夢幻の世界の勇者様
「大樹! 大樹はありますか?」
「ありますよ。ついてきてくださいな」
「はぁい!」
アルがはしゃぐ。
アルの遊び場は、大樹の木陰だったんだよな。
そして、遊び相手は───。
「…こちらになります」
「セル!」
大樹の精霊セルは大樹の前で横たわっていた。
「死した訳ではありませんが、もう生きる力がなくなってきているような感じになります」
「そう…ですか」
「セル! 起きて!」
「…あ、あるてみす…、私、大樹を守ったよ」
「ああ、ああああっ! ありがとう! …でも、あなたは死なないで!」
「…セルを運んだりしないのですか?」
すると女性は力なく首を振った。
「セルは…大樹の陰から出ることはできないのです」
「そうなんですね…」
アルは泣きじゃくった。
セルは、あのまま目を閉じて、死んでいった。
「こんなことって…魔王!魔王!許せない! お父様とお母様と国のみんなとそしてセルを、私の手から奪った!」
うわあああああああ~~~~~~~~んっ!!!!!!
アルの泣き声は、葉のない森に木霊した。
「ありますよ。ついてきてくださいな」
「はぁい!」
アルがはしゃぐ。
アルの遊び場は、大樹の木陰だったんだよな。
そして、遊び相手は───。
「…こちらになります」
「セル!」
大樹の精霊セルは大樹の前で横たわっていた。
「死した訳ではありませんが、もう生きる力がなくなってきているような感じになります」
「そう…ですか」
「セル! 起きて!」
「…あ、あるてみす…、私、大樹を守ったよ」
「ああ、ああああっ! ありがとう! …でも、あなたは死なないで!」
「…セルを運んだりしないのですか?」
すると女性は力なく首を振った。
「セルは…大樹の陰から出ることはできないのです」
「そうなんですね…」
アルは泣きじゃくった。
セルは、あのまま目を閉じて、死んでいった。
「こんなことって…魔王!魔王!許せない! お父様とお母様と国のみんなとそしてセルを、私の手から奪った!」
うわあああああああ~~~~~~~~んっ!!!!!!
アルの泣き声は、葉のない森に木霊した。