人は死ぬために生きる。


どれだけ頑張ろうと、後世に名を遺す人間は限りなく低い。まだ関係性の近しい家族であろうと、孫の孫の代まで行けばもう自分の名前など薄れている。結局、大多数の人間は何も遺せない。
…死ぬために生きるのと、何が違うのだろうか。基本人間は無力なのである。

といえども、我々は無力であっても生き続けようとするだろう。欲か、夢か、それとも――兎に角、他の何かが生きさせているのだ。自分のソレを知ることは色々と利益があるものの、他人のソレを知るのは難しいとかそういう次元じゃないから、知りたいならすっぱりと諦めたほうがいい。

生き続ける、といえば。
自殺がどうたら、病みがどうたら――世の中はそんな言葉で溢れかえっているが、俺は格好つけるためにしかそんな強い言葉を使えない。自分が味わったことじゃないから、本気で考えてるやつの気持ちを推量することもできない。

しかしながら、創作という活動を続けていると"そういう人"に多く出会う。俺は共感できないから、上っ面の言葉だけで慰めるしかない。死んだら俺が悲しいと、貧弱な語彙でそう伝えるしかない。
しかしその裏では、死に抗うことは別に善でもなんでもなく、その先あるべき姿を先取りするという観点では、死もまた善――なんて考えている自分がいる。

だから、自殺を考えていた人はどうか教えてほしい。
どうして今生きているのか、何故考えたのか――それと、自分はどうしてほしかったのか。
どうか、俺の空を晴らしてほしい。