夢幻の世界の勇者様
「うっそー! ナギって死んだんじゃなかったの!?」
「ああ、余は一度死した。が、魔王様に生き返らせて頂き、イペタムを頂いた」
すると、イペタムがまた動き出し、アルの方へ向かっていった。
「避けろ! アル!!」
しかし、アルが避けることは出来ず…。
アルは腕で受けた。刀に腕をガブリと噛まれ、血をダラダラ流しながら倒れ込むアル。
「アル! アル! 大丈夫か?」
「…大丈夫よ。私には『ライト』があるから」
そう言ってアルは噛まれた右手に左手を被せ、
『ライト』!
と叫んだ。
アルの手元が輝いた。
(よし、治った!)
と、誰もが思うだろう。
しかし、アルは治らなかった。
それどころか、アルの傷はどんどん深くなるばかり。
「痛いっ、痛い!!」
「不味いな。イペタムの唾液のようだ。姉上を呼ぶしかないな」
そうして、スサは親指と人差し指を口に当て、ピイと笛を吹いた。
草笛のような音が出る。
昔よくアルと草笛を吹いて遊んだものだ。
(アル…)
「まあまあ、どうなさったの? あら、あれはナギ様かしら」
「様!?」
アゲハ様が、敵であるはずの男に「様」をつけるとは。
「あら、知らないのかしら、スサ。ナギ様はね、私たちの[大文字][太字]父上[/太字][/大文字]ですよ」
「え!!??」
「わらわは、修行のため、岩室にこもったであろう? その時に、この方の遺体に会った」
いわむろ…? なんのことかさっぱりだが、血縁関係なのだ。
「じゃあ、息子に[漢字]刃[/漢字][ふりがな]は[/ふりがな]ァ向けんな!」
「駄目じゃ」
「へっ? 俺の父さんじゃねえの?」
すると、アゲハが神妙そうな顔をした。
「我らの母、ナミは、スサの産後、肥立ちが悪く、看護の甲斐なく死んだのよ…」
「半分俺のせいってか」
「いや、全部でしょ」
「ああ、余は一度死した。が、魔王様に生き返らせて頂き、イペタムを頂いた」
すると、イペタムがまた動き出し、アルの方へ向かっていった。
「避けろ! アル!!」
しかし、アルが避けることは出来ず…。
アルは腕で受けた。刀に腕をガブリと噛まれ、血をダラダラ流しながら倒れ込むアル。
「アル! アル! 大丈夫か?」
「…大丈夫よ。私には『ライト』があるから」
そう言ってアルは噛まれた右手に左手を被せ、
『ライト』!
と叫んだ。
アルの手元が輝いた。
(よし、治った!)
と、誰もが思うだろう。
しかし、アルは治らなかった。
それどころか、アルの傷はどんどん深くなるばかり。
「痛いっ、痛い!!」
「不味いな。イペタムの唾液のようだ。姉上を呼ぶしかないな」
そうして、スサは親指と人差し指を口に当て、ピイと笛を吹いた。
草笛のような音が出る。
昔よくアルと草笛を吹いて遊んだものだ。
(アル…)
「まあまあ、どうなさったの? あら、あれはナギ様かしら」
「様!?」
アゲハ様が、敵であるはずの男に「様」をつけるとは。
「あら、知らないのかしら、スサ。ナギ様はね、私たちの[大文字][太字]父上[/太字][/大文字]ですよ」
「え!!??」
「わらわは、修行のため、岩室にこもったであろう? その時に、この方の遺体に会った」
いわむろ…? なんのことかさっぱりだが、血縁関係なのだ。
「じゃあ、息子に[漢字]刃[/漢字][ふりがな]は[/ふりがな]ァ向けんな!」
「駄目じゃ」
「へっ? 俺の父さんじゃねえの?」
すると、アゲハが神妙そうな顔をした。
「我らの母、ナミは、スサの産後、肥立ちが悪く、看護の甲斐なく死んだのよ…」
「半分俺のせいってか」
「いや、全部でしょ」