二次創作
裏切り者なんて、いるわけない
—トントンside—
目の前で[漢字]仲間[/漢字][ふりがな]ショッピ[/ふりがな]が自殺したことがかなりショックだったのか、俺が駆け付けたころには、チーノは受け答えもままならなかった。
(…一旦、全員を集めるか)
「悪い、チーノ。ここで待っといてくれへんか?」
「…」
「…ちょっとみんなを呼んでくるわ」
俺はチーノに背を向け、全員を呼びに走り出した。グルッペン、エーミール、ウツ、ゾム、シャオロン、そしてロボロ。みんなそろったことを確認すると、ショッピの部屋へと急いで戻る。
「チーノ、待たせた…な…」
[中央寄せ]―[太字]橙色の輝きは[/太字]―[/中央寄せ]
「…チーノ、おい…[大文字]しっかりしろ!![/大文字]」
[中央寄せ]―[太字]赤に塗れた地に落ちて[/太字]―[/中央寄せ]
「駄目や、脈がない…」
俺は呆然として呟いた。そんなに、ショックやったんか…?
チーノの腹には、ショッピが護身用に隠し持っていたナイフが刺さっている。おそらく、自殺だろう。まだ温かい体が、血の水たまりに沈んでいる。
「なんで…なんでこうなったんや…」
大先生が顔を真っ青にして震えている。その横でシャオロンは、怒りをぶつけるように吐き捨てた。
「なんで、自殺しちまうんだよ…!」
いったん俺たちは、コネシマが殺された部屋…大広間に集まることにした。正直仲間の死体を見たくなかったが、これ以上死者が増えることのほうが嫌だった。
「それじゃ…開けるで」
意を決して扉を開ける。そこにはコネシマの死体が…
「…?!コネシマが、いない…」
「いや、こっちや!!」
ゾムが、俺たちの視線とは反対のほうを指さす。そこには…
「…よぉ」
「「コネシマ?!/さん?!」」
そこには、壁に寄りかかり荒い息遣いをしながらも、確かに生きているコネシマがいた。
「…おい、ショッピとチーノは?」
コネシマの無事を喜ぶ間も与えず、何も知らないコネシマは俺たちに触れてほしくないことを聞いてくる。
「…二人とも、自殺…」
「[大文字]アホか?!さっさと手当せんかい!![/大文字]」
「…は?」
「まだ心肺停止しとるだけかもしれんやろ![大文字]助けられる可能性があるのに見捨てる気か!![/大文字]」
——その言葉に。
俺たちの心臓は大きく動いた。
(…確かに、そうや。心臓マッサージとかそんな感じをのすれば、息を吹き返すんやないか?)
そう思った瞬間には、俺たちは走り出していた。頼む。まだ死なんといてくれ…!
「おいお前ら、早く手伝ってくれだぜ!!」
さすがというべきか、ゾムが一番乗りで部屋に入り、心臓マッサージをしていた。
「俺、水くんでくるわ。ショッピの毒が薄まるかもしれへん!」
ロボロがそう言って駆け出す。俺はゾムの手伝いをすることにした。エーミールはチーノのほうへまわる。
「とりあえずチーノくんの腹部を抑えないと…」
「私の上着を使え」
そう言ってグルッペンは上着をエーミールに渡す。エーミールは応急処置を開始した。シャオロンも黙って手伝う。
「…なんかロボロ遅くね?」
ウツはちょっと様子を見てくる、と言って部屋を出ていった。
(頼む、息をしてくれ…!)
オレが心臓マッサージをする手に力を込めた、その時。
「[小文字][小文字][小文字]…ロ、大…夫か?![/小文字][/小文字][/小文字]」
遠くから、ウツの慌てた声がかすかに聞こえてくる。まさか…嫌な予感が胸をよぎる。
「大変や!ロボロが、ロボロが…!!」
何があったのか、びしょぬれになったロボロを連れてウツが戻ってきた。
「いや…俺は大丈夫やから…」
肩で息をしながらロボロはなんとか立っている。
「そや、水…水をくまんと…」
「その体じゃ無理やって!」
「でも、このままじゃショッピが…!!」
「水ならここにあるで」
入口から聞こえた声に振り向くと、そこにはペットボトルを手にしたコネシマが立っていた。
「大広間にあったんや。ほらっ」
ゾムが器用に受け取り、ショッピに水を流し込む。…というか、ペットボトルを突っ込む。
「おら、早く起きろや!!」
短くて長い沈黙。…何も、起こらなかった。
(やっぱ、駄目なんか…?)
「[小文字]…ッ、ゲホッ[/小文字]」
「「!!」」
思わず息をのむ。続いて、抑えきれない喜びがこみあげてきた。ショッピが、ショッピが…!息をしとるんや!!
