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これは二次創作です! 
非公式です! 
ウィンとイッサが闇堕ちします!
本家とは全く関係ないです! 
単行本ではまだ出てない内容を、
想像も含めながら書いているのでネタバレ要素があります。

あと、内容知らない人には追いつけないかもです!
デュエマのルール知らないとバトルシーン追いつけないかも。。。
作者が、つまらなと感じているくらいですけど、最後まで、読んでくださればと思います。。。

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二次創作
デュエル・マスターズWIN IF ウィンとイッサの闇

#20

禁呪のレコード編 第十八章 災厄、種まき

 二人が監視カメラのないところで、例のレコードを見つけてからというものの、学園では一方に何も起こらなかった。消えた彼女、ジェニーの行方はまだわかっていないが、生徒たちは、もう気にもしていない。
 そんな様子にしびれを切らしたのか、ウィンはある日の昼食時、少し勝負に出るのだった。

 クラブのメンバーを誘って、皆で昼食を食べている時、話の話題に事欠いて、なにか噂話は知らないかと持ちかけた。すると、噂話には耳がない、マズキとケンドラがぴくっと反応し、いかにも何か話したげな様子を見せるので、「え、何々〜?」とちょっと茶化すように話を促した。
 マズキ、ケンドラの二人は嬉しそうに体を震わせながら、声のトーンを落とし、ぽつりポツリと話を始めた。
(食事中に怪談かよっ!)
心のなかで吹き出しそうになりながらも、表情に出るのを抑えて、二人の話に耳を寄せる。まぁ、どうせいつもみたいに何処かから拾ってきた怪談だろう。
 まずはケンドラから話し始めた。
「これはな、ある人の実話体験なんだ……。免許を取って、車も買ったばかりの友人に誘われて、ドライブに出掛けるんだ。型落ちの中古車だったんだけど、状態も掘り出し物レベル。お値段も相場の半額だったらしい。
ダラダラと運転しながら、音楽を流したりおしゃべりしたり、楽しく走ってたんだ」
恐いものが苦手なボウイは、現実逃避のためか、黙々と食事をしていた。すでにもうなくなりかけ。
 語り手をマズキに交代すると、二人は声のトーンを少し高くした。
「そして、日が落ちかけた頃。県境付近まで来たときに、ガソリンが心許ないことに気付いてスタンドに入ったんだ。男性店員が『いらっしゃいませ!』って挨拶したあと、変な事を言うんだよ」
全員が息を呑む。食べるもの、現実逃避をするためのものがなくなって、ボウイも顔を青ざめながら話を聞いていた。
 ここでマズキは声のトーンをかなり低めて、少し間を取ってから言った。
「……『後部座席の女性の方、ご気分が悪いのではないですか?』ってな!」
「うわぁぁぁぁぁ!!」
ボウイが瞬時に発狂する。怖い話が得意なウィンは、半分呆れながらボウイをなだめた。
「おいおい、多分まだ話の半分も行ってないと思うぞ?」
「怖がり過ぎだろう」
ウガタも賛成する。ボウイの発狂で、恐さが吹き飛んだメンバーたちは、マズキとケンドラに続きを促す。
「へへっ、まだまだぁ、恐いのはここからだぜぇ? 後部座席には誰も逝ない。レコードや飲み物が乗せてあるだけ。その場は、ポスターか何かがフロントガラスに写ったんだろう、見間違いだ。で、済んだんだ。……と・こ・ろ・がだ。……それから午前1時過ぎ、ドライブスルーに入ったんだが……」
「待って待って怖い怖い怖い!!」
「……ボウイ、話を遮らないでよ、いいところだったのに」
「だってウィン!!」
ボウイは涙目で、訴えている。ウルサイと思ったのか、ウィンはボウイの背後に回って、その口を塞いだ。
「フゴォ!?」
「続けていいぞーっと」
「ボウイってめっちゃ怖がりなんだな。つーか、お前ももっと怖がれよw んじゃ続きだ……やっぱり『あれ、女性のお客様がおられませんでしたか?』って、店員に言われるんだよ。居るわきゃねぇんだ。そいつらは何となく気味が悪くなって、帰ることにした。恐いから、遠回りをしてでも明るい道を使おう、とな。だがどうしても30分ぐらいは山道を走らなきゃならねぇもんだから、そいつらは景気のいい音楽を掛けて、怖さを紛らわすように支離滅裂な会話をしながら山道を駆け抜けた」
「「「……」」」
ボウイを除く、メンバー全員が固唾をのんで話に聞き入る。
「何かおかしい、何かヤバい。そのときの二人の共通認識。
その車はすぐに売却し、その後は何もなかったんだが……今も、その車種を見ると思い出しちまうらしい……」
「な、何を……?」
カレンは続きを怖いもの見たさで促した。
「後部座席に座っていた、寂しそうな女性の話を、な」
「「「「?」」」」
「どうだ、恐ぇだろ!」
あまりはっきりしないオチに肩透かしを食らったウィンは、ちょっと呆れたように話しかけた。
「途中までは怖かったけど……最後のオチなんなんだよ、寂しそうなんて表現あったっけ?」
「どうせどこからか拾ってきたんだろ?」と、追い打ちをかける。図星だったのか、二人はぎくりとしたように硬直し、「じゃあお前ならどんな話するんだよ!」と今度はウィンに向かっていった。
「いいぜ? でも、そもそも怪談ってのは、食事中にするような話じゃないから、まずは食べ終わろうよ」
「「う……」」
最後の最後まで、舐められっぱなしのヤンキー二人組だった。
 これよりも怖い怪談が何なのか。そもそも、オチが怪談としてしっくりこなかったため、クラブのメンバーたちは黙々と、目の前の食事を食べ進めていった。

