二次創作
或る日の太宰
織田作:『ーーーーー太宰。』
太宰:「‼︎」
この幽霊、喋れるタイプなのか…
太宰:「……久しいね、織田作…」
微笑みながら呼び掛ける。
太宰:「ーーーーーもう、あれから4年かぁ…昨日のことの様に覚えているよ」
織田作:『あぁ、そうだな。もうそんなに経つのか……しかし、退屈では無かったな』
本当に久しぶりに、あのバーで呑んでいた時のように会話が弾む。
太宰:「何故だい?」
織田作:『[太字]お前がよく俺の墓の前で話してくれていたから[/太字]、かな』
太宰:「聞こえていたんだ…うれしいなぁ…」
織田作:『あぁ、そうそう、ずっと気になっていたんだがあの話の真相って何だったんだ?』
太宰:「ん?どの話だろうか?」
そこから私たちは溜まっていたものを吐き出すように話していた。
太宰:「あぁ、こんなに話したのは[漢字]何時[/漢字][ふりがな]いつ[/ふりがな]以来だろう」
織田作:『…安吾も居ればよかったな』
太宰:「うーむ、…今から呼ぶ?」
織田作:『流石に迷惑だろう』
[小文字]霊導師:「あの…」[/小文字]
太宰:「大丈夫でしょ」
[太字]霊導師:「あの!」[/太字]
織田作:『あぁ、すまない。』
太宰:「せぇ〜っかく織田作と話せているのだから放っておいてくれないかなぁ?」
霊導師:「…云ってませんでしたが、私の異能は霊を導くためのものであって話すためのものでは無いですからね?」
太宰:「うん、それがどうしたのだい?」
霊導師:「だから、幽霊さんがご満足いただけたらそこで終わりなんですよ!」
太宰:「……まぁ、おおよそ予想はしていたのだけどね」
霊導師:(判っていらっしゃったんだ…)
織田作にあたたかい光が集まってくる。
それがこの時間に終わりを告げる。
織田作:『太宰、今回は話せて嬉しかった』
太宰:「あぁ、私もだよ」
何故か視界が少し、ほんの少しだけ滲む。
太宰:「また、話せてよかった。」
織田作:『そうだな。…太宰、まだこっちにはくるなよ』
太宰:「ふふ、それは判らないなぁ…」
織田作:『あぁ、待ってはいるよーーーーーーーーーー
その瞬間、満足したような微笑みを抱えながら織田作は光に包まれて、空へと溶けていった。
太宰:「また、墓参りに行くからね」
そう云いながら私はしばらく空を眺めていた。