二次創作
デュエル・マスターズWIN IF ウィンとイッサの闇
カイザは、ウィンの企みに気づけなかった自分を恨んでいた。仲がいいんだな、というくらいにしか見ていなかった。二人の仲を楽観視していた自分を、カイザは心の底から呪った。
「くそ、イッサはウィンの側だ……俺には、もうカレン以外に頼れるやつがいない……しかし……」
カレンも、ウィンと仲良くしているうちの一人。イッサほどの親密感はなさそうだが、ウィンのことをかばう可能性もあり、こちらが気づいていることをウィンに話しかねない。
カレンは、シノビの家系だ。金を払えば、雇うことはできる。だが、カレンと契約していたのは、あくまでファルゴであり、契約を解いたのかどうかははっきりしない。いっそ、本人の力を借りられれば……。
そう思ったカイザは、自分のスマホを手に取り、ファルゴの番号へとかける。
(ファルゴ……、頼む、手を貸してくれ……!!)
[明朝体][大文字][中央寄せ]プルルルルル プルルルルル プルルルルル プルルルルル プルルルルル……[/中央寄せ][/大文字][/明朝体]
[中央寄せ]ガチャ[/中央寄せ]
かなり間を置いて、ファルゴは電話に出た。しかし、開口一番に。
『ファーーーーー! おかけになった電話番号の主はなっ! お前と話したいなんて一言も言ってねぇんだよっ。どうせ、俺様がいなくなって清々してんだろっ! 知ってるんだからな!』
[中央寄せ]ガチャ ツーツーツー、[/中央寄せ]
用件を言うまでもなく通話は切れてしまった。
「そんな……、ファルゴ……」
恐らく彼は、自分がひどいことをしていたという自覚があったのだろう。そして、救いを差し伸べなかったカイザのことも、同じように見ていたと勝手に勘違いをしているようだ。……いや、事実、当初は清々していた。うるさいやつがいなくなった、と。ウィンと話のネタにしていたくらいだった。
カイザは今更後悔をする。ファルゴよりも、イッサの方を信頼していた。そのイッサに裏切られ、今更ファルゴを求めて……改めて自分の愚かさを知った。D4のメンバーに、ウィンが入ったことを喜んでいた自分は、ファルゴが去っていくのを気にもとめていなかった自分は……。嗚呼、考えていたらきりがない。
カイザは、今の自分にできること、頼れそうな仲間を順繰りに思い浮かべる。その思い浮かべた数は、悲しいほどに少なかった。
現D4のカレンも、元D4のボウイ頼れない。ボウイの場合、むしろD4というしがらみから解き放たれて、自由にウィンと接触している。それほど、ウィンのことを友達として認識している。……きっと、ふたりともウィンをかばうのだろう。
結局その二人しか頭に思い浮かばなかったカイザは、一人で戦う決意を責められる。
……できるのだろうか。ボルシャックを失った自分が。ボルシャックがいたときですら、あいつに負けたと言うのに。
勝てるイメージが沸かない。それでも、戦う必要があった。
「……まじか、俺達の会話聞いてたのか!? あいつ、いつの間に監視カメラ増やしたんだよ」
「学園長に聞いてみた所、コンプレックスの騒動のあとかららしい。面倒なことをしてくれる」
その様子を、唯一カメラの付いていない自室でモニタニングを始めていたイッサとウィンが、お互いに感想を述べ合っていた。生徒会室には、イッサが仕掛けた盗聴器と、学園のものとは別で、監視カメラも設置していた。
「ふっ、まぁいいさ。この監視カメラも利用してやればいい。気づいたことを気づかれないように、お前も気をつけろよ」
「気の文字が多くて少しくどいが、了解だ」
「くそ、イッサはウィンの側だ……俺には、もうカレン以外に頼れるやつがいない……しかし……」
カレンも、ウィンと仲良くしているうちの一人。イッサほどの親密感はなさそうだが、ウィンのことをかばう可能性もあり、こちらが気づいていることをウィンに話しかねない。
カレンは、シノビの家系だ。金を払えば、雇うことはできる。だが、カレンと契約していたのは、あくまでファルゴであり、契約を解いたのかどうかははっきりしない。いっそ、本人の力を借りられれば……。
そう思ったカイザは、自分のスマホを手に取り、ファルゴの番号へとかける。
(ファルゴ……、頼む、手を貸してくれ……!!)
[明朝体][大文字][中央寄せ]プルルルルル プルルルルル プルルルルル プルルルルル プルルルルル……[/中央寄せ][/大文字][/明朝体]
[中央寄せ]ガチャ[/中央寄せ]
かなり間を置いて、ファルゴは電話に出た。しかし、開口一番に。
『ファーーーーー! おかけになった電話番号の主はなっ! お前と話したいなんて一言も言ってねぇんだよっ。どうせ、俺様がいなくなって清々してんだろっ! 知ってるんだからな!』
[中央寄せ]ガチャ ツーツーツー、[/中央寄せ]
用件を言うまでもなく通話は切れてしまった。
「そんな……、ファルゴ……」
恐らく彼は、自分がひどいことをしていたという自覚があったのだろう。そして、救いを差し伸べなかったカイザのことも、同じように見ていたと勝手に勘違いをしているようだ。……いや、事実、当初は清々していた。うるさいやつがいなくなった、と。ウィンと話のネタにしていたくらいだった。
カイザは今更後悔をする。ファルゴよりも、イッサの方を信頼していた。そのイッサに裏切られ、今更ファルゴを求めて……改めて自分の愚かさを知った。D4のメンバーに、ウィンが入ったことを喜んでいた自分は、ファルゴが去っていくのを気にもとめていなかった自分は……。嗚呼、考えていたらきりがない。
カイザは、今の自分にできること、頼れそうな仲間を順繰りに思い浮かべる。その思い浮かべた数は、悲しいほどに少なかった。
現D4のカレンも、元D4のボウイ頼れない。ボウイの場合、むしろD4というしがらみから解き放たれて、自由にウィンと接触している。それほど、ウィンのことを友達として認識している。……きっと、ふたりともウィンをかばうのだろう。
結局その二人しか頭に思い浮かばなかったカイザは、一人で戦う決意を責められる。
……できるのだろうか。ボルシャックを失った自分が。ボルシャックがいたときですら、あいつに負けたと言うのに。
勝てるイメージが沸かない。それでも、戦う必要があった。
「……まじか、俺達の会話聞いてたのか!? あいつ、いつの間に監視カメラ増やしたんだよ」
「学園長に聞いてみた所、コンプレックスの騒動のあとかららしい。面倒なことをしてくれる」
その様子を、唯一カメラの付いていない自室でモニタニングを始めていたイッサとウィンが、お互いに感想を述べ合っていた。生徒会室には、イッサが仕掛けた盗聴器と、学園のものとは別で、監視カメラも設置していた。
「ふっ、まぁいいさ。この監視カメラも利用してやればいい。気づいたことを気づかれないように、お前も気をつけろよ」
「気の文字が多くて少しくどいが、了解だ」