文字サイズ変更

after heaven

#3

第3章

気づいたら知らない部屋にいた俺とテンは、知らない女に話しかけられていた。
「嗚呼、自己紹介がまだだったね。妾はルド。まぁ、『時計仕掛けの魔女』の方が分かりやすいかな?君らが緑翔にここで働けって言われた子らだよね。」
俺とテンは突然知らない女に話しかけられびっくりしていた。
「僕はテン、こっちのヘナチョコな奴が僕の主。よろしくね。ルドさん!!」
テンは愛嬌たっぷりにそう言った。こいつ、ナチュラルに俺の事ディスってきやがったぞ。
「……はい。こいつの言った通り、オッチョコチョイで行動神の塊なテンの主です。」
「オッチョコチョイとはなんだー!?やんのか?」
俺とテンが取っ組み合いの喧嘩をしかけたその時、ルドの声が響いた。
「ストップ」
その言葉を聞いた途端、俺とテンは石になったかのように体を動かせなくなった。
「嗚呼、失礼。つい何時もの癖で妾の固有魔法使っちまった。」
「もう、メッチャ驚いたんだからね!!」
本当コイツコミュ力だけは高いな。
「そんで、仕事についてなんだが……」
「どんな仕事?まぁどんな仕事でもこの僕と主なら不可能なんてないけどね!」
「時計守をしてもらうよ。最近は時計に入る不届き者も多くなったし、妾1人では守りきれないんだ。」
「りょーかい!!てかその時計ってどこ?」
「そこまでは妾が連れて行くよ。さぁ、コレに乗りな。」
そう言って魔女が持ってきた物は3人乗りのホウキの様なものだった。ホウキで言う履く部分に、ジェットエンジンのようなものが付いている。
「これは妾が開発したホウキだよ。」
「ルドさんすっごーい!早く早く、主も乗ろ?」
「お、おう……」
「それじゃあ飛ぶよ、しっかり掴まってて。」
「うわぁーっ!」
物凄いスピードで上昇し、俺達はあっという間に時計塔のドアの前に辿り着いた。
「じゃ、降りたい時はこの電話に向かって言ってね。」
「あと、侵入者撃退用の銃。あんまり使うことないと思うけどね。」
「ありがと!じゃあお仕事頑張りマース!」
「ふふふ、元気のいい堕天使だね。」
そう言ってルドは地上に戻ってしまった。
「時計守って言われたって、こんな高いとこ、誰も来ないでしょ。」
テンはつまらなさそうに欠伸をしながら言った。
その時、大きな音とともに、時計塔の窓ガラスを割ってドラゴンのようなロボットが入ってきた。
「ギギ……トケイトウ……コア……ウバウ!」
そう言ってロボットは、時計塔の中に入って来た。
「そうはさせるか!」
俺は咄嗟にそう叫び、銃を構えた。
「バンッ!」
と大きな音が鳴り響き、ロボットは動きを止めた。
「主、ナイス!」
すかさずテンは壁に掛けられた電話機に手を伸ばし、ルドに電話した。
「やっほ〜!こちらテン!さっき変なロボが来たから取り敢えず撃っといたよ!」
『嗚呼、それはごくろう。ロボを回収しに行くからそっちに行くよ。君らも降りてきて。』
「了解!じゃあ切るねっ」
そう言ってテンは通話を終えた。
「じゃ、主。掴まってて!」
テンは俺の手を引いて時計塔の外に出た。そして突然俺を羽交い締めにした。
「ちょっ……なにするんだよ!」
「誰かと飛ぶにはこうするしかないの!」
テンはそう言って時計塔から飛び降りた。
「ちょっ……うわぁ!」
俺は驚いて気絶しそうになったが、
「大丈夫だって……ほら!」
テンはそう言って翼を開き、魔女の家の前に着地した。
「おっ、自分達で降りてきたんだ。じゃあ妾はロボを回収しに行くから、家の中で寛いでて。」
「わかった!」
そう言って俺とテンは家の中に入った。
ハッキリ言って家の中は魔女らしくなかった。
どちらかというと研究者のラボに無理やり住んでます、みたいな感じ。
「寛いどけって、ソファーどこにもないよ?」
テンはそう言い、部屋を探し回っていた。
「あ!このドアだ!」
と言ってドアの向こうに行ってしまった。
「勝手に人の部屋入るなって教わってこなかったのか?まったく……」
そう言いながらも俺は部屋に入ったが、ドアを開けた向こうは想像以上に家だった。もちろん、ソファーもある。
「じゃあここで寛いでよーっと!」
そう言ってテンはソファーに飛び込んだ。
すると、暫くしてルドが帰ってきた。
「もうこんな時間だし、お昼にしよう。作るから、ちょっと待ってて」
「え!?やったー!」
少し経って、ルドがサンドイッチを運んできた。
「はい。食べてちょっと休憩したら、時計塔に戻ってね。」
「ありがとう!いただきまーす!」
と言ってテンは食べ始めた。俺も早く食べよう。



食事を終えた俺たちは、休憩がてら、ルドに質問してみる事にした。
「侵入者撃退用の銃って、どんなものなんですか?」
「んーとね、銃は何の変哲もないんだけど、弾丸に『撃たれたものの動きを止める』っていう妾の固有魔法の応用をしてるだけだよ。」
「ありがとうございます。じゃあ仕事に戻ります。」
「行ってらっしゃい。」
俺たちはテンの翼で時計塔に戻った。
時計塔に戻ったテンは、
「ねぇねぇ。こっちの部屋に行ってみようよー!」
と言って奥の部屋に入ってしまった。仕方ない。俺も部屋に入ろう。
部屋は埃をかぶった高い本棚と長い間誰にも使われていないであろう木の椅子があった。早速テンは数ある本の中から1冊手に取り、読み始めた。
『この世界には、もともと5人の造られた魔女がいた。最も優れていた魔女は、時計仕掛けの魔女。ルドというが、今は行方不明になっている。』
「これって、どういう事?」
テンが疑問に思った後すぐに、ルドが部屋に入ってきた。
「やっぱり、知ってしまったんだね。」

作者メッセージ

第4章も楽しみにしててください!
【今後の方針について】
ライト版での投稿が出来なくなると聞きましたが、投稿できなくなるまでは新作投稿を続けたいと思っています。
novel cakeでもアカウントをmegu狐名義で作りましたので、投稿できなくなったら新作はそっちに投稿します!短い間でしたが、小説を誰かに見せる夢を叶えさしてくれて本当にありがとうございました!

2025/06/01 11:27

megu狐 ID:≫ 6i7hirSuhZReE
続きを執筆
小説を編集

パスワードをおぼえている場合はご自分で小説を削除してください。(削除方法
自分で削除するのは面倒くさい、忍びない、自分の責任にしたくない、などの理由で削除を依頼するのは絶対におやめください。

→本当に小説のパスワードを忘れてしまった
▼小説の削除を依頼する

小説削除依頼フォーム

お名前 ※必須
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
削除の理由 ※必須

なぜこの小説の削除を依頼したいですか

ご自分で投稿した小説ですか? ※必須

この小説は、あなたが投稿した小説で間違いありませんか?

削除後に復旧はできません※必須

削除したあとに復旧はできません。クレームも受け付けません。

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL
/ 4

コメント
[0]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL