傀儡の挽歌
意外と釣れるもんだね。
こうやって快感を覚えるのも悪くない。
―――硝子に映る自分の姿が醜いや。
何人も殺した人が今、生きている。
面白いよね。世の中はこれを許してくれる。
生きづらいのに生きやすい。
苦しいのに幸せ。
これは多分、人を殺しているからだろうな。
エルラ「たまには外にでも出るかぁ…」
この時、だったかな。
久しぶりに会うとは思ってなかったよ。忘れてたし。
?「セオ、好きなように」
セオ「りょーかい。んじゃ行ってくるよ」
標的は私だったらしい。
そりゃ、そうだよね。
忘れてたから確認してなかっただけで私のこと見てるだろうし。
エルラ「久しぶりだね、セオくん。」
セオ「…久しぶり。エルラちゃん」
セオ「あの後大変だったよ。色々取り調べさせられてさ。」
エルラ「そう。ごめんね」
セオ「だからこそ、私が殺さなければいけない」
ビュッ……
エルラ「ごめんだけど、私逃げるね。」
セオ「は?」
エルラ「もう大丈夫だから。」
逃げたんだよ。他の獲物を探す為に。
――だって、そうしなきゃ私の心は満たされない。
勝てない相手に挑むほど馬鹿じゃない。
どうせ勝てて殺したとしても満たされないから。
腐りきった心に大切な『もの』ってなんだろ。
愛?
実験台?
力?
幸せ?
償い?
生命?
なんて、わかんねー。
『もう毎日が地獄です』とか、
『死にたくて仕方ありません』とか。
散々聞いてきたけどさ。
私、そういう人を殺しても満たされなかった。
毎日が充実してて、死にたくない人を殺したほうが満たされるってことだよね。
手を伸ばしても取れないんだ。
死にたくないから嫌なんだ。
何が何だかわかんないんだ。
生きる意味が無いんだ。
早く殺したいんだ。
満たされないんだ。ずっと。
枯れ果て腐敗した感情を戻すかのように。
一筋の光が指したんだよ。
『都内で未確認生物と見られる物が発見されました。もし危険だと思いましたら、自分の[漢字]能力[/漢字][ふりがな]スキル[/ふりがな]で対処してください』
殺して、いいのかな?
エルラ「ふふっ……はははははっ!」
人を殺しても心が満たされなくなった。
だから心底嬉しかった。
エルラ「お母さん、ありがとう」
小学校の件から会っていなかった母に、感謝を告げ。
[中央寄せ][太字][大文字]傀儡の[漢字]挽歌[/漢字][ふりがな]エレジー[/ふりがな][/大文字][/太字][/中央寄せ]
笑みを浮かべ、唱えた。
こうやって快感を覚えるのも悪くない。
―――硝子に映る自分の姿が醜いや。
何人も殺した人が今、生きている。
面白いよね。世の中はこれを許してくれる。
生きづらいのに生きやすい。
苦しいのに幸せ。
これは多分、人を殺しているからだろうな。
エルラ「たまには外にでも出るかぁ…」
この時、だったかな。
久しぶりに会うとは思ってなかったよ。忘れてたし。
?「セオ、好きなように」
セオ「りょーかい。んじゃ行ってくるよ」
標的は私だったらしい。
そりゃ、そうだよね。
忘れてたから確認してなかっただけで私のこと見てるだろうし。
エルラ「久しぶりだね、セオくん。」
セオ「…久しぶり。エルラちゃん」
セオ「あの後大変だったよ。色々取り調べさせられてさ。」
エルラ「そう。ごめんね」
セオ「だからこそ、私が殺さなければいけない」
ビュッ……
エルラ「ごめんだけど、私逃げるね。」
セオ「は?」
エルラ「もう大丈夫だから。」
逃げたんだよ。他の獲物を探す為に。
――だって、そうしなきゃ私の心は満たされない。
勝てない相手に挑むほど馬鹿じゃない。
どうせ勝てて殺したとしても満たされないから。
腐りきった心に大切な『もの』ってなんだろ。
愛?
実験台?
力?
幸せ?
償い?
生命?
なんて、わかんねー。
『もう毎日が地獄です』とか、
『死にたくて仕方ありません』とか。
散々聞いてきたけどさ。
私、そういう人を殺しても満たされなかった。
毎日が充実してて、死にたくない人を殺したほうが満たされるってことだよね。
手を伸ばしても取れないんだ。
死にたくないから嫌なんだ。
何が何だかわかんないんだ。
生きる意味が無いんだ。
早く殺したいんだ。
満たされないんだ。ずっと。
枯れ果て腐敗した感情を戻すかのように。
一筋の光が指したんだよ。
『都内で未確認生物と見られる物が発見されました。もし危険だと思いましたら、自分の[漢字]能力[/漢字][ふりがな]スキル[/ふりがな]で対処してください』
殺して、いいのかな?
エルラ「ふふっ……はははははっ!」
人を殺しても心が満たされなくなった。
だから心底嬉しかった。
エルラ「お母さん、ありがとう」
小学校の件から会っていなかった母に、感謝を告げ。
[中央寄せ][太字][大文字]傀儡の[漢字]挽歌[/漢字][ふりがな]エレジー[/ふりがな][/大文字][/太字][/中央寄せ]
笑みを浮かべ、唱えた。
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