二次創作
デュエル・マスターズWIN IF ウィンとイッサの闇
翌朝
ウィンは何食わぬ顔で授業に参加していた。心底つまらなさそうに、頬杖をついて、窓の外を物憂げに眺めていた。
ふと、窓の外を歩いている人影が目に止まった。
「……、んん? あいつ、サバト……? なんでまたこんなところに」
ウィンがサバトの動向を注視していると、
「斬札ウィン! 授業に集中なさい」
あっけなく教師に叱られてしまった。
「うわ! あ、はい、集中します……」
ウィンは急に怒鳴られてびっくりしてしまった。それもそうだろう。
サバトから、一切闇のマナを感じなかった。それに驚き、注意深くマナの気配を探っていたのだ。
(どういうことだ……? あいつ、闇の王になるとかどうとかほざいてたくせに、闇マナを失ったのか……?)
『面白い、授業が終わったら話しかけてやったらどうだ』
脳内でジャシンの声が響く。どこか楽しむような、愉快そうな声だった。
(……、まぁ、あれだけ懲らしめたんだし、すぐには攻撃してこないか)
ウィンは、ジャシンの意見に賛成する。
授業終わり、サバトは人気のないところへと移動していた。それを見逃さず、後をつける。やがて、サバトが足を止めた。こちらを振り返りながらウィンに話しかける。
「さすがは、【闇の王】だな」
「何のこと」
ウィンはすかさず答えを返す。警戒を強め、本気モードに入る。
「お前だって、この世界を、壊したいと思っているはずだ」
「そんなわけ無いだろ、さっきから何を言ってるんだ」
ウィンはますます警戒を強める。
「『闇の世界に来ないか こっちよりかは遥かに愉しい』だったか」
「っ!? ……、なんでそのことを?!」
サバトは鼻で笑いながら、ウィンの問いに答えた。
「忘れたか? こっちには、機械に強いやつがいるんでね」
「くっ……、何が目的?」
ウィンは顔を歪めながら、悔しそうに、いや、悔しそうなふりをしながら問いかけた。
「特に、何が目的とかはない。『仮面を外したい』んだろ? 外せばいいだろう。『王』であることを認めれば、より強い闇の力がお前のものになる」
「……、確か、東京に嫌な思い出があるんだったか。お前は、俺に負けて力を失った。だから、俺に壊させようと思った。そういうことか」
ウィンは、冷静にサバトの答えを分析した。ウィンにとっても、そこまで悪い話ではない。イッサを闇の世界に誘ったのは本当だ。だが、そうやすやすと乗るわけにもいかない。まずは相手の真意をしるところからだ。
「……、その通りだ。でもまぁ、嫌だと言うなら無理強いはしない」
「そ。本音を知りたかっただけだから、そんな落ち込まなくていいぜ。……なぁ、面白いこと教えてやろうか」
サバトは、その一言で、顔を上げた。不可解そうな表情を浮かべる。
「……、何だ??」
ウィンは、そんな様子のサバトに、慈愛に満ちた声でこういった。
「もとから世界を支配するつもりだったんだ。ニンゲンなんて、どいつもこいつも仮面被ってるだろ? そん中で暮らすのに飽き飽きしててさ。あ、悪いけど、お前らと組む気はないぜ。盛大にやらかしてくれたからな」
ウィンはそう言って、サバトの下から立ち去った。
その様子を見ていたイッサは、
「ウィン、本気か? 世界を支配なんて、カイザが何て言うか」
「本気だよ、カイザが何て言うかって、バレないようにするだけだろ」
イッサは、止めるわけでもなく、ただ、「本気か?」と、確認しただけだった。それを見たウィンは、
「お前、止めないのか?」
と、いつのも明るい口調に戻しながら訪ねた。
「止めないさ、愉しそうだからな」
イッサは、むしろ闇にのめり込んでいた。
「アハハ、誘って良かったなっと! 愉しそうで何よりだ。じゃぁ、授業全部終わったあと、作戦会議と行こうか?」
「あぁ、俺はいいぞ。どこでやるんだ?」
ウィンは紙を取り出し、そこに暗号で書いた。
【さだとしなひそ。?かょいとういどか、けだっうんとのな】
「? どういうことだ??」
「ちょっとした暗号さ、これをこうして、こう読むと……」
「お前、天才だな。了解だ。授業が終わり次第、そこに向かおう。カイザにはカードの情報収集をしていると伝えておこう」
「どこまでも頭の回るやつ……、それぐらいがちょうどいい。期待してるぜ」
「あぁ、そうしてくれ」
二人は、それぞれの授業へと戻っていった。
ウィンは何食わぬ顔で授業に参加していた。心底つまらなさそうに、頬杖をついて、窓の外を物憂げに眺めていた。
ふと、窓の外を歩いている人影が目に止まった。
「……、んん? あいつ、サバト……? なんでまたこんなところに」
ウィンがサバトの動向を注視していると、
「斬札ウィン! 授業に集中なさい」
あっけなく教師に叱られてしまった。
「うわ! あ、はい、集中します……」
ウィンは急に怒鳴られてびっくりしてしまった。それもそうだろう。
サバトから、一切闇のマナを感じなかった。それに驚き、注意深くマナの気配を探っていたのだ。
(どういうことだ……? あいつ、闇の王になるとかどうとかほざいてたくせに、闇マナを失ったのか……?)
