二次創作
デュエル・マスターズWIN IF ウィンとイッサの闇
レコードが片付いて、ウィンは自分の部屋で、今日の授業の準備を始めた。
その頃──
「はぁっ……! はぁっ……! くっ、このままでは……」
レコードに触れ、どういう手違いか、クリーチャーワールドに飛ばされてしまったカイザ。火のマナを宿しているからか、今彼がいる場所は『火文明』。
活火山が猛々しく立ち並び、そこら中にマグマがはびこる、猛暑の一言で片付けられない空間だった。
カイザは、かつてコンプレックスの騒ぎのときに、さらなる力を求め、相棒のボルシャックに火文明の太陽を取り込もうと、ボルシャックにマナを貸し出し、火文明のゲートを開いてもらったことがあった。しかし、ボルシャックとともに火文明へ乗り込むつもりが、ボルシャックに止められてしまった。その理由は、こういうわけか。
「人間には、耐えられない、ということか……。くっ……」
カイザは、自身の身体を燃やしながら先へと進む。とにかく、ここから元の世界に戻るためには、足を動かすしかない。
そうして、どれほど歩いただろうか。
「……先程よりかは、暑さがマシになってきたな……」
足元が、溶岩煮えたぎる熱い地面から、冷え固まった黒い地面へと変わっていった。あたりには、激戦を思わせる戦いの傷跡。何があったのかは、人間であるカイザには想像もつかない。
「ふぅ……、少し休憩するか……」
カイザは、ここまでの過酷な道なりを思い、休める内に休むことを選択した。
冷たい、ひやりとした地面が、心地よく感じられた。適当な岩を背もたれに、真っ黒な空を見上げて、一息つく。
「……ここから、どうしたものか……」
ポツリと呟く。そして、すぐに静寂が戻る。しかし、すぐにその静寂は破られる。
「……だれか、いるのか?」
低く、威厳を感じさせる声。カイザは、すぐに立ち上がり声の主を探した。
「お、お前は、どこにいる? 出てきて、くれないか?」
カイザが話しかけると、誰かが動く気配がした。
「……。その声、人間だな。なぜ人間がここにいる?」
「それは……怪しげなレコードに触ってから意識がなくなり、気がついたら、この、火文明にいたのだ。帰る方法がなくて困っているんだ。何かあてはないだろうか?」
「ふむ……」
その何者かは、カイザの眼の前に移動した。赤き翼の、アーマード・ドラゴン。彼は、じっとカイザを見つめ、何かを探るように沈黙した。
「……なんだ……? 変なものでもついていたのか……?」
「あぁ。いや、済まない。今どき、これほどのマナを宿している人間は珍しいからな。……そうだ。帰れず困っていると言うなら、俺が手を貸してやろう」
「何?」
そのドラゴンは、手をかざし、自身のカードを出現させた。
「ほれ、受け取れ」
「あ、あぁ。……いいのか?」
「俺の命も、そう長くない。有効的に使ってくれ」
そのドラゴン、『終炎の竜王 ボルシャック・ハイパードラゴン』は、そう言い残すとカードの中に戻っていった。
それと同時に、カイザの体から火のマナが溢れ、カイザの視界を覆っていく。目が覚めたときには、自室に戻っていた。
手に持っていたはずのレコードは、いつの間にか机の上においてあり、禍々しい気が失せていた。
その頃──
「はぁっ……! はぁっ……! くっ、このままでは……」
レコードに触れ、どういう手違いか、クリーチャーワールドに飛ばされてしまったカイザ。火のマナを宿しているからか、今彼がいる場所は『火文明』。
活火山が猛々しく立ち並び、そこら中にマグマがはびこる、猛暑の一言で片付けられない空間だった。
カイザは、かつてコンプレックスの騒ぎのときに、さらなる力を求め、相棒のボルシャックに火文明の太陽を取り込もうと、ボルシャックにマナを貸し出し、火文明のゲートを開いてもらったことがあった。しかし、ボルシャックとともに火文明へ乗り込むつもりが、ボルシャックに止められてしまった。その理由は、こういうわけか。
「人間には、耐えられない、ということか……。くっ……」
カイザは、自身の身体を燃やしながら先へと進む。とにかく、ここから元の世界に戻るためには、足を動かすしかない。
そうして、どれほど歩いただろうか。
「……先程よりかは、暑さがマシになってきたな……」
足元が、溶岩煮えたぎる熱い地面から、冷え固まった黒い地面へと変わっていった。あたりには、激戦を思わせる戦いの傷跡。何があったのかは、人間であるカイザには想像もつかない。
「ふぅ……、少し休憩するか……」
カイザは、ここまでの過酷な道なりを思い、休める内に休むことを選択した。
冷たい、ひやりとした地面が、心地よく感じられた。適当な岩を背もたれに、真っ黒な空を見上げて、一息つく。
「……ここから、どうしたものか……」
ポツリと呟く。そして、すぐに静寂が戻る。しかし、すぐにその静寂は破られる。
「……だれか、いるのか?」
低く、威厳を感じさせる声。カイザは、すぐに立ち上がり声の主を探した。
「お、お前は、どこにいる? 出てきて、くれないか?」
カイザが話しかけると、誰かが動く気配がした。
「……。その声、人間だな。なぜ人間がここにいる?」
「それは……怪しげなレコードに触ってから意識がなくなり、気がついたら、この、火文明にいたのだ。帰る方法がなくて困っているんだ。何かあてはないだろうか?」
「ふむ……」
その何者かは、カイザの眼の前に移動した。赤き翼の、アーマード・ドラゴン。彼は、じっとカイザを見つめ、何かを探るように沈黙した。
「……なんだ……? 変なものでもついていたのか……?」
「あぁ。いや、済まない。今どき、これほどのマナを宿している人間は珍しいからな。……そうだ。帰れず困っていると言うなら、俺が手を貸してやろう」
「何?」
そのドラゴンは、手をかざし、自身のカードを出現させた。
「ほれ、受け取れ」
「あ、あぁ。……いいのか?」
「俺の命も、そう長くない。有効的に使ってくれ」
そのドラゴン、『終炎の竜王 ボルシャック・ハイパードラゴン』は、そう言い残すとカードの中に戻っていった。
それと同時に、カイザの体から火のマナが溢れ、カイザの視界を覆っていく。目が覚めたときには、自室に戻っていた。
手に持っていたはずのレコードは、いつの間にか机の上においてあり、禍々しい気が失せていた。