灰色の剣[ツルギ]に宿るもの
__時は8年前に遡る。
まだ終が7才だったころの話__
幼い子供たちが集められる「適性測定の日」
剣の才能があるかを見極める、いわば"未来の格付け"が行われる日だった。
すると、3人の子供が向こうから歩いて来た。
「終、お前また測定結果ゼロだったってな!」
「絶対能力なしの剣じゃん!無剣授かるとか、存在価値あんの?」
「無剣は優しすぎるって!終なんて、無剣どころか木の枝でも似合わないだろ!」
終は小さく唇を噛んだ。
言い返したい。叫びたい。だけど、いざ言うとなると喉がつまる。
その時__
「やめなよ。」
はっきりとした声が空気を切り裂いた。
草薙 緑が、3人の間に割って入る。
「測定結果だけで、笑う権利はあなたたちにはない。
剣だけで人間の価値が決まると思ってるなら__
あなたたちの方こそ、空っぽだよ。」
3人は緑を睨んで、口を開こうとした。が、緑の目がそれを黙らせた。
「私が見て来た中で、一番優しくて折れないのは終だよ。この子が剣を持った時、
あなたたちは終に絶対に勝てない。」
しん、と空気が冷えたようだった。
3人は悔しそうな顔をしながら何も言わずに去っていった。
残された終は呟く。
「私には、本当に剣が来るのかな。」
「絶対に来る」
緑は迷いなく言った。
「終の剣はきっと、誰よりも輝く」
終は緑に言う
「ありがとう…あの、よかったら、友達に、なってくれる?」
緑は照れるのを隠すように
「いいよ」
とそっけなく返した__
そんなことを思い出しながら、少女はもう一度灰色の剣を見つめた。
まだ終が7才だったころの話__
幼い子供たちが集められる「適性測定の日」
剣の才能があるかを見極める、いわば"未来の格付け"が行われる日だった。
すると、3人の子供が向こうから歩いて来た。
「終、お前また測定結果ゼロだったってな!」
「絶対能力なしの剣じゃん!無剣授かるとか、存在価値あんの?」
「無剣は優しすぎるって!終なんて、無剣どころか木の枝でも似合わないだろ!」
終は小さく唇を噛んだ。
言い返したい。叫びたい。だけど、いざ言うとなると喉がつまる。
その時__
「やめなよ。」
はっきりとした声が空気を切り裂いた。
草薙 緑が、3人の間に割って入る。
「測定結果だけで、笑う権利はあなたたちにはない。
剣だけで人間の価値が決まると思ってるなら__
あなたたちの方こそ、空っぽだよ。」
3人は緑を睨んで、口を開こうとした。が、緑の目がそれを黙らせた。
「私が見て来た中で、一番優しくて折れないのは終だよ。この子が剣を持った時、
あなたたちは終に絶対に勝てない。」
しん、と空気が冷えたようだった。
3人は悔しそうな顔をしながら何も言わずに去っていった。
残された終は呟く。
「私には、本当に剣が来るのかな。」
「絶対に来る」
緑は迷いなく言った。
「終の剣はきっと、誰よりも輝く」
終は緑に言う
「ありがとう…あの、よかったら、友達に、なってくれる?」
緑は照れるのを隠すように
「いいよ」
とそっけなく返した__
そんなことを思い出しながら、少女はもう一度灰色の剣を見つめた。