二次創作
デュエル・マスターズWIN IF ウィンとイッサの闇
翌朝
『ウィン! 大変だ!!』
イッサが突然、インカムでウィンに話しかけた。切羽詰まったような、焦りを感じさせる声で。
「……耳痛てぇ、どうしたイッサ?」
ウィンは、インカムをつけている方の耳を軽く押さえながら続きを促す。
『カイザが学園から姿を消した! どこの監視カメラにも写ってない!』
「なんだと!? 今すぐそっちへ向かう!」
それを聞いたウィンは、すぐさま気持ちを切り替える。『カイザが姿を消した』。ウィンにとっては、かなり計画が狂う、大事だ。早急に探し出さなくてはならない。
(どうして急に……? もしレコードの呪いのせいだとしたら、俺では手が負えない可能性がある。クソッ、昨日の内にレコードを回収しておくべきだった!)
ウィンは頭の中で試行錯誤をしながらもイッサの部屋へと向かう。
「イッサ! カメラは!?」
「ウィン! これだ、どこにもカイザが写っていないんだ!」
イッサはウィンに、すべての監視カメラの映像を見せた。確かに、どこにもカイザは写っていない。
「マジじゃん……! レコードはっ!?」
「……! 今探す!」
二人しか居ない部屋に、カタカタとキーボードを叩く音が響く。
「……っ! 見つからないっ……!」
イッサは汗をにじませながら呟く。悔し紛れに歯を食いしばる。
「くそっ、かして!」
今度はウィンがカタカタとパソコンの画面を動かす。時間を戻して、何時間も前のカイザの行動を確認すようとする。しかし、
「なん、で……?」
絶対にカイザがいるはずの時間帯。まさしく、昨日自分と会話していたはずのカイザの姿が、どこにもない。たしかにここに居たはず。自分は、たしかにカイザと会話をしていた。カメラの中に自分は、扉を開けて、誰かと話しをしている。自分の音声は聞こえるが、そこにいるはずのカイザの音声が聞こえない。
「なんでだよ……? 過去の記録をあさっても、どこにも写ってないぞ……?」
ウィンはもう一度思案する。
(そうだ、考えても見ろ、これはもともとカイザが個人的に仕掛けたカメラだ。あいつなら小細工できるだろう、難しく考えすぎたんだ)
ウィンはその考えをイッサに話そうとする。しかし、そこに乱入者が現れた。
「フフッ、それは違いますよ、斬札ウィン」
「……!?」
「お前! あの時たしかに消滅したはずじゃ?!」
そこに現れたのは、『[漢字]DARK MATERIAL COMPLEX[/漢字][ふりがな]暗闇の根源 コンプレックス[/ふりがな]』。かつて、女神だと偽り、ウガタを狂わせた元凶。ウィンが倒し、消滅したはずだが……
「ふふ、言ったでしょう? 『ニンゲンの闇が亡くならない限り、再び世に現れるでしょう』、と」
「……、何をしに来た?」
「あなた達に、少し手伝っていただきたいことがありまして」
コンプレックスは、実体化しきれていない腕でフフッと嗤いをこぼす。
「……内容によるかな? 何を手伝ってほしいって?」
ウィンは、慎重に、それでいて、どこか放漫な態度を見せながら応じる。
「あのレコード、あれを消し去る手伝いが欲しいのです。手伝っていただけるのなら、貴方がたに協力すると誓いましょう」
「……ふ〜ん? まぁいいよ。消し去るってのにはちょっと抵抗が走るけど、お前が消し去りたいってゆうなら、相当やばい代物なんだろ? 手伝ってやるよ」
ウィンは、放漫な態度を崩さずに語りかける。コンプレクスはと言うと、その答えに安心したように、仮の姿である、壺のような、置物のような姿に戻った。
「ありがとうございます。例のレコードは私の中に入れてあります。あなたなら、直接触れても問題ないでしょう、まずは取り出していただけますか?」
『ウィン! 大変だ!!』
イッサが突然、インカムでウィンに話しかけた。切羽詰まったような、焦りを感じさせる声で。
「……耳痛てぇ、どうしたイッサ?」
ウィンは、インカムをつけている方の耳を軽く押さえながら続きを促す。
『カイザが学園から姿を消した! どこの監視カメラにも写ってない!』
「なんだと!? 今すぐそっちへ向かう!」
それを聞いたウィンは、すぐさま気持ちを切り替える。『カイザが姿を消した』。ウィンにとっては、かなり計画が狂う、大事だ。早急に探し出さなくてはならない。
(どうして急に……? もしレコードの呪いのせいだとしたら、俺では手が負えない可能性がある。クソッ、昨日の内にレコードを回収しておくべきだった!)
