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冴えない指揮者、独りの少女を助ける

#3


-家-

外に自転車を停め、ドアに手をかける。
いつも数分間ここで躊躇する。
家に帰りたくない、帰らなきゃいけないという
心の気持ちの掛け合いがようやく終わって中に入る。

けど何だか今日は違った。
なんでなのかドアに手を当て考える。


在如「、、、、、(何でだろ、何処かへ行かなきゃ)」

ずっと頭の中に今日の公園が思い浮かぶ。
行きたい、けど今行ったら帰った時に叩かれちゃう。

在如「、、、、けどッ!」


私は自転車が置いてあるところまで走り、
鍵を差し込みハンドルに手をかけた。
すると、

母「[大文字]何やってんの‼︎早く帰っていきなさいッ![/大文字]」

母の怒号が後ろから鳴り響く。
恐怖心が身体全体を一気に支配した。
私は操られているように足が勝手に家に入っていった。


-家の中-

母「アンタいつまで道草食ってんのよ、今何時よ!」
在如「すッ、すみませッ、すみ"ッ、ん"、はぁ"ッ」

上手く舌が回らなくて上手く喋れない。

母「ちゃんと言いえよッ!」

[太字]バチンッ[/太字]

在如「ッつぅ"」

思い切り頬にビンタをかまされた。
痛みが全身を伝う。
私は壊れたロボットのように謝罪を繰り返すだけ。

母「チッ、はぁ、、、お父さぁん?」

大きな声で二階へ叫ぶ。
するとギシギシと音を立てて2階から父が降りてきた。

父「またこのガキがなんかやったのか」
母「そぉなのぉ〜、お父さんからも!なんか言ってやって!」

父はめんどくさそうに私へ叫び、
私を父のアノ部屋に引き摺られ連れていかれた。

在如「すみ"ませッ許してくださッアレだけはッ!」
父「うっせぇなぁ"!黙れ!」

私は額を思い切り殴られ、意識を失った。




次起きた時には頭から血が流れている。
父にも母にも暴力を振るわれるなんて、
やっぱり苦しかった。
けど涙なんて一滴も出なかった。
いや出せやしなかった。

今日もまた制服に着替え、自転車に乗って学校へ行く。
行こうとしたが体は違う方向へ。
公園へと足は走っていった。




-公園-

公園には1人ベンチで眠っている裕さんが居た。
幸せそうに眠っていた。
顔が良いのだからもっといい仕事だってあるだろうに。

在如「、、、裕さん。」

ぺちぺちと顔を叩いたが起きなかった。
だから私は少し強めにぺちっと腕を叩いた。

すると裕さんははっと起きて私の方を見た。

裕さん「あ、おはよ。どーした?」
   「なんかあったか?」

優しい声でこっちに話しかけてくる。
なぜか涙がボロボロと溢れ出した。

裕さん「おぉい、、泣くなよ、、、、」
   「なんか俺が泣かしたみたいじゃん、、、。」

裕さんは優しく頭を撫でて慰めてくれた。
そして涙も収まってきた頃、ようやく一言言葉が出せた。

在如「助けて、、、裕ざんッ」

私がそう漏らした時、視界の端に親の車が入った。
私は探しているようだ。私は裕さんに助けを求めた。

裕さん「、、、ok!やれることはやるさ!」
  
裕さんはそう言い、
近くの大きなトラックに私を連れていって乗せた。
そしてひそっとした声で私に言った。

裕さん「静かにしてろよ?」
   「絶対逃してやっから」

そう言い裕さんはドアを閉めどこかへ行ったしまった。

作者メッセージ

コメントほしいなぁ

2025/06/02 18:03

ayum ID:≫ 6yTgHEMno8sog
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