「それじゃ、今から会議をはじめるぞ！…あれ、ペンがない…」
ペンを探しているつり目のJKは、リボンに「R」のバッジを付けている。そう、この女こそ、主人公の「[漢字]水野　莉子[/漢字][ふりがな]みずの　りこ[/ふりがな]」である。高校2年生で、とても天然であるため、あだ名は「天然水」…もうみんな知ってるよね。
そして、ペンを探している莉子を黙って見つめているこの男が、今回の物語で男版ヒロイン的な立ち位置の「[漢字]深作　颯[/漢字][ふりがな]ふかさく　はやて[/ふりがな]」である。莉子と同じ高校2年生で、莉子と同じクラス。莉子の相方的存在で、莉子のツッコミ役としてみんなには知られている…って、莉子莉子莉子莉子言いすぎだろ！◯すぞ！って思いましたか？思いましたよね？そう、颯は莉子への愛が重たすぎて、自分の説明にも莉子が出てくるのです…
「莉子、ペン持ってるよ」
「え、あ、ほんとだ！ありがと颯！…私、何しようとしてたんだっけ…」
4、5秒沈黙が続いた後、颯が口を開けた。
「あのさぁ莉子…」
そう言うと、颯はソファから立ち上がり、周りを見た。よくある茶色の四角い机とソファが2個。そして、どこから持ってきたかわからないホワイトボード。壁には誰かの肖像画が飾ってある。そう、ここは校長室…ではなく生徒指導室。颯は部屋全体を見回してからこう言った。
「部活見学の人は？」