二次創作
デュエル・マスターズWIN IF ウィンとイッサの闇
キィィィィン コォォォォン カァァァァン コォォォォン
「んふぇっ」
すっかり寝コケていたウィンは、壮大なチャイムの音で目を覚ました。間抜けな声を漏らしながら「うー……ん……」と腕を伸ばして伸びをしながら、ゆっくりと周りを見渡す。次の授業に向かう生徒をじっくり眺めて頬杖をつきながら、机をとんとん叩く。残念ながら、レコードの騒動でインカムが壊れてしまったのだ。
ツーツーツーツー トンツートンツートン トンツーツー ツートンツートンツー トントントンツー トンツーツーツートン トンツートンツートン トンツートントン トンツー ツートンツートントン トントン ツー ツーツートン ツーツーツートン トントンツー
[訳:今夜、作戦会議、無理そう]
「ちょっとウィン君、うるさい」
「あぁ、ごめん、ちょっと勉強のこと考えてて」
本当はイッサにモールス信号を送っていたのだが。まぁ、モールス信号を知っているものなどそうそう居ない。ただのクラスメートに分かるわけもなく、普通に会話が進む。
「ほんと、授業中は殆ど寝てるのにテストは満点とか信じらんないよ。さすがはD4って感じ?」
「どうだろー? まぁ、もしかしたら他のメンバーは勉強してるかもだけど。基本的に新しいカードの戦略とか自分から調べてるし、俺には授業なんていらないんだーっと」
「もう、なにそれ。チートじゃん」
適当におしゃべりしつつ、自分も次の授業に向かう。一応、出席しないと成績に関わるからだ。と言っても、授業中寝るようなら、欠席しようと対して変わらないような気もするが。
ウィンは、ほぼ毎回100点取るので、先生にも気に入られており、大して引かれていないのかもしれない。
次の授業も、大方の内容だけ把握して寝るを繰り返し、昼食の時間は「今日ちょっと疲れてて」と断り、その日は自分の寝室に直行したのだった。それほどまでに疲労がものすごかったのだ。
「はぁーー……つっかれたー……おやすみー……」
『闇の王を名乗ろうものがこの有り様とは、嘆かわしいぞウィン』
今までほとんど口を挟まなかったジャシンが、久しぶりにウィンの様子にツッコミを入れた。と言っても、半分冗談であるとウィンも分かっているので適当に付き合う。
「ジャシン君うるさ〜い、いいじゃん別に。あれ、多分ジャシン君じゃ手も足も出ないよ?」
『知るかそんな事』
「冷たいなぁ……。まぁいいや。というか久しぶりだね」
『そうだな。っておい』
「おやすみー……zzz」
呼び止めたジャシンに反応せず眠りに落ちたのは、体力の限界が来ていたからだった。