!と言って、蓮さんは鼻歌交じりに洗面所へと向かう。
俺と蓮さんは、いわゆる生徒と教育実習生の関係だ。
そんな俺と蓮さんが、なんでこうして一緒に話しているかって?それは...
「あれーっ、蓮くんもう来ちゃった?わたしまだ髪なんもしてないんだけど...」
俺の姉と蓮さんが、付き合っているから。
かれこれバ先が被った際に仲が良くなって、詳しくは聞いていないが流れで付き合うことになったのだという。
蓮さんは普段、人に対して感情をこれっぽっちも出さない。
けれど俺とあい姉の前では、俺ら2人に対してとんでもなく好意を丸出しにして接してくる。
校内で見かけるドス黒い雰囲気全開の『[漢字]天王寺[/漢字][ふりがな]てんのうじ[/ふりがな]先生』と、あい姉と俺に対して好意ダダ漏れの『蓮さん』。
二重人格なのか?と疑ってしまうほどの雰囲気の変わりようにビビるもいいところだが、蓮さんは幸せそうなのでとりあえず良しとしておく。
「蓮さんなら、どんなあい姉でもかわいいって言うでしょ。」
「えー、さすがの蓮くんでもそこまで言うかなあ?」
あい姉とそう話していると、丁度蓮さんが手を洗い終わったのか戻ってきた。
「いや、俺はどんなあいでも好きだぞ。」
ほら言った。
蓮さんは俺に対して、とても甘い。
でもそれ以上に、あい姉に対してもっともっと甘いのだ。
「もー蓮くん、あらたがいる前ではそういうの控えなきゃ!」
「わ、悪い......」
相変わらず、バカップル.....
付き合い始めた当初の何倍も、ラブラブになっている気がする。
別に見ていてなんとも思わないし、むしろおもしろいから控えてもらわなくても結構。
「別に好きにしてなよ。俺だってもう高1だし。」
先月卒業して、今は春休みの真っ最中。
俺は中学を受験したから、高校はそのまま内部進学。中高大一貫だから、大学もその予定だ。
まあ一応あい姉も同じ学校だったけど、高校の受験期真っ只中の際に蓮さんと付き合い初めてから、そのまま大学にエスカレーター式で進学する予定のものを蓮さんと同じ大学に志望校を変更したらしい。
あい姉は見た目に反してとてつもなく頭が良いから、蓮さんの通う県内トップの大学にも首席合格をしたようだ。
「...そうじゃん、あらたってばもう高校生じゃん!」
俺が「もう高1」と言ったせいかなんなのか、あい姉は目をキラキラ輝かせた。
「わたしと蓮くんのバ先で、一緒にバイトしようよ!」
あい姉がこの目になると、もう歯止めが効かなくなることを俺は十分すぎるくらいに知っていた。
[水平線]
「[漢字]凛[/漢字][ふりがな]りん[/ふりがな]さんすみません、急に言ってしまって...」
もうその後は本当に、あい姉の行動力の異常さを見せつけられる一方。
電車で二本先にあるクレープ屋に、あい姉と俺と蓮さんの3人で向かった。
そしてその店長が蓮さんのお姉さんとかいうこれまた知らなかった事実を聞いて驚く挙げ句、そのお姉さんがとてつもない美人で目が痛い。
マジで、蓮さんの姉って感じだな....強すぎる。
「いえいえいいのよ〜!それにあたし、あいらちゃんの弟くんの事すごく気になっていたもの。あの蓮が絶賛するからどんな子かと思っていたけど...あいらちゃんに似て、かわいらしい子ね!」
でも、嬉しげな感情を表にしっかり出してくる点に関しては、姉弟としてはあまり似ていなかった。
ていうか蓮さん、一体俺の何を絶賛してるんだ....
あ、野球の事か?この前も一緒に観戦に行ったから、きっとその事だ。
それに俺の事、かわいらしい子って....
