歓楽街の英雄達
夏鈴「なんで鈴がここに居るの…!?」
私は信じられずにいた。
“鈴”――、それは私の“妹”であり、“師”だった。
楽しかった日々を置いて、鈴は家を出た。
探したけど見つからなかった、そんな妹が今、目の前にいる
夏鈴「どこ行ってたの、鈴…!」
私は鈴をまっすぐ見つめる。
鈴はこちらを見ようともせず、殴りかかってくる。
夏鈴「質問に答えて、鈴!」
私は攻撃を躱しながら言う。
夏鈴「ずっと心配だったんだよ、鈴!どこに行ってたの、鈴!!」
そんな私を呆れたような目で見つめてくる鈴には、目に見たこともない敵意が湧いていた。
夏鈴「鈴、どうし、」
鈴「私は極楽名峰に入りたかった。けど、私には向いてない。だからここに入った。」
夏鈴「……えっ……?」
極楽名峰に入りたかった?
ならなんでやっていることが真逆の地獄明王に入って――
鈴「お姉ちゃん、お姉ちゃんはここに入って正解だったよ。」
夏鈴「何言って―、」
[水平線]
優里「お前…っ!」
??「そんなにムキにならないでよぉ、怖いなぁ。」
僕は拳に力をぐっと込める。
そして、蹴ると見せかけて殴る。
??「おー、強くなったねぇ。」
優里「うっせぇ黙れ――っ!」
[水平線]
和香「あかんな…」
うちは周りを見渡し、はぁっと息をつく。
応援に行きたいのやけど、目の前の敵で手一杯。
どうすればいい…
幹部も神楽木の相手をしている。
駄目や、このままだと負けてまう――!
[水平線]
遥斗「陽介…っ、護り人は…極悪人は…」
陽介「極悪人は片付けて来たけど、護り人の治療とか処置は出来へんかった…クソッ…!」
悔しい表情で殴っている陽介の顔は、どこからか殺意を感じる。
……でも、その気持は痛いほど分かる。
俺だって同じ気持ちだ。
味方を守れなかったことに、自分自身に怒りや悔しさが湧いている。
だからこそ、負けることなんて出来ない――。
[水平線]
鬼灯「神楽木。なんで街の人にこんなことをした」
神楽木「そんなことはどうでもいいでしょ?それよりさ、鬼灯。俺も幹部って呼ばれたいなぁ!どうしたら呼ばれるんだろ?」
鬼灯「お前のやっていることを見直せば呼ばれるようになるだろうな。」
神楽木「は?どういうこと?」
鬼灯「そういうことだよ、神楽木―――!」
??「何してんのぉ?神楽木ぃ。」
神楽木「っ…はっ…はっ……」
??「大丈夫、前みたいに殴らないよぉ。うん、殴らないからぁ…」
ガンッ!
神楽木「うッ…ううっ……あ゙ぁ゙…」
遥斗「…誰だ?極悪人たちが手を止めたぞ……?しかもあいつが蹴られてる?」
陽介「[小文字]目ぇ合わせんとき。あいつは神楽木よりも遥かに強いで…俺も初めて見たわ……[/小文字]」
遥斗「……なんなんだよあいつ…」
??「鬼灯ー、ごめんねぇ。いつもこの邪魔者が変なことやっちゃってぇ…」
??「あ、そうそう。名乗ってなかったねぇ…俺は―」
[中央寄せ][太字]混迷楽、だよ。[/太字][/中央寄せ]
優里「混迷楽…!地獄明王、真のトップ……」
和香「どういうことやねん…これ…」
楽「あっ、大丈夫。もう引き上げるからさ。じゃねー。」
極悪人が去り、自分の部屋に戻り自由時間を過ごしている頃、遥斗はベッドの上で静かに呟いた。
遥斗「……混迷楽。俺の、[太字]兄。[/太字]偽名を使って……」
遥斗「兄ちゃん、なんであんな風に、なんでこんなところで――」
私は信じられずにいた。
“鈴”――、それは私の“妹”であり、“師”だった。
楽しかった日々を置いて、鈴は家を出た。
探したけど見つからなかった、そんな妹が今、目の前にいる
夏鈴「どこ行ってたの、鈴…!」
私は鈴をまっすぐ見つめる。
鈴はこちらを見ようともせず、殴りかかってくる。
夏鈴「質問に答えて、鈴!」
私は攻撃を躱しながら言う。
夏鈴「ずっと心配だったんだよ、鈴!どこに行ってたの、鈴!!」
そんな私を呆れたような目で見つめてくる鈴には、目に見たこともない敵意が湧いていた。
夏鈴「鈴、どうし、」
鈴「私は極楽名峰に入りたかった。けど、私には向いてない。だからここに入った。」
夏鈴「……えっ……?」
極楽名峰に入りたかった?