『面白い、授業が終わったら話しかけてやったらどうだ』
脳内でジャシンの声が響く。どこか楽しむような、愉快そうな声だった。
(……、まぁ、あれだけ懲らしめたんだし、すぐには攻撃してこないか)
ウィンは、ジャシンの意見に賛成する。
授業終わり、サバトは人気のないところへと移動していた。それを見逃さず、後をつける。やがて、サバトが足を止めた。こちらを振り返りながらウィンに話しかける。
「さすがは、【闇の王】だな」
「何のこと」
ウィンはすかさず答えを返す。警戒を強め、本気モードに入る。
「お前だって、この世界を、壊したいと思っているはずだ」
「そんなわけ無いだろ、さっきから何を言ってるんだ」
ウィンはますます警戒を強める。
「『闇の世界に来ないか こっちよりかは遥かに愉しい』だったか」
「っ!? ……、なんでそのことを?!」
サバトは鼻で笑いながら、ウィンの問いに答えた。
「忘れたか? こっちには、機械に強いやつがいるんでね」
「くっ……、何が目的?」
ウィンは顔を歪めながら、悔しそうに、いや、悔しそうなふりをしながら問いかけた。
「特に、何が目的とかはない。『仮面を外したい』んだろ? 外せばいいだろう。『王』であることを認めれば、より強い闇の力がお前のものになる」
「……、確か、東京に嫌な思い出があるんだったか。お前は、俺に負けて力を失った。だから、俺に壊させようと思った。そういうことか」
ウィンは、冷静にサバトの答えを分析した。ウィンにとっても、そこまで悪い話ではない。イッサを闇の世界に誘ったのは本当だ。だが、そうやすやすと乗るわけにもいかない。まずは相手の真意をしるところからだ。
「……、その通りだ。でもまぁ、嫌だと言うなら無理強いはしない」
「そ。本音を知りたかっただけだから、そんな落ち込まなくていいぜ。……なぁ、面白いこと教えてやろうか」
サバトは、その一言で、顔を上げた。不可解そうな表情を浮かべる。
「……、何だ??」
ウィンは、そんな様子のサバトに、慈愛に満ちた声でこういった。
「もとから世界を支配するつもりだったんだ。ニンゲンなんて、どいつもこいつも仮面被ってるだろ? そん中で暮らすのに飽き飽きしててさ。あ、悪いけど、お前らと組む気はないぜ。盛大にやらかしてくれたからな」
ウィンはそう言って、サバトの下から立ち去った。
その様子を見ていたイッサは、
「ウィン、本気か? 世界を支配なんて、カイザが何て言うか」
「本気だよ、カイザが何て言うかって、バレないようにするだけだろ」
イッサは、止めるわけでもなく、ただ、「本気か?」と、確認しただけだった。それを見たウィンは、
「お前、止めないのか?」
と、いつのも明るい口調に戻しながら訪ねた。
「止めないさ、愉しそうだからな」
イッサは、むしろ闇にのめり込んでいた。
「アハハ、誘って良かったなっと! 愉しそうで何よりだ。じゃぁ、授業全部終わったあと、作戦会議と行こうか?」
「あぁ、俺はいいぞ。どこでやるんだ?」
ウィンは紙を取り出し、そこに暗号で書いた。
【さだとしなひそ。?かょいとういどか、けだっうんとのな】
「? どういうことだ??」
「ちょっとした暗号さ、これをこうして、こう読むと……」
「お前、天才だな。了解だ。授業が終わり次第、そこに向かおう。カイザにはカードの情報収集をしていると伝えておこう」
「どこまでも頭の回るやつ……、それぐらいがちょうどいい。期待してるぜ」
「あぁ、そうしてくれ」
二人は、それぞれの授業へと戻っていった。