それは聞き飽きた言葉だ。あい姉と母さんはとてつもない美人で、そしてその遺伝子をもはやいらないくらいに受け継いだ俺は、周囲から「かわいい」と言われる事が多かった。
俺も高1だし、男だし...「かわいい」より「かっこいい」と言われる方が、嬉しいに越したことはない。
「おい、あらたの良さは俺とあいだけが分かれば良いんだ。姉貴は引っ込んでろ。」
「まあ...蓮ったら、あいらちゃんとあらたくんに相当ゾッコンなのねえ〜!」
「うるさい、どうとでも言え。」
口論を続ける店長と蓮さん。
あい姉がそれを苦笑いで見守るあたり、もうこれは慣れっこの状況なのだろうと察した。
「りゅーちゃんっ、ここ!」
2人の口論が終盤に差し掛かった頃、店内の扉が開く音がする。
そしてその音の先へ視線をうつすと、俺のよく知っている人間の姿があった。
やばい、知ってるやつとこんなところで遭遇したくねえ...いやしてるけど、向こうに存在を認識されたくない。
そう思い、あい姉の後ろへ行き姿を隠すと、店長は「あー!」と声を上げた。
「こっちゃん!久しぶりねえ〜!」
「...あ!凛お姉ちゃん!」
え、先輩と店長、知り合いか...?
よく分からないが、何やら2人は仲が良さげだった。
「ほら、蓮も挨拶しなさい!」
え...蓮さんも、[漢字]増田[/漢字][ふりがな]ますだ[/ふりがな]先輩と知り合いなのか?
蓮さんに女の知り合いが居たなんて...驚きだな。
「....ん」
「こっちゃん、まーた可愛くなっちゃって〜!...あ、彼が前に話していた、『りゅーちゃん』かしら?」
...『りゅーちゃん』。
それは俺にとって、聞き馴染みのありすぎた言葉だった。
「うん!ことの幼なじみ!」
「...えっと、どうも。」
実物は初めて見たけど...想像以上にヤンキーで驚いた。
増田先輩、こんなやつを愛でてるのか....?目を疑う。
「...あ、ごめんなさいね2人とも。紹介するわ。」
そう行って、店長の言葉の矛先が俺たちに向いた。
あい姉はきょとんとした表情で、増田先輩と隣の男を交互に見つめている。
「彼女は増田[漢字]琴葉[/漢字][ふりがな]ことは[/ふりがな]ちゃん。あたしと蓮のいとこ。」
あ...なるほど、いとこか。
どうりで女嫌いの蓮さんに女の知り合いが居たわけだ。
「そして隣の彼は...こっちゃんの幼馴染くんよ。」
「....っす、[漢字]真田[/漢字][ふりがな]さなだ[/ふりがな][漢字]琉[/漢字][ふりがな]りゅう[/ふりがな]です。」
「まあ、とうの本人は幼馴染じゃなくて彼氏になりたいっぽいんだけどね...」
「え!?ちょ、なんで....!?」
「....りゅーちゃんどうしたの?」
俺はなんの茶番を見せられているんだ。
蓮さんが俺の肩に手を回して、しばらく仲良く店長と真田さんの会話を見ていた。
そして茶番が一息つくと、あい姉が言葉を発した。
「えっと...はじめまして、[漢字]藤[/漢字][ふりがな]ふじ[/ふりがな]あいらです。で、この子はわたしの弟の藤あら.....」
「わーーー!!」
蓮さんの腕を振り払って、あい姉の口を一心に塞ぎに行く。
あい姉、だめだよ俺は今こいつに姿を見られないように必死なんだから!!
見つかったらまたややこしいことに......
「.....あれっ、あっくん!」
......最悪だ...
