二次創作
我ら、政府直属特殊部隊「メカクレ団」!
「あー、学校とかだりー……いっそサボろうかな……」
「何言ってんだ、行くぞホラ。」
目が眩みそうなほどの晴天の下、隣を歩く背の高いクラスメイトの少年を引っ張りながら、少女は今日もため息を吐く。街角に響くいつものラジオの内容は、今日は珍しく物騒だ。
[明朝体] 『本日のニュースです。トーキョーシティ内で、中高生の行方不明者が急増中。現在警察は原因を究明中。怪しげな人物には近づかないよう、十分にご注意ください。』[/明朝体]
それを聞いて顔を顰めたのもやはり少女で、ザワザワと風で髪が揺れることを気に留めず、ふと立ち止まって音源の方向を向く。
「……なんかこう、嫌なニュースだね。朝っぱらから聞きたくなかった。」
「まあどーせお前は平気だろ。細いし。女っぽくないし。」
「オイコラ失礼だなお前!?」
日々しょうもないと思いながらも、何だかんだでつい突っ込んでしまう自分の性質を、内心で静かに呪いながらも、少女はもう一度ため息をつく。
そんな様子を知った上で、調子を変えずに少年は話題を転換した。
「てかさ、今日漢字テストじゃん。お前勉強した?ちなみに俺はしてない。」
「お前と一緒にすんな、さすがにやったし。私をなんだと思ってるんだよマジで。」
「おいそこは死ぬ時は一緒とか言う所だろ!ったく薄情だなぁ、泣くぞ?」
「勝手に泣いとけ。あと死ぬなら一人でな。」
やだやだめんどくさいー眠いーとボヤきつつ、少年はテンションを変えないまま、徐に少女のリュックの上に部活の道具と思しきアイテム達を積み上げ始める。
その重みに思わず顔を顰めて振り向くと、すっとぼけたような表情の少年が立っていた。文句の一つでも言ってやろうかとため息を吐き軽く睨むと、少年は肩を竦める。
「重いんだよ。ナチュラルに載せんな。」
「えー良いじゃんちょっとぐらい。俺のリュック今重いんだよ。とても重い。」
「いや知らんわ。頑張れよ。」
あーあーお前のせいでやる気無くしましたー。
責任持っておんぶして連れてって下さーい。
いっつもアホみたいな事ばっか抜かしやがってこの野郎。
180超えてるって事を自覚しろバカ。
悪友らしい会話を繰り広げながらも、近くも遠くもない距離感で、時折電信柱を避けながらも、二人は学校に向けて歩いて行く。
一方は、金曜日に似つかわしい明日への期待に満ちた足取りで。
もう一方は、これまた金曜日に似つかわしい疲れたような足取りで。
「てか離れろって。もう学校近いんだよ!んなコトしてるヒマ無いだろ!」
「うーるーさーいー。てかお前の大声の方がよっぽど恥ずかしいわ。」
ヒラヒラと手を振りながら、いっそわざとらしいくらいに呆れたような表情を浮かべる少年。それを見た途端少女の口の端が引き攣って、青筋の浮いていそうな笑顔になった。いい加減にしろとだけ言って、少年の頭を叩く。
『結局小言から出てくるあたり、天性のツッコミだな、こりゃ。』と少年は思わず呟いた。
「いや、お前のせいなんだけどな!?」
「おー、さすがツッコミ慣れしてる。見事なキレツッコミ。よっ、日本一!」
「バカにしてんのか。てかキレてないし。」
「どーだかなー。」
そんな無駄口を叩きながらも、ざわざわと響く風の音と共に、通学の際の近道でもある商店街を歩く。
少女の足元をのてのてと歩いていた黒猫が路地裏に消えて行く。『かわいい』と少女が呟くと、『そーか』と少年は気だるげに返した。
「ん…?奥で、何か光った?」
「おかしいなー?そんな事してるヒマないんじゃなかったか?俺の聞き間違い?」
「うっさいな、気になっただけだわ。」
瞬きの間に無表情になった少女が見たソレは、当たり障りのない一日には紛れもなく場違いで。
「っておい、どこ行くんだお前。」
「…………⬛︎⬛︎だ。 アれ? き れ イ ?」
「は!? ちょっと待て、気になったからって所構わずフラッと……」
伸ばした手を振り払われた少年が見なかったソレは、おかしな日々の始まりにはよくあるような煌めきだった。
[中央寄せ][大文字]༒──────✯──────༒[/大文字][/中央寄せ]
[明朝体] 『 その日は随分と平凡で
当たり障りない一日だった。
暇つぶしに聞いてたラジオから
ある話が流れ出すまでは___。 』[/明朝体]
[中央寄せ][大文字]༒──────✯──────༒[/大文字][/中央寄せ]
ん? ああ、君___
___やっぱり。【僕】を見たんだね?
あは、あはは、あはははははははは!!!
