二次創作
死ねばいいのに
俺のすべてを奪ってった
彼女との出会いは
誘拐事件の任務でのこと。
いつのかも分からない
俺が映ったニュースが
部屋の中に充満して。
救助対象の女性の隣
寝ているだけに見えていた
男性は刺し殺されていた。
思わずデバイスを落とし
その音に振り向いた彼女は
涙を流して目を赤くした。
『...あなたを悪く言ったから』
独り言を呟く程度。
どうでもいいと言わんばかりに
死体をぐ、と押す。
小さなテレビに映る俺は
たしか1年くらい前のもので、
罵詈雑言を浴びていた。
”ヒーローなんて名前ばっかだ”
”いざ死にそうになったら人助けなんて言えない”
”自分に酔ってる偽善者め”
任務を終えて
何回も死んだあとの俺。
人々のために命を賭した
ヒーローに対してとは思えない声が
ひどく記憶を支配する。
「...あ」
よく、覚えている。
悲しそうにするマナくんが
見たくなくて叫んだ記憶を。
”「どんなんでも絶対助けてやるから
助けられたときは泣いて謝れよ!
ひどいこと言ってごめんなさいって!」”
”「ちょ、テツええんやって!」”
液晶の中の俺は
誰から見てもたしかに
ヒーローだった。
暴走する俺をマナくんが
止めに入って映像は切れる。
また冒頭部分に戻っていく。
何でもない機能なのに
妙に引き込まれた。
リセットリピートを繰り返す様は
俺の戦闘スタイルに酷似している。
死んで、生き返って、死んで。
息が詰まるのを感じて
サッと目を逸らした。
『ずっと待ってた』
『助けてくれてありがとう』
『ヒーロー』
ヒーローの存在が飽和して
感謝もされなくなってきた
当たり前の日常。
そんな俺の世界に
儚くて綺麗なありがとうが
落とされた。
彼女との出会いは
誘拐事件の任務でのこと。
いつのかも分からない
俺が映ったニュースが
部屋の中に充満して。
救助対象の女性の隣
寝ているだけに見えていた
男性は刺し殺されていた。
思わずデバイスを落とし
その音に振り向いた彼女は
涙を流して目を赤くした。
『...あなたを悪く言ったから』
独り言を呟く程度。
どうでもいいと言わんばかりに
死体をぐ、と押す。
小さなテレビに映る俺は
たしか1年くらい前のもので、
罵詈雑言を浴びていた。
”ヒーローなんて名前ばっかだ”
”いざ死にそうになったら人助けなんて言えない”
”自分に酔ってる偽善者め”
任務を終えて
何回も死んだあとの俺。
人々のために命を賭した
ヒーローに対してとは思えない声が
ひどく記憶を支配する。
「...あ」
よく、覚えている。
悲しそうにするマナくんが
見たくなくて叫んだ記憶を。
”「どんなんでも絶対助けてやるから
助けられたときは泣いて謝れよ!
ひどいこと言ってごめんなさいって!」”
”「ちょ、テツええんやって!」”
液晶の中の俺は
誰から見てもたしかに
ヒーローだった。
暴走する俺をマナくんが
止めに入って映像は切れる。
また冒頭部分に戻っていく。
何でもない機能なのに
妙に引き込まれた。
リセットリピートを繰り返す様は
俺の戦闘スタイルに酷似している。
死んで、生き返って、死んで。
息が詰まるのを感じて
サッと目を逸らした。
『ずっと待ってた』
『助けてくれてありがとう』
『ヒーロー』
ヒーローの存在が飽和して
感謝もされなくなってきた
当たり前の日常。
そんな俺の世界に
儚くて綺麗なありがとうが
落とされた。