ならなんでやっていることが真逆の地獄明王に入って――
鈴「お姉ちゃん、お姉ちゃんはここに入って正解だったよ。」
夏鈴「何言って―、」
[水平線]
優里「お前…っ!」
??「そんなにムキにならないでよぉ、怖いなぁ。」
僕は拳に力をぐっと込める。
そして、蹴ると見せかけて殴る。
??「おー、強くなったねぇ。」
優里「うっせぇ黙れ――っ!」
[水平線]
和香「あかんな…」
うちは周りを見渡し、はぁっと息をつく。
応援に行きたいのやけど、目の前の敵で手一杯。
どうすればいい…
幹部も神楽木の相手をしている。
駄目や、このままだと負けてまう――!
[水平線]
遥斗「陽介…っ、護り人は…極悪人は…」
陽介「極悪人は片付けて来たけど、護り人の治療とか処置は出来へんかった…クソッ…!」
悔しい表情で殴っている陽介の顔は、どこからか殺意を感じる。
……でも、その気持は痛いほど分かる。
俺だって同じ気持ちだ。
味方を守れなかったことに、自分自身に怒りや悔しさが湧いている。
だからこそ、負けることなんて出来ない――。
[水平線]
鬼灯「神楽木。なんで街の人にこんなことをした」
神楽木「そんなことはどうでもいいでしょ?それよりさ、鬼灯。俺も幹部って呼ばれたいなぁ!どうしたら呼ばれるんだろ?」
鬼灯「お前のやっていることを見直せば呼ばれるようになるだろうな。」
神楽木「は?どういうこと?」
鬼灯「そういうことだよ、神楽木―――!」
??「何してんのぉ?神楽木ぃ。」
神楽木「っ…はっ…はっ……」
??「大丈夫、前みたいに殴らないよぉ。うん、殴らないからぁ…」
ガンッ!
神楽木「うッ…ううっ……あ゙ぁ゙…」
遥斗「…誰だ?極悪人たちが手を止めたぞ……?しかもあいつが蹴られてる?」
陽介「[小文字]目ぇ合わせんとき。あいつは神楽木よりも遥かに強いで…俺も初めて見たわ……[/小文字]」
遥斗「……なんなんだよあいつ…」
??「鬼灯ー、ごめんねぇ。いつもこの邪魔者が変なことやっちゃってぇ…」
??「あ、そうそう。名乗ってなかったねぇ…俺は―」
[中央寄せ][太字]混迷楽、だよ。[/太字][/中央寄せ]
優里「混迷楽…!地獄明王、真のトップ……」
和香「どういうことやねん…これ…」
楽「あっ、大丈夫。もう引き上げるからさ。じゃねー。」
極悪人が去り、自分の部屋に戻り自由時間を過ごしている頃、遥斗はベッドの上で静かに呟いた。
遥斗「……混迷楽。俺の、[太字]兄。[/太字]偽名を使って……」
遥斗「兄ちゃん、なんであんな風に、なんでこんなところで――」