[中央寄せ][大文字]༒──────✯──────༒[/大文字][/中央寄せ]
[明朝体] きっと[漢字]実験終了[/漢字][ふりがな]デッドエンド[/ふりがな]には、まだ遠い。
だが[漢字]終焉[/漢字][ふりがな]エンドロォル[/ふりがな]は確実に、この街に近づいている。[/明朝体]
「何言ってんだ、行くぞホラ。」
目が眩みそうなほどの晴天の下、隣を歩く背の高いクラスメイトの少年を引っ張りながら、少女は今日もため息を吐く。街角に響くいつものラジオの内容は、今日は珍しく物騒だ。
[明朝体] 『本日のニュースです。トーキョーシティ内で、中高生の行方不明者が急増中。現在警察は原因を究明中。怪しげな人物には近づかないよう、十分にご注意ください。』[/明朝体]
それを聞いて顔を顰めたのもやはり少女で、ザワザワと風で髪が揺れることを気に留めず、ふと立ち止まって音源の方向を向く。
「……なんかこう、嫌なニュースだね。朝っぱらから聞きたくなかった。」
「まあどーせお前は平気だろ。細いし。女っぽくないし。」
「オイコラ失礼だなお前!?」
日々しょうもないと思いながらも、何だかんだでつい突っ込んでしまう自分の性質を、内心で静かに呪いながらも、少女はもう一度ため息をつく。
そんな様子を知った上で、調子を変えずに少年は話題を転換した。
「てかさ、今日漢字テストじゃん。お前勉強した?ちなみに俺はしてない。」
「お前と一緒にすんな、さすがにやったし。私をなんだと思ってるんだよマジで。」
「おいそこは死ぬ時は一緒とか言う所だろ!ったく薄情だなぁ、泣くぞ?」
「勝手に泣いとけ。あと死ぬなら一人でな。」
やだやだめんどくさいー眠いーとボヤきつつ、少年はテンションを変えないまま、徐に少女のリュックの上に部活の道具と思しきアイテム達を積み上げ始める。
その重みに思わず顔を顰めて振り向くと、すっとぼけたような表情の少年が立っていた。文句の一つでも言ってやろうかとため息を吐き軽く睨むと、少年は肩を竦める。
「重いんだよ。ナチュラルに載せんな。」
「えー良いじゃんちょっとぐらい。俺のリュック今重いんだよ。とても重い。」
「いや知らんわ。頑張れよ。」
あーあーお前のせいでやる気無くしましたー。
責任持っておんぶして連れてって下さーい。
いっつもアホみたいな事ばっか抜かしやがってこの野郎。
180超えてるって事を自覚しろバカ。
悪友らしい会話を繰り広げながらも、近くも遠くもない距離感で、時折電信柱を避けながらも、二人は学校に向けて歩いて行く。
一方は、金曜日に似つかわしい明日への期待に満ちた足取りで。
もう一方は、これまた金曜日に似つかわしい疲れたような足取りで。
「てか離れろって。もう学校近いんだよ!んなコトしてるヒマ無いだろ!」
「うーるーさーいー。てかお前の大声の方がよっぽど恥ずかしいわ。」
ヒラヒラと手を振りながら、いっそわざとらしいくらいに呆れたような表情を浮かべる少年。それを見た途端少女の口の端が引き攣って、青筋の浮いていそうな笑顔になった。いい加減にしろとだけ言って、少年の頭を叩く。
『結局小言から出てくるあたり、天性のツッコミだな、こりゃ。』と少年は思わず呟いた。
「いや、お前のせいなんだけどな!?」
「おー、さすがツッコミ慣れしてる。見事なキレツッコミ。よっ、日本一!」
「バカにしてんのか。てかキレてないし。」
「どーだかなー。」
そんな無駄口を叩きながらも、ざわざわと響く風の音と共に、通学の際の近道でもある商店街を歩く。
少女の足元をのてのてと歩いていた黒猫が路地裏に消えて行く。『かわいい』と少女が呟くと、『そーか』と少年は気だるげに返した。
「ん…?奥で、何か光った?」
「おかしいなー?そんな事してるヒマないんじゃなかったか?俺の聞き間違い?」
「うっさいな、気になっただけだわ。」
瞬きの間に無表情になった少女が見たソレは、当たり障りのない一日には紛れもなく場違いで。
「っておい、どこ行くんだお前。」
「…………⬛︎⬛︎だ。 アれ? き れ イ ?」
「は!? ちょっと待て、気になったからって所構わずフラッと……」
伸ばした手を振り払われた少年が見なかったソレは、おかしな日々の始まりにはよくあるような煌めきだった。
[中央寄せ][大文字]༒──────✯──────༒[/大文字][/中央寄せ]
[明朝体] 『 その日は随分と平凡で
当たり障りない一日だった。
暇つぶしに聞いてたラジオから
ある話が流れ出すまでは___。 』[/明朝体]
[中央寄せ][大文字]༒──────✯──────༒[/大文字][/中央寄せ]
ん? ああ、君___
___やっぱり。【僕】を見たんだね?
あは、あはは、あはははははははは!!!
[中央寄せ][大文字]༒──────✯──────༒[/大文字][/中央寄せ]
[明朝体] きっと[漢字]実験終了[/漢字][ふりがな]デッドエンド[/ふりがな]には、まだ遠い。
だが[漢字]終焉[/漢字][ふりがな]エンドロォル[/ふりがな]は確実に、この街に近づいている。[/明朝体]