文字サイズ変更

黄金色の記憶

#19


「僕は信じてるよ」


意外とあっさり答えたが、嘘ではないらしい。[漢字]情報[/漢字][ふりがな]ソース[/ふりがな]は私の超直感ね。

というか、意外だなぁ。
将来は「キミとの出会いが運命だよ〜(嘘)」って言って人を口説いてそうなのに。意外と信心深いんだ。

そう思って少年を見ると、薄い紫の瞳と視線があった。


「現に僕は運命と出会っているんだし」
「もしかして口説かれてる?」
「かもね」


ウワッ。魔性の人の答え方だ…………将来が恐ろしい。
少年はそのまま言葉を続ける。


「さっき智世チャンは運命を信じてるって言ってたけど、ほんとは信じてないでしょ」


別に重要なこよではないので別にいいんだけど、そんなに簡単に見抜かれるのは嫌だな。
今度は戦闘訓練じゃなくて対話とか交渉とかの練習しようかな……


「バレてたか」


おちゃらけた感じで返して少年をみる相変わらず仮面で顔は見えないが、綺麗な作り笑いをしているのは感じ取れた。
なるほど、この少年も私と同じく嘘が得意なタイプなんだ。
それならなおおのこと信用は出来ないなー

まぁ、話は続けるけど。


「どうしてわかったの?」
「簡単だよ。僕がそのセリフを何回も聞いたから」
「……初対面だよね?」
「“僕は”ね」


意味深だなぁ。
“僕は”と“僕が”の違いは分かんないけど、この少年はやっぱり私のことを知ってるみたいだ。
私が知らない所で勝手に知られるって………ほんとに全く持って気に食わない。



私はちょっとイラっと来ているのでこれ以上関わりたくない。だけど、私だけ知られてるのは気に食わない。
話したくないけど情報は欲しい。


Q、うーん、こんな我儘を叶えられる道具はないですかねぇウミえもん。
A、んなもん無ェわ


脳内でマジレスするウミえもんが聞こえた気がするが無視無視してソファーから立とうとする少年を見る。
何事も観察が大事って本で読んだからな。ウン。


「じゃあね智世チャン」
「一体どこで知ったのかは知らないけど仮面舞踏会で本名呼んだら意味ないじゃん」
「あっ、そっかじゃあごめんねのついでに僕の名前教えてあげる」


じゃあ最初から呼ばないでよとは思ったけど、思ってもない申し出に歓喜。
これで私ばっかり知られているというこの状態から抜け出せる。


「僕は白い蘭ってかいて白蘭。じゃっまたね、智世チャン♪」


そう言って少年____白蘭は仮面をつけた人々に紛れ込んで消えてしまった。
ていうか白蘭って苗字と名前どっちだよ。

※ダブルクリック(2回タップ)してください

2024/07/20 19:01

白鯨 ID:≫95W8biv8iH20g
小説を編集
/ 25

コメント
[0]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL