二次創作
デュエル・マスターズWIN IF ウィンとイッサの闇
あれは、サバトに母さんの写真を破壊されたあとのこと。
母さんのことを思っている、というフリが、どうにも面倒くさくって。
ある日、誰もいない教室で、ほんの少しだけ素の自分を出していた。
夕暮れ時。
誰もいない教室で放った闇のマナ。その中心で、ウィンはマナを弄びながらカードを宙に浮かせていた。
ふと気配を感じて振り返ると、イッサが壁にもたれてこちらを見ている。
「……! 何しに来たんだ? イッサ」
ウィンは慌てて闇のマナを消滅させる。いつも通りの笑顔を浮かべる。しかし、イッサは気にもとめずに話しかけた。
「いや、ちょっと様子を見に。お前、最近ずいぶん楽しそうだからさ」
ウィンはその様子を見て、素の自分を出すことに決めた。口元を歪めて自虐的に嗤う。
「どうだろうな、どこにも素の自分を出せる場所がないんだ。心が狂いそうだよ。あるいは、すでに狂っちまってて、楽しくなってんのかも」
ウィンは、”いつも通り”の笑みを浮かべる。すぐに素の表情を見せる。どこか落ち込んだ、力無い笑顔。
「このとおりさ。何処かに、仮面を外せる場所が欲しいな……。イッサ、お前はどうなんだ?」
ウィンはそのまま、力無い笑顔でイッサに問いかける。イッサもまた、自虐的な笑みを浮かべた。
「ハハッ、仮面を外せる場所、か。そんな所があれば、俺ももう少し楽になれたかもな」
「イッサもなのか? なんか、同じ仲間がいるっていいな」
ウィンは、ほんとうの意味での”仲間”が増えたことを喜んでいた。
「……、なぁ、イッサ。お前もさ、闇の世界に来ないか? ”こっち”よりかは、遥かに愉しいぜ」
「へぇ……、俺を誘うのか? 俺はカイザと同じD4だ。裏切られるとか思わないのか?」
「……、だって、カイザのもとにいるより愉しそうだろ? お前だって、興味あるんじゃないか? “本当の自分”をさらけ出して、力を手に入れる感覚。俺が、いつもジャシンくんとやってるように」
イッサは口の端を上げ、ウィンの方へ歩み寄る。
「……相変わらず、ロックだな。俺も、そういうの嫌いじゃない」
ウィンは嬉しそうにイッサを迎えた。
「なら決まりだ。俺たちで、もっと面白い世界を作ろうぜ」
イッサはにやりと笑い、ウィンと視線を交わす。
その表情は、楽しげに嗤っていた。
母さんのことを思っている、というフリが、どうにも面倒くさくって。
ある日、誰もいない教室で、ほんの少しだけ素の自分を出していた。
夕暮れ時。
誰もいない教室で放った闇のマナ。その中心で、ウィンはマナを弄びながらカードを宙に浮かせていた。
ふと気配を感じて振り返ると、イッサが壁にもたれてこちらを見ている。
「……! 何しに来たんだ? イッサ」
ウィンは慌てて闇のマナを消滅させる。いつも通りの笑顔を浮かべる。しかし、イッサは気にもとめずに話しかけた。
「いや、ちょっと様子を見に。お前、最近ずいぶん楽しそうだからさ」
ウィンはその様子を見て、素の自分を出すことに決めた。口元を歪めて自虐的に嗤う。
「どうだろうな、どこにも素の自分を出せる場所がないんだ。心が狂いそうだよ。あるいは、すでに狂っちまってて、楽しくなってんのかも」
ウィンは、”いつも通り”の笑みを浮かべる。すぐに素の表情を見せる。どこか落ち込んだ、力無い笑顔。
「このとおりさ。何処かに、仮面を外せる場所が欲しいな……。イッサ、お前はどうなんだ?」
ウィンはそのまま、力無い笑顔でイッサに問いかける。イッサもまた、自虐的な笑みを浮かべた。
「ハハッ、仮面を外せる場所、か。そんな所があれば、俺ももう少し楽になれたかもな」
「イッサもなのか? なんか、同じ仲間がいるっていいな」
ウィンは、ほんとうの意味での”仲間”が増えたことを喜んでいた。
「……、なぁ、イッサ。お前もさ、闇の世界に来ないか? ”こっち”よりかは、遥かに愉しいぜ」
「へぇ……、俺を誘うのか? 俺はカイザと同じD4だ。裏切られるとか思わないのか?」
「……、だって、カイザのもとにいるより愉しそうだろ? お前だって、興味あるんじゃないか? “本当の自分”をさらけ出して、力を手に入れる感覚。俺が、いつもジャシンくんとやってるように」
イッサは口の端を上げ、ウィンの方へ歩み寄る。
「……相変わらず、ロックだな。俺も、そういうの嫌いじゃない」
ウィンは嬉しそうにイッサを迎えた。
「なら決まりだ。俺たちで、もっと面白い世界を作ろうぜ」
イッサはにやりと笑い、ウィンと視線を交わす。
その表情は、楽しげに嗤っていた。