何時からだろうか。
抜け出せない、このモンスターとトラップの巣窟で彷徨っている。
暗い霧とじめじめした空気が鬱陶しい。
わかっていたのに。力も経験も何もかも足りないと、そうわかっていたのに。
復讐なんて言うひと時の甘い蜜につられてしまって。
「ッウぁ」
痛い。痛いいたいいたいいたいいたい
誰かたす、けてよ。
お父さん、お母さん...
私、二人のこと大好きだった。ずっとずっと一緒に居たかったのに。
幸せな記憶をいっそのこと忘れてしまいたいのに、忘れられない。
忘れさせてくれない。
あの暗い夜のこと、今でも昨日のことのように思い出せる。
お父さんとお母さんと喧嘩した後だった。
嫌になって、外に出た。そしたら、お父さんとお母さんが追いかけてきて...
その瞬間、黒い影が襲ってきた。
お父さんとお母さんが...
わかっている。復讐なんて無駄なことだって。何も生まないって。
でも、そんな綺麗事で納得できるほど私は薄情な人間じゃない！
だから、あの日の夜について調べた。
あの黒い霧は村で受け継がれる一人の”鍵”となる人間が扱えるものであり、
今代の”鍵”は行方不明であること、
”鍵”は魔法が使えること、
私がいる”迷宮”にその”鍵”についてあること。
なのに私はこんなところで,,,,,
嫌だ。こんなことで諦めるもんか！
私はお父さんとお母さんの娘だ！負けない...絶対に！