ウィンは頭の中で試行錯誤をしながらもイッサの部屋へと向かう。
「イッサ! カメラは!?」
「ウィン! これだ、どこにもカイザが写っていないんだ!」
イッサはウィンに、すべての監視カメラの映像を見せた。確かに、どこにもカイザは写っていない。
「マジじゃん……! レコードはっ!?」
「……! 今探す!」
二人しか居ない部屋に、カタカタとキーボードを叩く音が響く。
「……っ! 見つからないっ……!」
イッサは汗をにじませながら呟く。悔し紛れに歯を食いしばる。
「くそっ、かして!」
今度はウィンがカタカタとパソコンの画面を動かす。時間を戻して、何時間も前のカイザの行動を確認すようとする。しかし、
「なん、で……?」
絶対にカイザがいるはずの時間帯。まさしく、昨日自分と会話していたはずのカイザの姿が、どこにもない。たしかにここに居たはず。自分は、たしかにカイザと会話をしていた。カメラの中に自分は、扉を開けて、誰かと話しをしている。自分の音声は聞こえるが、そこにいるはずのカイザの音声が聞こえない。
「なんでだよ……? 過去の記録をあさっても、どこにも写ってないぞ……?」
ウィンはもう一度思案する。
(そうだ、考えても見ろ、これはもともとカイザが個人的に仕掛けたカメラだ。あいつなら小細工できるだろう、難しく考えすぎたんだ)
ウィンはその考えをイッサに話そうとする。しかし、そこに乱入者が現れた。
「フフッ、それは違いますよ、斬札ウィン」
「……!?」
「お前! あの時たしかに消滅したはずじゃ?!」
そこに現れたのは、『[漢字]DARK MATERIAL COMPLEX[/漢字][ふりがな]暗闇の根源 コンプレックス[/ふりがな]』。かつて、女神だと偽り、ウガタを狂わせた元凶。ウィンが倒し、消滅したはずだが……
「ふふ、言ったでしょう? 『ニンゲンの闇が亡くならない限り、再び世に現れるでしょう』、と」
「……、何をしに来た?」
「あなた達に、少し手伝っていただきたいことがありまして」
コンプレックスは、実体化しきれていない腕でフフッと嗤いをこぼす。
「……内容によるかな? 何を手伝ってほしいって?」
ウィンは、慎重に、それでいて、どこか放漫な態度を見せながら応じる。
「あのレコード、あれを消し去る手伝いが欲しいのです。手伝っていただけるのなら、貴方がたに協力すると誓いましょう」
「……ふ〜ん? まぁいいよ。消し去るってのにはちょっと抵抗が走るけど、お前が消し去りたいってゆうなら、相当やばい代物なんだろ? 手伝ってやるよ」
ウィンは、放漫な態度を崩さずに語りかける。コンプレクスはと言うと、その答えに安心したように、仮の姿である、壺のような、置物のような姿に戻った。
「ありがとうございます。例のレコードは私の中に入れてあります。あなたなら、直接触れても問題ないでしょう、まずは取り出していただけますか?」