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黄金色の記憶

#23


頭上には満点の星空。目の前には今まで読んできた本がぎっしり入った馬鹿でかい本棚。
本棚の前には最近触ったおもちゃや服、文房具。ほのほか色々が無造作に転がっていた。


あまりにもアンバランスで非現実的な世界だ。

私の最後の記憶はしかっかりベッドに入っておやすみ世界をしたので終わっているので、多分ここは夢の中なんだろう。

これが明晰夢ってやつか。
じゃあ今世でこんな風景は見たことないので前世のやつかな?
どうなんだろうなーっと、その辺に転がってるクッションの上に座った。ふわっと、思ったよりリアルな感触がしたのでビックリした。


これほんとに夢かねー?でもまぁ、多分夢なんだろうなー


ゆるゆるの自問自答しながら空を見上げると、溢れ落ちそうな星空が見えた。
いやー、ほんとに綺麗。
これが夢の中って信じられないくらい綺麗。


「いだっ!」


ぼーっと空を見上げていると、後から人の声が聞こえてきた。

うん?人?

ここ夢の中でしょ?人とかいたらおかしくない?
でも夢って記憶の整理らしいから出てきてもおかしくはないか。

空を見上げるのを辞めて声のした方視線をよこすと変な……いや、独創的な髪型の少年が足の小指を押さえて蹲っていた。
誰だろ。前世は忘れてる可能性があるけど、今世ではこんな子みたことないぞ。
特にこんなパイナップルみたいな髪型は忘れられないと思うんだけど……


「あぁもうっ!なんで精神世界にレゴなんてあるんですかぁ!!」
「あれ踏んだら痛いよね」
「ほんとに!おかげで土踏まずが凹みましたよ」
「土踏まずは元から凹んでませんか?」
「いやいや、それが扁平足って言って足裏がへっこんでる状態があるんですよ。まぁ僕は健全な足裏なんですけど」
「へー。で、どちら様ですか?」
「いやそれはこっちのセリフで………って、ここあなたの精神世界ですか?
「えっ、スピリチュアリティ?」


私、そういうのにはあまり詳しくないんですけど……
そう付け足すと少年は興味深そうに顎に手を当てた。何かを考え込んでいるようだ。

関わらないのが最善の選択なんだけど、夢に知らない人物が出てきて、しかも会話できるとかいう現象に興味が沸かない方が可笑しいので、邪魔しない程度に少年を観察している。

藍に近い独特の髪。
同じ色の瞳。
そして、赤い、数字の入った瞳。

厨二病……?
いやいや、厨二病だからって何だ。健全な少年少女なら一度は通る道だ。
かくいう私も前世で14歳ぐらいの時には右目に邪竜を封印していたもん……ウン、思い出すのは辞めよう。

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2024/07/20 19:48

白鯨 ID:≫91YYGRbRUeQ9I
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