「なんで貴方か、、って？」
ドアを開け
腕を引っ張られソファに座らせられる

ソファの前に立って
「高校の時、数回ほど同じ班になりましたよね」
「あの時の貴方、誰にも興味なさそうでそれだけでわたくしのタイプで」
「まぁそれもあるんですけど」
「この前の会合で出会って思ったんですよ」

[大文字]「あぁ、やっぱりこの人がワタクシの運命の人だな」[/大文字]

「って！」

この男は狂っている
自分だけにスポットライトがあたり
なにかのお話を読んでいるかのように喋る
ステージに乗ったバレリーナのようになんの異議も批判も許さぬように
こちらを見つめて笑っている

『っ、、違う、俺じゃない、俺なわけあるか！』
「貴方なんです、ずっと、ずっとずっと高校の時から探してた」
狂った執着はどこから来るのか、
『人違いじゃないのか、高校のときの話も』
「貴方ですよ、だって名刺入れの外側、
わたくしが誕生日プレゼントで渡したやつですもんね」
あれは、ふざけて言っただけで、ほんとうにもらえると思ってなくて
捨てられなくて、、、

「そんなバレバレな嘘ついちゃう●●さん♡かわいい♡」
砂糖と蜂蜜をぐらぐらを煮詰めたような、、そのへんより甘ったるい空気
『ｯ、俺にはもう運命の人がいるんだｯｯ！！！』
「、、え、」
嘘付けばどうにかなりそう、そんな安直な考えを実行したことを後悔した
「2年前から付き合っている人だ」
言った瞬間

[大文字]ドンッ[/大文字]

手首を捕まれソファに押し倒された
『は、なに、』
「嘘、、、ですよね？」
ひどく顔が歪んでいる
「やばい、嘘って言ってくれなきゃわたくし」
[大文字]「貴方を殺しちゃうかも」[/大文字]
手首にあった手がいつの間にか首に移動し手に力が入れられる
『ｯ、』
「ねぇ、嘘ですよね、？」
「貴方には運命の人なんていないんですよね！？」
「ねぇ！！！！」

『、うそ、』

ッパ

手が離れて、勢いよく抱きつかれる
『ｺﾞﾎｯｯ、、んｯ、』
「ですよね、良かった、、良かった」
骨が音をぎりぎりと立てるほどに強い抱きつき
「、次、こんなくだらない嘘をついたらこうしますから」
いや怖いって