「あっくん、やっほー!」
「こ、こんにちは....」
力なく返事した俺に、真田さんが突っかかる。
「....おいことは、こいつ誰だよ」
「ん?あっくんはねー、ことの後輩くんだよ!保健委員の!」
中学に入学してから最初の委員会を決める当日、俺は体調不良で学校を休んでしまった。
俺がいない間に勝手に決められた保健委員、学期ごとに変わるとかなら良かったが、委員会は中高一貫して続けるものという制度だったらしく、とてつもなく鬱ったのを覚えている。
そして委員会の集まりの初日、集まりに参加していたのは彼女...増田先輩だけで、俺が高1先輩が高2になった今もなお他の委員のやつらは来ないで俺と増田先輩の2人で保健委員会をまわしているという始末。
だから必然的に俺らは仲が良くなるわけで、あっさり『りゅーちゃん』の話なんかも聞かされていた。
「....藤、あらたです....」
「お前、ことはに手出したらただじゃおかねえからな」
名乗った直後、真田さんが急に距離を縮めたかと思ったらそんな事を言い放った。
.....言われなくても...これっぽっちも興味がない。
「りゅーちゃんっ、クレープ!早くクレープ買おうっ...」
「あ、ああ、分かった。どれにする?」
真田さんからは、なんだか蓮さんと似たオーラを感じた。
増田先輩、真田さんの独占欲に全く気づいてないみたいだな....むしろ怖い。
「...あいら、あらた。裏に行こう、ここは疲れる。」
蓮さんは相当苛立っているのか、俺の服の裾を引っ張りながらそう言った。
まあ、ただでさえ来たくもなかった場所につれてこられた挙げ句知らないヤツの前に姿を表すのは蓮さんにとって相当ストレスになるものなんだろうな...
「...蓮くん疲れたの?大丈夫?」
「......前言撤回する、全く疲れていない。あいら、接客は俺にまかせろ。」
頭にはてなマークを浮かべるあい姉。
本当に、あっちもこっちも、どんだけ無自覚なんだよ.....
「あらた...俺の癒やし......」
蓮さんは帰ってきてそうそう、俺の部屋へダイブするように入ってくる。
そして、俺に軽く寄りかかるようにした。
「聞いてくれよ、今日の主任いつも以上にピリっててさあ...」
「はいはい、その前に手洗ってきたらどうですか。」
たしかにな!と言って、蓮さんは鼻歌交じりに洗面所へと向かう。
俺と蓮さんは、いわゆる生徒と教育実習生の関係だ。
そんな俺と蓮さんが、なんでこうして一緒に話しているかって?それは...
「あれーっ、蓮くんもう来ちゃった?わたしまだ髪なんもしてないんだけど...」
俺の姉と蓮さんが、付き合っているから。
かれこれバ先が被った際に仲が良くなって、詳しくは聞いていないが流れで付き合うことになったのだという。
蓮さんは普段、人に対して感情をこれっぽっちも出さない。
けれど俺とあい姉の前では、俺ら2人に対してとんでもなく好意を丸出しにして接してくる。
校内で見かけるドス黒い雰囲気全開の『[漢字]天王寺[/漢字][ふりがな]てんのうじ[/ふりがな]先生』と、あい姉と俺に対して好意ダダ漏れの『蓮さん』。
二重人格なのか?と疑ってしまうほどの雰囲気の変わりようにビビるもいいところだが、蓮さんは幸せそうなのでとりあえず良しとしておく。
「蓮さんなら、どんなあい姉でもかわいいって言うでしょ。」
「えー、さすがの蓮くんでもそこまで言うかなあ?」
あい姉とそう話していると、丁度蓮さんが手を洗い終わったのか戻ってきた。
「いや、俺はどんなあいでも好きだぞ。」
ほら言った。
蓮さんは俺に対して、とても甘い。
でもそれ以上に、あい姉に対してもっともっと甘いのだ。
「もー蓮くん、あらたがいる前ではそういうの控えなきゃ!」
「わ、悪い......」
相変わらず、バカップル.....
付き合い始めた当初の何倍も、ラブラブになっている気がする。
別に見ていてなんとも思わないし、むしろおもしろいから控えてもらわなくても結構。
「別に好きにしてなよ。俺だってもう高1だし。」
先月卒業して、今は春休みの真っ最中。
俺は中学を受験したから、高校はそのまま内部進学。中高大一貫だから、大学もその予定だ。
まあ一応あい姉も同じ学校だったけど、高校の受験期真っ只中の際に蓮さんと付き合い初めてから、そのまま大学にエスカレーター式で進学する予定のものを蓮さんと同じ大学に志望校を変更したらしい。
あい姉は見た目に反してとてつもなく頭が良いから、蓮さんの通う県内トップの大学にも首席合格をしたようだ。
「...そうじゃん、あらたってばもう高校生じゃん!」
俺が「もう高1」と言ったせいかなんなのか、あい姉は目をキラキラ輝かせた。
「わたしと蓮くんのバ先で、一緒にバイトしようよ!」
あい姉がこの目になると、もう歯止めが効かなくなることを俺は十分すぎるくらいに知っていた。
[水平線]
「[漢字]凛[/漢字][ふりがな]りん[/ふりがな]さんすみません、急に言ってしまって...」
もうその後は本当に、あい姉の行動力の異常さを見せつけられる一方。
電車で二本先にあるクレープ屋に、あい姉と俺と蓮さんの3人で向かった。
そしてその店長が蓮さんのお姉さんとかいうこれまた知らなかった事実を聞いて驚く挙げ句、そのお姉さんがとてつもない美人で目が痛い。
マジで、蓮さんの姉って感じだな....強すぎる。
「いえいえいいのよ〜!それにあたし、あいらちゃんの弟くんの事すごく気になっていたもの。あの蓮が絶賛するからどんな子かと思っていたけど...あいらちゃんに似て、かわいらしい子ね!」
でも、嬉しげな感情を表にしっかり出してくる点に関しては、姉弟としてはあまり似ていなかった。
ていうか蓮さん、一体俺の何を絶賛してるんだ....
あ、野球の事か?この前も一緒に観戦に行ったから、きっとその事だ。
それに俺の事、かわいらしい子って....
それは聞き飽きた言葉だ。あい姉と母さんはとてつもない美人で、そしてその遺伝子をもはやいらないくらいに受け継いだ俺は、周囲から「かわいい」と言われる事が多かった。
俺も高1だし、男だし...「かわいい」より「かっこいい」と言われる方が、嬉しいに越したことはない。
「おい、あらたの良さは俺とあいだけが分かれば良いんだ。姉貴は引っ込んでろ。」
「まあ...蓮ったら、あいらちゃんとあらたくんに相当ゾッコンなのねえ〜!」
「うるさい、どうとでも言え。」
口論を続ける店長と蓮さん。
あい姉がそれを苦笑いで見守るあたり、もうこれは慣れっこの状況なのだろうと察した。
「りゅーちゃんっ、ここ!」
2人の口論が終盤に差し掛かった頃、店内の扉が開く音がする。
そしてその音の先へ視線をうつすと、俺のよく知っている人間の姿があった。
やばい、知ってるやつとこんなところで遭遇したくねえ...いやしてるけど、向こうに存在を認識されたくない。
そう思い、あい姉の後ろへ行き姿を隠すと、店長は「あー!」と声を上げた。
「こっちゃん!久しぶりねえ〜!」
「...あ!凛お姉ちゃん!」
え、先輩と店長、知り合いか...?
よく分からないが、何やら2人は仲が良さげだった。
「ほら、蓮も挨拶しなさい!」
え...蓮さんも、[漢字]増田[/漢字][ふりがな]ますだ[/ふりがな]先輩と知り合いなのか?
