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黄金色の記憶

#18


「はじめまして、早速だけど僕と踊ってくれませんか?」


なるほど、ダンスのお誘いだったのか。
確か「ムリ」ってどストレートにいうのはマナー違反だった気がする。


「お誘いは有難いのですが私、ダンス踊るのは得意じゃなくて……きっと貴方に迷惑をかけると思います」
「僕がリードしてあげる」


やけに食い下がるな……踊れないこともないけど、めんどくs……下手なので踊りたくないんだよな。
こうなるんだったらロリコンだし変態だけど、一応パートナー(名目上)として瀛を置いておけばよかった。まぁ、今はあの女の人と踊ってる最中だからムリか。

そんなことを考えながら遠回しにNOを叩きつけていると、白髪の男の子はボーイさんからカクテルを貰うと、自然な流れで私の隣に座ってきた。

うーん、近い。
いや、私のパーソナルスペースが広いだけなのかもしれないけど、これは近い。絶対私の鼻息聞こえるよ。


「近いです。離れてください」
「そうかな?ねぇ、ところで___________________




智世チャンは運命って信じる?」




なんで、この少年はこんなにみ臭いセリフが似合うんだろうか。
仮面つけてるから?

それはどうでもいい。というか、なんで名前を知っているんだろう。私の個人情報は裏社会からボンゴレや瀛さんによって最高機密として守られているので情報が漏れたとは考えにくい。

自慢ではないけど記憶力は良い方な私が、こんな見れば忘れられそうにない少年を忘れるとは思えない。


なのに、どうして?


瀛さんに(お互いの恥ずかしい秘密を賭けたポーカーで)鍛えられたので動揺は隠せていると思うけど、これ以上沈黙が続けばボロが出る。
それに私ばっかり知られているのも気に食わないのでこの少年から何かしら引き出そうと、会話を続ける。


「運命は「人間の意志をこえて、人間に幸福や不幸を与える力のこと」って解釈でいい?」
「もちろん」
「なら私は信じてますかね。宗教とかそういうとかじゃないですけど、そういうのはあるんだろうなーって思ってますよ」


まぁ、私は運命なんて信じてないので全部嘘なんだけど。








「それで貴方はどうですか?」


私は仮面越しでも分かるように大袈裟に微笑んだ。

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2024/07/20 19:00

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