今、俺とテンはテンと顔見知りの情報屋を探して、大都市『グールデン』の地下鉄の駅に来ている。
「あっれー？この売店じゃなかったっけー？」
どうやらテンは方向感覚が悪いらしく、俺達は地下鉄の駅を彷徨っている。
「よーし！こっちだー！」
テンに引っ張られ歩いていると、小さな売店がそこにはあった。
『shop GReeeeN』という店があった。
「お客様、shop GReeeeNへようこそ。って、また貴方ですか。情報代のツケ、早くどうにかしてくださいよ。」
「あっはは。まぁ何時か返すからさ〜。」
「そうやって先延ばしにされるとこっちも困るンですよ。」
「うっ…」
テンは正論を言われて萎んでしまった。
「あ、あの…名前は？…」
俺は情報屋に名前を聞こうとしたが、情報屋はすぐに口を開いた。
「私の名前は緑翔。この街で情報屋としてかなり過ごしましたが、まだまだ私の知らない事ばかり、ですが政府機関の裏情報にはかなり詳しいつもりですよ。」
「またカッコつけちゃって〜。そんな態度してるからフリーの情報屋のままなんだよ。リョウ。」
「本名言わないでくださいよ。それに僕が本名を明かさないのは、政府に見つかっても生活に支障を来さないためですよ。」
「まぁまぁ。僕は誰にも言わないよ？」
「貴方にも信頼無いですよ。まぁ、茶番はここまでにして、本題に入りましょうか。どんな情報が欲しいんですか？」
「……政府機関の天使の研究施設はどこだ。」
「……政府機関の天使の研究施設は、アルテミア国際研究所の地下にあると見ています。行くとするなら覚悟はしてください。ここからアルテミアは大分遠いので。」
「分かったよ。まぁ僕の翼で主と僕を運べばすぐだからね。」
「強がりですか？なら残念。僕は今から良い情報を教えてあげようと思ったんですけど、貴方が強がるならしかたない。」
「えーっ！ずるい！教えて教えて！」
テンは悔しそうに腕を回しながら言った。
「情報を聞きたいなら1つ条件があります。その人の所で働いて、これまでのツケを返して下さい。」
「……分かったよ。で、そいつは誰なんだ？」
と俺は聞いた。
「……『時計仕掛けの魔女』を知っていますか？」
俺は情報屋の意外な言葉に戸惑った。
「『時計仕掛けの魔女』ってあの？」
「そうです。早く働いてツケを返してくださいね。」
「ちょちょちょちょっと待って！今から行くの？」
テンは驚きながら聞いていた。
「はい、今からです。僕は瞬間移動魔法が使えるので。行ってらっしゃい。」
「そんなのあるー!?」
そう言いながら俺とテンの視界は白くなり、気付いたら部屋の中にいた。
「君らが堕天使と人間のタッグかい？」