蓮さんに女の知り合いが居たなんて...驚きだな。
「....ん」
「こっちゃん、まーた可愛くなっちゃって〜!...あ、彼が前に話していた、『りゅーちゃん』かしら?」
...『りゅーちゃん』。
それは俺にとって、聞き馴染みのありすぎた言葉だった。
「うん!ことの幼なじみ!」
「...えっと、どうも。」
実物は初めて見たけど...想像以上にヤンキーで驚いた。
増田先輩、こんなやつを愛でてるのか....?目を疑う。
「...あ、ごめんなさいね2人とも。紹介するわ。」
そう行って、店長の言葉の矛先が俺たちに向いた。
あい姉はきょとんとした表情で、増田先輩と隣の男を交互に見つめている。
「彼女は増田[漢字]琴葉[/漢字][ふりがな]ことは[/ふりがな]ちゃん。あたしと蓮のいとこ。」
あ...なるほど、いとこか。
どうりで女嫌いの蓮さんに女の知り合いが居たわけだ。
「そして隣の彼は...こっちゃんの幼馴染くんよ。」
「....っす、[漢字]真田[/漢字][ふりがな]さなだ[/ふりがな][漢字]琉[/漢字][ふりがな]りゅう[/ふりがな]です。」
「まあ、とうの本人は幼馴染じゃなくて彼氏になりたいっぽいんだけどね...」
「え!?ちょ、なんで....!?」
「....りゅーちゃんどうしたの?」
俺はなんの茶番を見せられているんだ。
蓮さんが俺の肩に手を回して、しばらく仲良く店長と真田さんの会話を見ていた。
そして茶番が一息つくと、あい姉が言葉を発した。
「えっと...はじめまして、[漢字]藤[/漢字][ふりがな]ふじ[/ふりがな]あいらです。で、この子はわたしの弟の藤あら.....」
「わーーー!!」
蓮さんの腕を振り払って、あい姉の口を一心に塞ぎに行く。
あい姉、だめだよ俺は今こいつに姿を見られないように必死なんだから!!
見つかったらまたややこしいことに......
「.....あれっ、あっくん!」
......最悪だ...
「あっくん、やっほー!」
「こ、こんにちは....」
力なく返事した俺に、真田さんが突っかかる。
「....おいことは、こいつ誰だよ」
「ん?あっくんはねー、ことの後輩くんだよ!保健委員の!」
中学に入学してから最初の委員会を決める当日、俺は体調不良で学校を休んでしまった。
俺がいない間に勝手に決められた保健委員、学期ごとに変わるとかなら良かったが、委員会は中高一貫して続けるものという制度だったらしく、とてつもなく鬱ったのを覚えている。
そして委員会の集まりの初日、集まりに参加していたのは彼女...増田先輩だけで、俺が高1先輩が高2になった今もなお他の委員のやつらは来ないで俺と増田先輩の2人で保健委員会をまわしているという始末。
だから必然的に俺らは仲が良くなるわけで、あっさり『りゅーちゃん』の話なんかも聞かされていた。
「....藤、あらたです....」
「お前、ことはに手出したらただじゃおかねえからな」
名乗った直後、真田さんが急に距離を縮めたかと思ったらそんな事を言い放った。
.....言われなくても...これっぽっちも興味がない。
「りゅーちゃんっ、クレープ!早くクレープ買おうっ...」
「あ、ああ、分かった。どれにする?」
真田さんからは、なんだか蓮さんと似たオーラを感じた。
増田先輩、真田さんの独占欲に全く気づいてないみたいだな....むしろ怖い。
「...あいら、あらた。裏に行こう、ここは疲れる。」
蓮さんは相当苛立っているのか、俺の服の裾を引っ張りながらそう言った。
まあ、ただでさえ来たくもなかった場所につれてこられた挙げ句知らないヤツの前に姿を表すのは蓮さんにとって相当ストレスになるものなんだろうな...
「...蓮くん疲れたの?大丈夫?」
「......前言撤回する、全く疲れていない。あいら、接客は俺にまかせろ。」
頭にはてなマークを浮かべるあい姉。
本当に、あっちもこっちも、どんだけ無自覚なんだよ.....