夢幻の世界の勇者様
「おい、誰だてめえ! 降りて来やがれ!」
スサが叫ぶ。
男はすうっと降りてきた。
「降りてきたぞ。では、こちらのターンだ」
男はそう言って、鍔を弾いた。
すると不思議なことに、その刀は自らの意思で動き出し、こちらへ振りかざしてきた。
「きゃあっ! はあ!? なんなのよこれえ〜! 反則反則!」
「るせえ、アル!」
文句を叫ぶアルと黙れと叫ぶスサ。
(うん、どっちもうるさいよ)
僕は心の中でそうつぶやいた。
「その刀は、愛刀イペタム。俗に、人喰い刀と言われる物だ」
「んなもんあってたまるか!」
「逃げるな、スサ! 隙を見つけるんだ!」
隙、隙、隙!
「アル、スサ! 敵はイペタムじゃない! あの男だ」
「おうよ! おい、そこのお前、まず名前を吐け! 呼びにくいんだ!」
(そこかいな)
と思いながら聞く。
すると、男は意外な名を語った。
「我はナギ。この世全てを司る者ぞ」
ナギ。
妻であるナミを失ってから自暴自棄になり、行方知れずとなった男だった。
スサが叫ぶ。
男はすうっと降りてきた。
「降りてきたぞ。では、こちらのターンだ」
男はそう言って、鍔を弾いた。
すると不思議なことに、その刀は自らの意思で動き出し、こちらへ振りかざしてきた。
「きゃあっ! はあ!? なんなのよこれえ〜! 反則反則!」
「るせえ、アル!」
文句を叫ぶアルと黙れと叫ぶスサ。
(うん、どっちもうるさいよ)
僕は心の中でそうつぶやいた。
「その刀は、愛刀イペタム。俗に、人喰い刀と言われる物だ」
「んなもんあってたまるか!」
「逃げるな、スサ! 隙を見つけるんだ!」
隙、隙、隙!
「アル、スサ! 敵はイペタムじゃない! あの男だ」
「おうよ! おい、そこのお前、まず名前を吐け! 呼びにくいんだ!」
(そこかいな)
と思いながら聞く。
すると、男は意外な名を語った。
「我はナギ。この世全てを司る者ぞ」
ナギ。
妻であるナミを失ってから自暴自棄になり、行方知れずとなった男だった。