「みなさん、チーノくんが…!」
エーミールの声に振り返ると、チーノの胸部がわずかに上下しているのが見えた。
「っ、良かった…」
消えかけていた光が、再び輝きだす。俺にはそれがはっきりと見えた。
目の前で[漢字]仲間[/漢字][ふりがな]ショッピ[/ふりがな]が自殺したことがかなりショックだったのか、俺が駆け付けたころには、チーノは受け答えもままならなかった。
(…一旦、全員を集めるか)
「悪い、チーノ。ここで待っといてくれへんか?」
「…」
「…ちょっとみんなを呼んでくるわ」
俺はチーノに背を向け、全員を呼びに走り出した。グルッペン、エーミール、ウツ、ゾム、シャオロン、そしてロボロ。みんなそろったことを確認すると、ショッピの部屋へと急いで戻る。
「チーノ、待たせた…な…」
[中央寄せ]―[太字]橙色の輝きは[/太字]―[/中央寄せ]
「…チーノ、おい…[大文字]しっかりしろ!![/大文字]」
[中央寄せ]―[太字]赤に塗れた地に落ちて[/太字]―[/中央寄せ]
「駄目や、脈がない…」
俺は呆然として呟いた。そんなに、ショックやったんか…?
チーノの腹には、ショッピが護身用に隠し持っていたナイフが刺さっている。おそらく、自殺だろう。まだ温かい体が、血の水たまりに沈んでいる。
「なんで…なんでこうなったんや…」
大先生が顔を真っ青にして震えている。その横でシャオロンは、怒りをぶつけるように吐き捨てた。
「なんで、自殺しちまうんだよ…!」
いったん俺たちは、コネシマが殺された部屋…大広間に集まることにした。正直仲間の死体を見たくなかったが、これ以上死者が増えることのほうが嫌だった。
「それじゃ…開けるで」
意を決して扉を開ける。そこにはコネシマの死体が…
「…?!コネシマが、いない…」
「いや、こっちや!!」
ゾムが、俺たちの視線とは反対のほうを指さす。そこには…
「…よぉ」
「「コネシマ?!/さん?!」」
そこには、壁に寄りかかり荒い息遣いをしながらも、確かに生きているコネシマがいた。
「…おい、ショッピとチーノは?」
コネシマの無事を喜ぶ間も与えず、何も知らないコネシマは俺たちに触れてほしくないことを聞いてくる。
「…二人とも、自殺…」
「[大文字]アホか?!さっさと手当せんかい!![/大文字]」
「…は?」
「まだ心肺停止しとるだけかもしれんやろ![大文字]助けられる可能性があるのに見捨てる気か!![/大文字]」
——その言葉に。
俺たちの心臓は大きく動いた。
(…確かに、そうや。心臓マッサージとかそんな感じをのすれば、息を吹き返すんやないか?)
そう思った瞬間には、俺たちは走り出していた。頼む。まだ死なんといてくれ…!
「おいお前ら、早く手伝ってくれだぜ!!」
さすがというべきか、ゾムが一番乗りで部屋に入り、心臓マッサージをしていた。
「俺、水くんでくるわ。ショッピの毒が薄まるかもしれへん!」
ロボロがそう言って駆け出す。俺はゾムの手伝いをすることにした。エーミールはチーノのほうへまわる。
「とりあえずチーノくんの腹部を抑えないと…」
「私の上着を使え」
そう言ってグルッペンは上着をエーミールに渡す。エーミールは応急処置を開始した。シャオロンも黙って手伝う。
「…なんかロボロ遅くね?」
ウツはちょっと様子を見てくる、と言って部屋を出ていった。
(頼む、息をしてくれ…!)
オレが心臓マッサージをする手に力を込めた、その時。
「[小文字][小文字][小文字]…ロ、大…夫か?![/小文字][/小文字][/小文字]」
遠くから、ウツの慌てた声がかすかに聞こえてくる。まさか…嫌な予感が胸をよぎる。
「大変や!ロボロが、ロボロが…!!」
何があったのか、びしょぬれになったロボロを連れてウツが戻ってきた。
「いや…俺は大丈夫やから…」
肩で息をしながらロボロはなんとか立っている。
「そや、水…水をくまんと…」
「その体じゃ無理やって!」
「でも、このままじゃショッピが…!!」
「水ならここにあるで」
入口から聞こえた声に振り向くと、そこにはペットボトルを手にしたコネシマが立っていた。
「大広間にあったんや。ほらっ」
ゾムが器用に受け取り、ショッピに水を流し込む。…というか、ペットボトルを突っ込む。
「おら、早く起きろや!!」
短くて長い沈黙。…何も、起こらなかった。
(やっぱ、駄目なんか…?)
「[小文字]…ッ、ゲホッ[/小文字]」
「「!!」」
思わず息をのむ。続いて、抑えきれない喜びがこみあげてきた。ショッピが、ショッピが…!息をしとるんや!!
「みなさん、チーノくんが…!」
エーミールの声に振り返ると、チーノの胸部がわずかに上下しているのが見えた。
「っ、良かった…」
消えかけていた光が、再び輝きだす。俺にはそれがはっきりと見えた。