 全員が食べ終わったところで、ウィンは話を始めようとする。
「あ、僕ちょっとトイレに……」
「だぁ〜め☆ 一緒に怪談聞いてってよ」
早速逃げ出そうとするボウイの首根っこを掴んで、ズルズルと机に向かって引きずり、椅子に座らせた。
「うぅ……、早めに終わらせてね……?」
「どうかな〜? あ、マズキ、ケンドラ、ボウイが逃げ出さないように見張っててね」
「おう!」「任されたぜ!」
しれっと逃げ出せない状況を作り上げ、本題へと入る。
 ウィンも、声のトーンを下げ、真剣そのものの声色で話し出す。
「…………さて。皆は、この間の昼の放送で、不快な音楽が流れていたことは覚えているか? 実はあのあと、ある一人の生徒がずっと行方不明中なんだ。……こんな話がある。『呪われたCD』という話だ。聞いたことはあるか?」
「おいおい、マジモンのやばいやつかよ……!」
「聞いたこと無いけど……、まさか、ほんとに……!?」
いきなりの、現実感しかないマジモンの怪談に、クラブのメンバーは一斉におののく。その様子を見て、ウィンは心のなかで笑いながら、一応はネットから拾ってきた話を、それらしく偽装しながら話しだした。もちろん、生徒が消えた、という話に持っていけるように、改変はしてある。(ネットにいい話がなかったから自分で作った。ワァ〜イ)
「ある日のことだ。家に戻ると、見慣れない、真っ黒なCDが置いてあった。買った覚えもなく、一人暮らしのため、そんなものはあるはずがなかった。通常、CDの表面には、何の曲が入っているのかを書いてあるのがほとんどだが、そのCDはただ真っ黒で、何も書かれていない。不気味に思った彼は、次の日が不燃ごみの回収日だったことを思い出し、割れたりしないようにと、新聞紙に包んで、翌朝ゴミに出した。そのまま仕事に向かって家を出て、残業をした後家に帰ると、今度は、ポータブルCDプレーヤーが、蓋を開いた状態で自分を出迎えていた。中には、朝捨てたはずの、真っ黒なCD……」
「ひっ……」
怪談らしい話にはなったが、これがいつかの騒動に関係するかもしれないと思うと、身の毛がよだつ。ウィンは心のなかで、ニヤァっと笑いながら続きを話した。
「流石にやばいと思った彼は、神社にそれを持っていった。しかし、どうしても鳥居を抜けられない。何か、透明な壁に阻まれているかのように、足が動かない。彼は仕方なくCDプレーヤーを地面に置き、神主を呼ぼうとした。CDプレーヤーが悪さをしていたのか、今度はすんなり入れたため、その後難なく神主を呼びに行けたのだが、戻った時、そのCDプレーヤーはどこにもなく、なぜだなぜだと喚く彼を、神主は迷惑そうにして追い払ってしまった」
ウィンは静かに目を伏せ、少し間を取る。重い話には、時折休憩が必要だからだ。
「そんな……」
 ひどい話を、淡々と続けるウィンのことを、クラブメンバーは恐ろしいと感じた。ひどい話などいくらでもあるのは知っている。だが、もう少し、感情がこもっていてもいいのではないだろうか?
 すでに、クラブメンバーは、本当にあった実話であると認識していた。マズキやケンドラたちのように、ネットで拾った信憑性のないものではなく、本物の。
(やっぱ、怖がらせるのって愉しいな♪)
ウィンは、そんなクラブメンバーを、心のなかで、嗤っていた。
「しょんぼりと家に帰った彼は、今度は閉じた状態で待っていたそのCDプレーヤーを手に持った。その瞬間、心のなかに黒い闇が走った。このCDを流してしまえば、いっそ楽になれる。仕事からも、家族からも、『生』というしがらみさえも」
「え……」
「彼は、思い切ってCDを再生した。とても暗い、絶望に満ちた曲で。『あぁ、この作曲者も、全てに疲れてしまったんだ……』と、今の自分の境遇に重ねて作曲者のことを思った。……そのCDが、一度でも訪れた人の中で、今もなお生きている人はいないと言う……」
「「「「「…………」」」」」
沈黙が続く。
「……、怖すぎた、かな?」
あまりにも長い沈黙に、ウィンが口を開く。
「……ウィンの、バカぁっ!」
「えぇ!? おい、ボウイ!?」
話を聞き終わった面々はしばらく押し黙っていたが、ボウイが我慢しきらなくなり、ウィンへ対し、思いっきり罵倒を投げつけた。その後何処かへ走り去り、ウィンは急いで後を追った。
「……なぁ、ボウイ。その、無理やり聞かせて、ごめん。俺──」
「ちがうよ、それじゃない。……それもあるけど」
ボウイは怒りの口調で反論した。ウィンにはわけがわからず、思わず聞き返した。
「え……? じゃあ、なんで……」
「わからないのかっ、あれじゃあ、行方不明になったって子、還ってこないってことになっちゃうじゃん……!」
還って来ないのは確定しているが、ここまで本気にされていると、少しまずい。仕方なく、ネットで見つけたことをバラすことにした。
「え!? いや、ただネットから拾ってきただけだぞ?!」
「は……!? はぁ!? え、マジで言ってるのか!?」
ボウイは心底驚いている。少しリアルに話しすぎたのかもしれない。
「う、うん……」
ウィンは困惑気味に答える。
(う〜ん、失敗かな……? こいつらに噂を流してもらおうと思ったんだけど……。なかなかうまくいかないな)
ウィンは心のなかで自嘲する。
「まぁ、さ。ネタバラシに、皆のとこ戻ろうぜ?」
「あ、うん」
その後、ただネットで拾った話である、ということを伝えると、ボウイと同じように飛び上がるほど驚いていたのは、また別の話。

 その日の夕方、ウィンとイッサは、いつも通り、情報交換を行っていた。
「噂を流す、か。面白いことを思いつくな。ウィン」
「はは、あんまり上手くいかなかったけどな」
二人は、かつて[漢字]DARK MATERIAL COMPLEX[/漢字][ふりがな]暗闇の根源コンプレックス[/ふりがな]がたむろしていた、人が全く来ない廊下にいた。ここは、コンプレックスが空間を歪めて作り出した場所であり、一切の教室もないため、来る理由がないのだ。もちろん、監視カメラ等も存在しない。ここをダーク・マテリアルと名付けた二人は、情報交換の場をここに変えたのだ。
「んで? センセー方の対応はどうよ?」
「特に変わりないな、警察に行方不明届を出して、それっきりだ。音沙汰もない」
「相変わらず生徒への愛情がないっていうか。警察も、ただの行方不明だと、思ってそこまで入念に捜索しないだろうし、もうちょっと問題になってほしかったな〜」
「本当に人の不幸が好きだなw」

『ありがとw ま、メンバーに話してたものを聞いてたやつもいるだろうから、噂が広まってもおかしくはないし、こっからまた様子見かな〜』
『了解だ。あくまで自分からは触れないとこ、結構好きだぜ』
『褒めても何も出ないっての』
『世界を闇で支配すると言ったのはお前だろう?』
『それ報酬か?』
『もちろんさ』
「……」
 カイザは、コンプレックスの件を、かなり後悔していた。自分の気づかぬところで、密かに闇が身を潜めていたことを、とても悔しく思っていた。学園管轄のものとは違う、自分の経営している会社の監視カメラをいつくも設置し、監視カメラで、見えないところは、一切“ない”というところまで徹底していた。その、自分で設置した監視カメラの存在を知っているものは誰一人といない。敷いて言えば、学園長に許可を取ったくらいだ。
「お前たち、一体裏で何をやっているんだ……!!」
ウィンとイッサの様子を、たまたま監視カメラで見ていたカイザは、怒りをにじませていった。
 『世界を闇で支配する』。ファルゴの言ったとおりだった。
──斬札ウィン。彼は、信用するべきではなかった、と。

作者メッセージ

勘違いしないでね、カイザも生徒だから。
さぁ! 謎のレコード……『禁呪のレコード編』はこっから熱くなっていきます!
コメント欲しいな……。

2025/06/05 10:37

紅月麻実 ID:≫ 64arcCWCK.3.6
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